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「叶え組」のわたしが、やりたいことをみつけた話

以前、『世界は「夢組」と「叶え組」でできている』という文章を書いた。

夢中になる能力がある「やりたいことがある人」を「夢組」だとしたら、やりたいことがない人は「叶え組」だ。

このふたつはチームになるといいと思う。仕事でも夫婦でも、「夢組」と「叶え組」はお互いに力になれるし、自分にはない能力を持っている相手を大事にできる。

自分が「夢組」なのか「叶え組」なのかわかっていれば、無理して自分とはちがう何者かになろうとしなくてすむ。


これは、わたし自身がもうだいぶ前から「やりたいことがない」「夢中になるほど好きなものがない」「将来の夢がない」というタイプで、「本当にやりたいことがないの?」「好きなことをやったほうがいいよ」と言われ続けてきて考えたことや、そんな中で自分のしてきたことを振り返って書いたものだ。

「やりたいことがある人」が「夢組」であるのに対して、「やりたいことがない人」に、誰かの夢を叶える能力があると「叶え組」という名前をつけたことで、多くの人がよろこんでくれたし、むりやりやりたいことを見つけようと苦しんでいた人が「やりたいことがないままでも別にいいんだ!」と安心してくれたりして、うれしかった。

今まで大きな声で「やりたいことがありません!」とは言えなかった人たちが「叶え組」という名の役割のもとで「わたしは誰かの力になれますよ!」と言えるようになったのも、とてもうれしい。


ただ、やりたいことがない「叶え組」にもいろいろな種類や段階があって、どんな場で活躍できるのかもそれぞれだ。(もちろん同様に「夢組」にもいろいろある)なので、そこをもうすこし掘り下げて考えてみたいなと思うようになった。

「自分のことがわかるようになる」ということがうれしいので、もうすこし問いをたてて投げかけてみたい。「わたしはどうかな?」と考えるタネになれるとうれしい。


やりたいことが「ない」なら、なにが「ある」?

わたし自身のことを振り返ると、わたしが「やりたいことがない」と思うのは、「他に優先することがある」ということだったなと思う。

学生のときは、父が倒れて働けなかったので「やりたいこと」より「すぐに収入になる職業」を選んだ。子供を産んで仕事に復帰したときは、「やりたいこと」より「時間の融通がきいて役にたてること」を選んだし、独立するときは、「やりたいこと」より「時間とお金に困らないこと」を選んだ。

つまり、「やりたいこと」を優先して「なんでも好きなことをしてもいい」という状況が今まで一度もなかったので、やりたいことがわからないだけだったのかもしれない。


逆に言うと、自分の決めた優先順位はいつも守ることができていた。

たとえば、会社を辞めて独立するとき、わたしはシングルマザーで子供が小学校に入ったばかりだったので「人の半分の時間で、倍稼ぐ」というのを決めていた。手段はなんでもよかったので、自分のできることの中から選んでやることを決めた。「やりたいこと」をしていないけど、「お金と時間に困らないようにしたい」という夢は叶えることができた。また、クッキー屋さんという場をつくることで、「お菓子を作りたい」という人たちの夢を叶えることができた。


誰のどの夢を叶えるか?

「叶え組」は誰かの夢を叶える能力がある、と書いたが、実は自分の夢も叶えることができるのではないか。「自分がやりたいこと」よりも他に大事なことがあって、それを叶えている ということはないだろうか。

それがわたしのように自分にとって大事なことの場合もあるし、無意識に「親の希望や期待」を大事にして、それを叶えていることもあるだろう。


わたしは現在、子供が大きくなって、あと数年の学費の圧はあるものの、お金も時間も今までほど優先すべきことではなくなってきたので、ようやく自分のことを優先できる。とはいえ、やはり「やりたいこと」が湧き出てくることはない。だから、やっぱり誰かの「やりたいこと」の動機や見えている未来のために役に立ちたい。

この「自分の力で誰かの役に立ちたい」というのは、立派な「やりたいこと」だと思っている。ただ、それは誰でもいいわけでもない。「これがしたい!」というやりたい「こと」ではなく、「この人と一緒にやりたい!」という「ひと」が大事だということなんだなと思う。

つまり、これからのわたしが大事なのは「誰と一緒にいるか」で、これから優先して叶えるのは「自分のすきな人たちと一緒にいたい」という夢だ。

これからはこの夢を叶えていこうと思う。


「やりたいこと」ができた

また、こうして「やりたいことがある/ない」ってどういうことだろう?何をしたらいいんだろう?と考えて言葉にして、同じように考えている人たちにこうして問いかけて一緒に考えること、読み終わったときに、読む前より少しだけ自分のことがわかるような文章を書くことも、わたしの「やりたいこと」になった。

文章だけではなくて、ワークショップなどで話したり一緒に考えたりするのもやってみたい。

これからしばらく「夢組と叶え組の人」として、考えて書いてみようと思うので、ワークのような本やワークショップなどでなにか一緒にできそうなことがあれば、ぜひお声がけください。

Mail:sac1221@gmail.com


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