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No note, No 自己肯定感.
昨年の12月に書き出したこのnote、さっきふと確認したらこの半年のビュー数が103万とあった。多いか少ないかよくわからないけれど103万と。それを見て、ここに書く前と今で、なにかかわったことはあるのかしらと考えた。
自分の中にあるちょっとした考えや、今までしてきた仕事のことを、だれが読むのかわからないけれど吐き出すようにデトックス的に書いたのは、意識的に「出そう」と思ってはじめた。「出さないとダメだ」とどういうわけか思ったのはなぜなのか、最近になって少しわかってきた。
わたしはたぶんこどもの頃から、自己肯定感が低い。
誰かに褒められてもあまり信じないし、イヤなことがあっても大抵のことはガマンするし、自信もない。10代のころは「どうせわたしなんて」のかたまりだったし、「どうしてわたしばっかり」と不満や怒りをたくさん抱えていた。
その原因は、こどものころの親や先生など、大人との関係性や環境でつくられたものだと思うけれど、自分がおとなになるにつれ、自分の周りの関わる人が増えるほど、その怒りや不満は薄れていった。こどもも産んで、仕事もそこそこして、友達もいて、自己肯定感が高いとか低いとか感じる余裕もなく、日々をやりすごしていた。
それができたのは、わたしが自己肯定感が低いと同時に、我がつよく自己中心的な考えがあるからだと思う。このふたつは一見真逆な素質だけれど、わたしにとっては都合の良いコンビだった。
どうなるかというと、我がつよくて自分の考えを大事にするので、まず他人は他人として自分と比べることをしない。他人とはわかりあえない前提で、わかってもらおうとしない。どんな立場の相手でも(男女年齢など)個として徹底的にマンツーマンでしか向き合えない。
そうすることで、自分の評価を、誰かと比べたり一般論になぞらえたりしなくてすんでいた。ひとより大変かどうか、ひとより足りないものがなにか、そこを見ると大敗するのをわかったうえで、自分がどう思うかがすべてで、いつも自分とだけ対話をしていた。
noteを書き出した昨年末、特になにかがあったわけではないのだけれど、ふと、対話相手が自分では足りないと感じた。自分以外のなにかやだれかを受け入れるスキマが一切なくて、これではもったいないと感じた。
自分のことを話したり書いたりすることは、だれかに大事にしてほしいと思うことだ。それを大事にされなかったとき、ひとは悲しむ。怒る。わたしはそれを恐れてきたのだと思う。
自分とだけ対話をすることで、自分の考えを大事にすることはできたけれど、おそらく大事にしすぎた。
その今まで大事にしてきたことを、もしかしたらたいしたことではないんじゃないかと疑ってみた。いや、薄々気がついていた。ただのゴミかもしれない。だとしたら、汚部屋のようにゴミで埋まってもうスキマがない。えーそんなのやだ。と思って、とにかく断捨離のごとく書き出した。
書いてみたら、ゴミもあり、リサイクルできるものもあれば、いい感じのアンティーク品もあった。
自分がなにを大事にしてきたのか、ずっと対話を続けてきたからわかっていると思っていたはずが、ほとんどが思い込みで、ややこしいと思っていたけれど、実にシンプルだった。
思い込めることでいいこともあるけれど、一生思い込めるほどの暗示をかけるのは、自分自身ではなく誰かべつの人にしかできない。中途半端な思い込みは、ゴミだ。
思い込みのゴミを捨てられるかどうかのフィルターが、書くという作業にはあった。
何か伝えたいことがあるわけではなく、自己表現でもないなら、どうして書いているの と何度も質問されてきたけれど、整理整頓と大掃除、ゴミ出しと宝探しをいっぺんにしたのだな、と最近わかった。
そして例の自己肯定感は、書いたことで高くなったかというと、それは残念ながらたぶん変わっていない。むしろ大事だと思っていたことが別にたいしたことがなかったことで、自分はたいしたことないなーとわかったことのほうが大きい。だけどそれは、ゴミだらけの自分をむりやり肯定するよりも健全なことだなと思う。
それでも、そのどうでもいいことを誰かが読んでくれて、読んだひとの中のなにかが動いたりすること(まさにリサイクル)が稀にあると知って、それがうれしいと思うのは、自己肯定感は低いまま、他者肯定感が高くなったのだろう。
みんな、大事にされたいよねえ と思う。
とりあえず、書いてみるのもいいかもよ。
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