未来が宙に浮いてしまう問題
先日、このnoteを読んでくれた方が
「ぼくはまったく逆で、未来ばかり見てしまうんですよ」と言っていた。
未来に「これをしたい」「こうなりたい」「あれをやらなきゃ」「それもやろう」とたくさん見えているものがあるのだと言う。
「それはいいじゃないですか、羨ましいですよ」と答えると、「でも、その見えている未来は今現在とつながっていなくて、しんどい」のだそうだ。
「過去はどう見えてるんですか?」と聞くと、「過去に意味を見つけたことはなくて、過ぎたことは忘れちゃうか、自分に都合のいいことだけ美化して断片的に覚えている」というので、つい笑った。
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わたしは未来を見るのが苦手で、過去を捉え直すことで現在とつなげる道をつないでようやく未来が見えるので、その「未来だけが見える」感覚はないのでおどろいた。
未来と現在がつながっていないというのは、目の前のやらなきゃいけないことと想像する希望する未来が地続きに見えないということで、未来のやりたいことが浮いて、風船のようにふわふわしたものになってしまう。
未来と現在をつなげるには、どうしたらいいんでしょうねと考えていたら、思い出したことがある。
すこし前にnoteとキリンビールさんのコラボ企画で「社会人1年目の私へ」というテーマの投稿コンテストがあった。
ハッシュタグをのぞくと、テーマの通りみんなが過去を振り返って思い思いの文章を書いていた。ついつい引き込まれてたくさんの人たちの過去の話を読んでいて、ふと気がついた。
過去の話をしているはずが、みんなその先で今の自分を語るようになる。「あのときこんなことがあったから、今こう思えるんだな」「あのときあれに気がついたから、今これを選べるんだな」「あのときはできなかったけど、今はできるようになったな」などと。
過去を見ていると今が見えてくる。過去について思い出すと今の感情がわいてくる。
こうして過去と今を地続きに感じることができると、未来は今の自分の行動を積み重ねることで行き着くもので、未来から見た「あのときのあれ」を今つくっているのだと思えるのではないか。
過去を巻物のように今現在まですべてつなげるのはむずかしくても、「社会人1年目」など点でいいので過去のことを思い出し、その点と現在点を線を結ぶ作業をしてみると、その線のいちばんあたらしい端っこを今持っているのだと実感できるはずだ。
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未来を見るだけだと、今の自分が風船に浮かされたように地に足がつかなくなってしまうし、過去を見るだけだと、今の自分が鎖に囚われたように先に進めなくなってしまう。
つまり、プラス面に言い換えると、未来を楽しみにするために過去の捉え方を変えると鎖をはずすことができるし、宙に浮いてしまう未来は過去に意味をもたせて重さを出すことで現在とつなげることができるのではないか、と思う。
過去を見るタイプのわたしは、今どんな選択をしても、理由とか意味とかなくてもあとから点と点は線で結べると思っているし、未来を見るタイプの人は、根拠などなくてもとにかく先に遠くまで線を投げてひいて、それを追うように点をうっていくことができる。
どちらのタイプも過去も未来も都合よく見て、より楽しい方に行く材料になるといいな、と思う。
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