『日本沈没2020』 6話までの感想
Netflixで配信開始された、湯浅政明監督『日本沈没2020』を6話まで視聴。事前予習として1973年公開の映画もAmazonプライムで見ました。
原作に近い映画は、藤岡弘。演じる潜水艇操縦士の小野寺を主軸に、主に政府側の対応を描くスペクタルもので、『シン・ゴジラ』的作品と言ったら分かりやすいでしょう。一方、アニメである『日本沈没2020』は突然大震災に見舞われた中学3年生の武藤歩の家族を中心に描かれ、一応、世界観的には繋がっていて、小野寺なども登場します。
歩の母親はフィリピン出身で、小学2年の弟が英語をナチュラルに話しeスポーツの選手を目指している等、ちゃんと今らしさのあるキャラ設定で、湯浅監督の『DEVILMAN crybaby』にも共通した、ちょっとした差別の問題などの現代的テーマも盛り込まれています。
率直な感想を言えば、湯浅監督らしさは薄く、アニメとして物足りなさがあります。インタビューでは、リアルさを目指したと発言していて、題材的にはそれは正解であるんですが、それなら湯浅監督がやらなくても良かったのでは?というのが正直なところ。
あと、序盤の展開も疑問があって、避難先で電話・ネットが繋がるようになって、まず行方が分からない&遠方の家族・知人に連絡しようとするのは当然として、その後警察などに一切助けを求めず、危険かもという理由で勝手に移動を開始してしまうのは、対応としてはどうなんだというところ。ネットも何が正しい情報かとか、マスコミは信用できないとか、今らしいやりとりがあり、ツイッターでの呟きも出てくるのに、そこで助けを求めるとか、ちゃんと情報収集してどこが安全かなどを調べたりしようとするなどの描写がないのはちょっと不自然。まあ、現実的にもこんなもんかも知れませんが、全体的に行動が少し不用意で馬鹿すぎない?と感じてしまいました。
また、政府の動きがD計画発動の発表まで一切描かれず、自衛隊とかも何も出来ない・やっていない前提な感じで話が進んでしまうのも、リアリティ面で言えばおかしく思えてしまう。
ここから少しネタバレ
中盤の幸○の科学をマイルドにしたみたいなカルト施設での出来事は、そこのリアリティは湯浅監督らしいお遊びとしても面白い展開で別にいいんですが、冷静に考えたら、何を見せられているんだろうといった気持ちにw
家族と日本の運命はどうなるのか、終盤の展開で微妙な評価が覆るのか、楽しみに今夜続きを観たいと思います。
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