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何を以て私は優秀なのか聞いてみた
社会生活を営む中で少なくない回数言われてきた「あなたって優秀だから」という言葉。ひねくれ疑心暗鬼ネキの私はいつもその言葉の余波を感じ取ろうと必死だった。
ほいで、今回お世話になったスクールの先生とかエージェントの偉い人にも誇張なく全員から言われたので、思い切って偉い人に聞いてみた。
「私の何が優秀なの?」と。
するとその人は、少し考えてからこう答えた。
「まず前提として、欠陥のない完璧な人という意味合いでは勿論ないですが、意志や信念を確り持っているからですかね。」
…?
言われた直後は良く分からなかったし、正直思っていた回答とだいぶ違った。学歴も申し分なく前職で一定業績も上げていて礼儀正しいから、とか言われると思っていたので驚きつつも、いったんはローディングの時間が長いその人が次の言葉を発するまでジッと待機。
「今自分がしていることや、選択に対して明確な意思がある人って意外と少ないんですよ。そういう意味で、あなたは目的を明確化させて、それに向けて動きますよね。そういうところが大きいと思いますよ」
続けて
「ある程度肝が据わっているように見えるのも大きいかもしれません。さっき、自分の選択を後悔したことがあるかと聞いたら、しないようにしていると言ってましたよね。それって、目を逸らすって側面もあるかもしれないけれど、後悔することが少ないように動けているということでもあると思うんです。」
と言った。同世代は勿論、もっと年齢層を広げても意外と少ないんですよ、と付け加えられた。その人は学生時代から人事採用領域に携わっていて、大手からベンチャーまで約10年以上役職を変えながら、一貫して「人を見る」仕事をしてきた人だ。新しい視点になるほど、と唸る私。
併せて、転職支援という側面では「人柄で勝負できる人だから、うまく取り繕おうとしなくていい」とずっと思っていたという。うまくやれる人だから、企業が好む回答を用意できると思うけどそれをしたら苦しむのは未来のあなただから、と面接対策ではそこを重点的にやっていたと言われた。
そんな話を聞いて、自分の中で新しい目標が出来た。それは「本当の自分と社会生活における自分の差を埋めること」だ。これまでの私は並々ならぬ警戒心と自信のなさからいつも「周囲が求める私」を演じてきた。自分を出す、なんて考えもせず良くも悪くも溶け込むことを意識してきた。
だから退職してからすぐに、前職の人とのプライベートなかかわりで利用していたSNSのアカウントは速攻削除。最終出社日で見送られたエレベーターホールで退会した。やっと解放された、その気持ちでいっぱいだった。
でも、この約1年半で俯瞰的に自分を見れて、知れて、良いところも悪いところも含めて全部自分だと胸を張って思うことが出来るようになった。
息をするように人々を観察してしまい無駄に気を遣う自分なので、難しいかもしれないけれど、「自分の」意見をしっかり伝えるとか、気持ちをシェアするとか、気になったら声を上げてみるとか、そういうところからやっていきたい。
私が慕う先輩たちのように、公私ともに繋がりを大事にできたらいいなと思う。
いろんなことがあったけど良い出会いだったな、と思う。ありがとう大塚さん。