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久しぶりの日本で感じた「一歩外に出ることの効用」

ずっと日本にいる人にとっては当たり前で、特に意識に上らないことも、私のように海外に住むなどして一定期間外にいた人の目からは際立って見えたりします。

今回は、そんな「一歩外に出ることの効用」について。


情報が多いからこそ、都会の人に身についている技術

時間を置いて改めて日本(東京)の内側に入ってみると、いろいろと気づくことがあります。

まず、情報が多い。

電車の中も、街の中も情報だらけ。

文字、音、アナウンス……。
目と耳に雪崩のように情報が流れ込んでくる。

情報が多いからこそ、日本に住む人は無意識のうちに「情報を遮断する技術」を身につけているのではないか、と思いました。

自分にとって必要のない情報を認識しないようにする遮断技術。

そうしないと、たくさんの情報で頭がパンパンになってしまうからです。

それと関連して……なのかわかりませんが、電車で席に座っているときに「前に立っている人がどういう状況か」という情報も遮断しているように見えました。

2〜3歳くらいのお子さんを抱っこしているお母さんが目の前に立っていても、その情報を「遮断」している。認識していない。

そんな状況を目の当たりにして、ちょっとびっくりしました。

ただ、そういう状況を生み出す要因として、「電車で過ごす時間が長い」「電車がとにかく混む」ことも考えられると思います。

日本滞在中は、実家のある埼玉と東京を電車で行き来することが多いのですが、とにかく混む!  人が多い!

近隣の県から東京に人が移動しすぎている。

電車での移動時間が長いから、座れたらできるだけ長く座っていたいし、近づきたくないのに近くにいる知らない人たちの情報は、なるべく遮断しておきたい。

その気持ちも理解できるんですよね。

あなたの行動や認知は、環境に影響されているかも?

そういった自分の行動や認知の仕方は、環境にそうさせられている面も大きいと思います。

先ほどの電車の例でいうなら、「東京に人が集まりすぎている」「情報が多すぎる」という環境によって、無意識のうちに情報を遮断してしまい、結果として「電車で席を譲らない」という行動になる。

つまり、その人個人の意志ではなく、環境や社会の仕組みによって行動や認知の仕方が決められてしまうこともある、ということ。

ただ、「自分が今、どういう環境や社会の仕組みによって行動を左右されているか」って、なかなか気づけませんよね。

だからこそ「今いる環境から一歩外へ出る」ことで、改めて今の自分を取り巻く環境を知ることは大事だし、一歩外の世界で感じたことをもとに「環境を選び直す」「意識的に行動する」ことも大事なんじゃないかな、と思いました。

これは何も「日本の外に出ることが大事」と言っているわけではありません。

少しだけ違う場に身を置いてみる。いつもと違うことをしてみる。

それだけで、きっと今の自分の環境を外から見る視点を持てるようになるんじゃないかと思います。

そんなことを、久しぶりの日本でツラツラと考えていました。


その他にも、自販機の飲み物の値段がジワリと上がっているな、若者の着る服が地味だなとか、JKは制服の下にジャージをはいて電車に乗っちゃうんだ〜とか、ヒールの靴をはく人がずいぶん減ったよねとか、久しぶりの日本の変化を見て楽しかったです。

今回の一時帰国で感じたことを「かくたす編集部ラジオ」でもお話ししたので、よろしければどうぞ!

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