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資本論定期会合2024 -徒然日記(2024.09.24)

友人が帰ってきた。

読者諸君は『下半身資本論編集部』という組織をご存じだろうか。かつて我が大学で、その認知度と人気度がグラフの底辺を彷徨っていたことから「某大学の地面師」と呼ばれる…ことはなく、代わりに担当教授から「悪党」と呼ばれていた集団である。しかし実態は、中世を跋扈する悪党の行動力の1/100,000の勇気と行動力しか持ち合わせぬ、できたことと言えば「深夜誰もいない道の駅の大型用駐車マスに軽自動車を止める」程度の集団だ。集団というが、ヘナチョコ3人組だ。

そんな私を含む友人3人組だが、運命のイタズラとは残酷なもので、私はそのまま大学のある地で就職をし、あとの二人はかなり遠方の地でハードワークに勤しんでいる。因みに描いていた未来はどこかで落としたようだ。(上記参照)


そんな中「デルタ」氏から、旅行も兼ねて遊びに行くと連絡があった。

すぐさま「先生」氏にも連絡し、ハードワークの合間を縫って3人が集うこととなった。「いやぁ、社会人となると日程調整も一苦労」と言いながら二つ返事で「先生」は了承した。こうしておよそ一年振りに、「下半身資本論編集部」の3人が、大学のお膝元で顔を突き合わせることとなったのだ。

さて、ここまでの話では単なるいつも通りの会合である。ふらっと集まって大学の頃から変わらない話を延々として、解散する。それだけのことである。

ただ今回は単なる会合ではない。

「デルタ」がガールフレンドを連れてくるという。

世間(私の半径50cm)は震撼した。布団をばさっと跳ね上げ、私は我が寝室で叫んだ「マジか!!!!!!!」。同時に私の部屋の空気清浄機がウィーンと動き出した。そのくらい震撼した。ウィーン。


話は進んで会合当日である。「先生」は朝から会場入りするとのことで、私は駅まで彼を迎えに行った。その足でモーニングを食し、来る夜の会合に向けてシュミレーションを2人で重ねた。親友のガールフレンドにご挨拶である。失礼があってはならない。ただでさえ負のオーラに包まれている我々である。怪しいモノだと思われるわけには行かない。

「なんかお友達、ヤバめの人なんだね」なんてガールフレンドに言わせた日にゃ、我々の尊厳は木っ端微塵となってしまう。加えて今までの蛮行も包み隠さねばならぬ。いつもの如く昔話をしてしまえばその瞬間にウォール街もびっくりの株価暴落を記録してしまう。「デルタ」はどこまで行っても底に辿りつかない"底なし沼的好感度"の持ち主であるのでまぁ問題ないとしても、「先生」と私、我々2人は好青年として社会人をやっている。とりあえず「えすでぃーじーず」を言っとけばそれっぽいだろうという解決策をフワッと生み出し、コーヒーを啜った。自分たちの尊厳を守りつつ、我々も気に入られたいなどと言う下心は決してなく、あくまでも「『デルタ』は信用できる男ですよ」と言うことを裏付けるための行動であることは、賢明な読者諸君ならお気づきであろう。

さて、
結論から言うと会合は非常に盛り上がった。言うまでもなくガールフレンド氏の圧倒的コミュ力と人柄の良さによるものである。我々3人では決して生み出されない空気が充満し、「恐らくこれから長い付き合いになるかと思います。どうぞ今後とも仲良くしてください」という素敵な言葉で会は開いた。我々3人、閉鎖的かつ暗雲立ち込めた集団に、新たな光が差し込まれた瞬間であった。

友人に恋人を紹介してもらう。
それはなんとも素敵な瞬間で、かけがえのないものであると同時に、そんな友人がいることを改めて幸せだと感じた。

ただ一つ解せないことがある。
会合当日、「デルタ」は突然として我々の前に現れた。彼とガールフレンドのホテルの入り口で集合となっていたのたが、デートを終えホテルの駐車場から現れると早々「おぅ、ごめんちょっと先に部屋に荷物おいて来るわ」と言い、挨拶もそこそこにホテルへ入っていった。

その感動的再会の無さに我々二人は茫然とするしかなかった。一体なぜ、そんなにも淡白なのか!!まさか週3ペースで電話をしていたがために、全くと言って「久々な感じ」が無く、なんなら昨日会ってたんじゃないかと錯覚してしまったのではなかろうか!薄情なやつめ!

こんなんではあまりに物語性が無いので、「デルタ氏は、彼女の手前カッコつけていた」ということにして、彼を非難することをここに宣言する。ひどい!もっと感動しろ!!

そしてその幸せを守り続けてくれ。

また来年も会合を開こう。
新たな出会いをも求めながら。
手のひらにこの幸せも掴みながら。

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