『ニューヨエコ』と (徒然日記2023.10.11)
倉橋ヨエコ、改めヨエコさんの楽曲は、我が生活において母のような存在だ。
出会いは、パスピエが2016年に『今日も雨』をカバーをしていたから。
パスピエのカバーもとてもよくて、パスピエなりの温かさと切なさが同居している感じに「こんな曲があるんだ!」となってのを今でも覚えている。
が、ここは私のほんと褒めるべきポイントなのですが、原曲を聞きにいったらもう衝撃。パスピエのアレンジ、それから歌詞から、絶望の淵の悲しさマックスの曲かと思っていたら、ヨエコさんの歌うそれは圧倒的にパワフル。
現実を突きつけ、寄り添うわけでも同情するわけでもない、でも決して突き放しているわけでもない、その力強さは、まっすぐさは、まさに母のパワフルさそのものだ…、そんなことを17歳の私が思ったのを覚えている。
シンプルなビートにのせられたその歌声は、歌詞とは裏腹に将来しか見据えてないような、でも自分が今立っているこの場所は見失っていないような、そんな感覚に包まれていた。
この1節になんど助けられただろうか。
まだまだ多感(という言葉であの時期を括ることにまだ抵抗はあるけど)だった私を、理不尽や気に食わないことに対して無駄な暴走をさせずに、ストンと納得させてくれた夜は数えきれないです。
そこからほかの曲も聞くようになったが、その時すでにヨエコさんは音楽活動を終了していて、あまり情報もなく、私にとっては楽曲たちだけがそのすべてでした。しかし、今年「ヨエコ」と名義を改め活動を再開、そして発売されたのがアルバム『ニューヨエコ』というわけだ。
前置きが長くなりました。
楽活動廃業後初のアルバムとして、本人の誕生日に出された楽曲たちは、まさにニュー!なヨエコ節だらけ。セルフカバーと新曲によって構成されていて、勿論『今日も雨』も入っている。
7月にTwitterが開設され、えぇ!?本人!?まじ!?復活!?と心躍り、この思いをしっかり親孝行じゃないけど、なにかしらの形で本人に伝えられるんじゃないかと思った一方で、先日出されたインタビューを読むと、決して手放しで復活を喜ぶわけにはいかないストーリーがあって、私は私でこのアルバムをしっかり受け止めなくちゃいけない、、、
そんなことを思っていたら、文章はうまくまとまらないし、リリースから1ヵ月が経とうとしているし、
でもただひとつ、言いたいことは、こんな不安定で迷走している私にとって『ニューヨエコ』は安心しかない。
日中でも涼しくなってきて、お昼休みに車に戻って窓を開けて、
風を浴びながら、携帯で小さい音でヨエコさんを聞くのが、
最近の私。
どんなに返事がなくたって
私も追いかけていきます。