2023/07/15(土)のゾンビ論文 タイのゾンビ
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie」(取りこぼし確認)
検索条件は次の意図をもって設定してある。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する
「-DDoS」/「-bot」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する
「-xylazine」:ゾンビドラッグことキシラジンに関する論文を排除する
「-viability」/「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
また、「zombie」の内容も確認するのは、上記の検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる目的である。
それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」二件
「zombie」九件(差分七件)
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は書評と感染症学が一件ずつだった。一応、ねらいの論文があったとしておく。
検索キーワード「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
気を散らすもの:装飾、感情、ゾンビ、そしてタイにおける仏教の研究
一件目。
原題:Wayward distractions: Ornament, emotion, zombies and the study of Buddhism in Thailand
掲載:Journal of Southeast Asian Studies
著者:M. L. Pattaratorn Chirapravati
ジャンル:書評
アジアのゾンビと言えば、韓国、日本、インドでゾンビ映画があるくらいか。キョンシーもゾンビに含めれば中国も入るが、キョンシーにはキョンシーの歴史がある。歴史あるものを、同じ動く死体だからといって同一視するのは失礼が過ぎるというものだ。
しかし、どうも"Wayward Distractions: Ornament, Emotion, Zombies and the Study of Buddhism in Thailand"はその失礼をしているらしい。紹介文を以下に引用する。
タイにも起き上がる死者の物語がある。その物語に注目したエッセイ集らしいが、どうやらその物語をタイトル上ではゾンビと評している、と。そういうことなのだろう。上記のように大変失礼なことだと思うのだが、もしかしてタイでもゾンビと呼んでいるのだろうか。いやそんなわけがない。
また、”タイのゾンビ”を検索してみたがなかなか出てこない。タイの妖怪と言えば『ガスー(Krasue)』があるが、明らかにゾンビではないし…。ちょっと興味がわいてくる。
ジャンルは書評。
病気の蔓延に対する受動的場の理論と能動的場の理論
二件目。
原題:Passive and active field theories for disease spreading
掲載:preprint arXiv of Europe PMC
著者:Michael te Vrugtを筆頭著者として三名
ジャンル:感染症学
7/6にも紹介した論文。私が望んでいたゾンビ論文でもある。もう一度紹介したのはアーカイブ先が見つかったからだ。査読された後もアラートが上がってくると一番うれしいのだが。
一応、本日分の記事にも「大当たり」のタグをつけておく。あとで検索しやすくするため。
検索条件の差分
「DDoS/bot」と「viability/biolegend」で検索結果に差異が生じるか調べる。
今回は差異がなかった。ゾンビPCもゾンビ試薬も出てこなかったため、妥当と言える。
どちらも頻度よく出るわけでもないたえ、検討は長丁場になりそうだ。
検索キーワード「zombie」
このキーワードでは「zombie」ゾンビ論文がアラートに入ってくる。誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。
ゾンビ企業は中国の気候変動対策計画をどのように妨げているのか?
原題:How do zombie enterprises hinder climate change action plans in China?
掲載:Energy Economics
著者:Qingyang Wuを筆頭著者として四名
ジャンル:経済学
ゾンビ企業に関する論文。ただし、タイトルの通り“zombie enterprise”であり、“zombie firm”ではない。
私はゾンビと歩いた
原題:I Walked With a Zombie
掲載:このタイトルの本がある
著者:Clive Dawson
ジャンル:映画評論
このタイトルの映画もあるのだが…なぜわざわざ被せたのだろうか。検索するときに非常に面倒になるのだが。
「-gender」で排除。ゾンビ×映画⊃ジェンダーの法則が固まりつつある。というか、映画評論⊃ジェンダーと言った方がよいかもしれない。
ジャンルは映画評論。感想文というジャンルを避けるようにしたのだが、単に評論と名前を変えただけになってしまいそうだ。
キシラジン:「ゾンビドラッグ」は新たな脅威
原題:Xylazine:“Zombie Drug” is an Emerging Threat
掲載:The Official Voice of Emergency Medicine ACEP Now
著者:Isha Joshiを筆頭著者として三名
ジャンル:医学
論文というよりもニュース。あるいは事例報告。ゾンビドラッグ、あるいはtranq-dopeことXylazineの報告。
記事のリンクは貼らない。壊死した腕の写真が大きく張り出されており、かなりグロテスクだからだ。記事の内容に興味があれば、原題をそのまま検索すればよい。
記事を読むと華氏が使われていてクソだと思った。
ゾンビは起業しない
原題:Zombies Incorporated
掲載:Theoria
著者:Olof Leffler
ジャンル:哲学
哲学論文が集まるPhilPapersにあるので、ジャンルは哲学。「-philosophical」で排除されたと思われる。しかし哲学的ゾンビの話ではない。"zombie agents"の文字列が見つかった。説明だけ引用しておく。
国際融資チャネル、銀行の異質性、資本流入(ミス)配分
原題:International Lending Channel, Bank Heterogeneity and Capital Inflows (Mis) Allocation
掲載:Working Papers
著者:Lucas Argentieri MarianiとSilvia Marchesi
ジャンル:経済学
「-firm」で排除。ゾンビ企業が出てくる論文。
銀行業務とコーポレートガバナンスに関するエッセイ
原題:Essays in Banking and Corporate Governance
掲載:Washington University in St.Louisに提出された博士論文
著者:Yakshup Chopra
ジャンル:経済学
ゾンビ企業が出てくる論文。
生産性の相違とデジタル化の役割
原題:Productivity divergence and the role of digitalisation
掲載:Economic Analysis and Policy
著者:Pontus MattssonとAbdulaziz Reshid
ジャンル:経済学
ゾンビ企業に関する論文。
まとめ
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は書評と感染症学が一件ずつだった。
タイのゾンビが気になる。タイの妖怪と言えば「内臓付き空飛ぶ生首」こと『ガスー(Krasue)』しかしらないからだ。また、これを機にタイの妖怪について調べてみたところ、『ピー』という幽霊と妖精のあいの子のようなものが有名らしい。アラートチェックをするだけで勉強になるものだ。
また、検索条件「zombie」できれいにねらい通りの論文を排除できたため、気分もよい。
今日はねらいのゾンビ論文なし。