2023/04/29(土)のゾンビ論文 ゾンビの役割
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firm -company -philosophical」(経済学・哲学のゾンビ論文避け)
「zombie -firm -company」(経済学のゾンビ論文避け)
「zombie」(zombieの単語が入っていればなんでも)
このうち、「zombie -firm -company -philosophical」の内容を主に紹介する。ただし、この検索キーワードできちんと経済学と哲学のゾンビ論文がよけられているか確認するために、差分を簡潔に紹介する。
それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -company -philosophical」二件
「zombie -firm -company」二件(差分ゼロ件)
「zombie」三件(差分一件)
「zombie -firm -company -philosophical」の二件は情報科学が一件、文学、医学、インタビューが一件ずつだった。
検索キーワード「zombie -firm -company -philosophical」
ブレンディッド機械学習アルゴリズムを使用した DDoS 攻撃の特定
一件目。
原題:Identification of DDoS Attack using Blended Machine Learning Algorithms
掲載:2023 International Conference on Sustainable Computing and Data Communication Systems (ICSCDS)のProceedings
著者:R Jeevithaを筆頭著者として、五名。
ジャンル:情報科学
DDoSの単語が出てくるゾンビ論文と言えば、そう、情報科学。ゾンビPCについて論じているのだろう。
その類の論文は何を言っているのかまるでわからないので、内容に立ち入らないことにしている。以上。おわり。
思春期の養子縁組者とのアイデンティティ構築ツールとしての役割方法の探求:方法の開発
二件目。
原題:Exploring Role Method as an Identity Building Tool with Adolescent Adoptees: Development of a Method
掲載:EXPRESSIVE THERAPIES CAPSTONE THESES
著者:Rebecca Elowe
ジャンル:精神医学
養子縁組をした子供とそうでない子供と、アイデンティティ構築に差異が見られるため、その差異を見るための手法を開発することがこの論文の目的である。
その手法として使われたのが、ロールプロファイルカードである。このカードには「母」「夫」「友」「殺人鬼」「孤児」「吸血鬼」「英雄」「恋人」など様々なロールが書かれている。その中に「ゾンビ」もある。
これらのカードと、「私は誰?」「私は何になりたい?」「私を拒絶しているのは誰?」「私を助けるのは誰?」といった質問を組み合わせて心理状態を探るらしい。これがアイデンティティ構築を見るための手法なのだろう。
と、手法はなんとなくわかったのだが、この手法でどうやって被験者のアイデンティティを探るのかがまるでわからない。一応、結論部には以下のように書いてある。しかし、これが本当かどうか私は判断する術を持たない。また、ゾンビの役割カードがどのように役立つのか…これもわからない。
ということで、大まかな論文の内容とゾンビの扱われ方が分かったところで終わりとする。ジャンルは精神医学。子供の精神発達を見る論文であるため。
検索キーワード「zombie -firm -company」(差分ゼロ)
この検索キーワードは「zombie -firm -company -philosophical」との差分を表示する。-philosophicalは「philosophicalという単語を含まない」という条件を意味するため、主に哲学のゾンビ論文が差分として表示される。
この節では差分を見ることを目的とするため、各論文の内容にはできるだけ立ち入らない。
検索結果は「zombie -firm -company -philosophical」と同じだったため、差分ゼロ。
検索キーワード「zombie」
このキーワードでは経済学・哲学のゾンビ論文がアラートに入ってくる。
古典への適応: 見えないものを見えるようにする
原題:Adapting the Classics: Making the Invisible Visible
掲載:Theater Honors Papers
著者:Kate Isabel Foley
ジャンル:文学
『高慢と偏見とゾンビ』についての記載があるため、引っかかった。”Adapting the Classics”のタイトルの通り、様々なものの古典への適応を論じたものだろうか。
「-firm」と「-company」のどちらにも引っかかっている。companyの使われ方はもちろん「〇〇会社」だが、firmは"should be firm"であるため、本来ならば除外すべきでない論文だ。
まとめ
「zombie -firm -company -philosophical」の二件は情報科学が二件、文学、医学、インタビューが一件ずつだった。
ゾンビのゲーム化は私にとって非常に興味深い内容であった。私が求めていいる「ねらいの論文」はゾンビが本当に現れたと仮定した場合を論じたものである。ほとんどがゾンビ・パンデミックシミュレーションになるはずだ。
一方で、ねらいではない論文とはゾンビをそのまま「フィクションにおける」モンスターとして扱って論じる論文だ。あるいは、「zombie」の単語こそ出ているがゾンビそのものを指さない場合、「zombie fungi」や「philosophical zombie」、「zombie firm」などを使った論文も含まれる。
しかし、ゲーム化という観点はどうだろう。当然、ゾンビが本当に現れたケースとは言えない。しかしフィクション上のモンスターとして扱っているわけでもない。まさにその中間の存在としてゾンビを規定し、扱うことになるだろう。今回こそ特定のアプリゲームに注目したためにねらいの論文としなかったが、ものによってはねらいの論文と捉える必要があるだろう。あるいは、VRゲームにおけるゾンビも中間の存在であるから検討しなければならないはずだ。悩ましい。
今日はねらいのゾンビ論文なし。