Hiro.S

そろそろ登山をはじめて半世紀。 これまでの山での経験や学んだことを書いていきたいと思っ…

Hiro.S

そろそろ登山をはじめて半世紀。 これまでの山での経験や学んだことを書いていきたいと思っています。

最近の記事

イワウメの,樹齢

高山植物の中にはその姿からは想像もできないほど長生きするものがあるようです。 イワウメもその一つ。 イワウメは高山帯の岩棚や岩隙に生える常緑の矮小低木で、岩場をはうように細い枝を張り広げマット状の群落をつくります。樹高は3㎝ほど。花のない時期だと苔と見間違えるほどです。 北アルプスや御嶽山、白山等々で見られた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。 白山山頂付近のイワウメは、岩の割れ目に沿って1mほど枝を張り巡らせています。 白馬岳の稜線で見かけたイワウメは岩を覆うよ

    • ポンポン山の石灰岩

      前々から疑問に思っていたことを解決しにポンポン山竈ヶ谷を散策。 上流の流れの中に点々と転がる石灰岩がいったいどこから流されてきたのか、その行方を追ってみました。 ポンポン山の地質は丹波帯に属し、おおむねその基盤は砂岩です。石灰岩は砂岩の地層に挟まれた一部でしか見られません。 竈ヶ谷の下流に「出灰」在所があります。「出灰」と書いて「いずりは」と読みます。 名は体を表すといいますが地名もまた然り。「出灰」は「灰の出る場所」を暗示します。 では「灰」って何でしょう? 出灰から

      • 白山の三兄弟峰

        白山の最高点御前ヶ峰に登ると目の前に剣ヶ峰と大汝峰が望めます。 どの峰も標高に大差は無く団栗の背くらべ。 御前ヶ峰 2702.1メートル 剣ヶ峰  2677メートル 大汝峰  2684メートル 兄弟峰のように並んでいますが、その成り立ちには大きな時間差があります。 一番古いのは大汝峰。 大汝峰は今から10〜14万年以前に活動した古白山火山の一部で、活動の中心は現在の白山より北約3㎞の中ノ川上流付近にあったようです。 もともとは富士山のような成層火山だったらしいのですが、

        • 真夜中に浸水 はじめてのテント泊登山

          はじめてのテント泊登山は中学2年生の夏休みだった。 登山と言っても京都北山の標高800メートルほどの低山である。 同級生のY君とN君の3人で京都北山の天ヶ森(ナッチョ)と天ヶ岳に登り、安曇川源流でキャンプする1泊2日の登山だった。 なぜその場所になったのか、48年も前のことなので今となっては思い出せないが、Y君の提案だったことは憶えている。 借り物のキャンバス地の重たい4人用テントに嵩張る綿入りのシュラフ、炊事道具に食材、着替え等々をキスリングザックに詰め込み、朝まだ暗い

        イワウメの,樹齢

          小蓮華山と白馬岳

          新潟県の蓮華温泉から白馬大池を経て白馬岳に登る途中に小蓮華山というピークがあります。 この山は大河ドラマ「坂の上の雲」のオープニングの映像で有名になりました。 小蓮華山…何か名前に違和感がありませんか。 雪倉岳・朝日岳・白馬岳…地図で周りの山を確認しても「大」の付く名の山が見当たりません。それなのになぜ名前に「小」字が付くのか、以前から不思議に思っていました。 「小」がつく名の山があるということは「大」がつく名の山があるはずです。 その「大蓮華山」に当たる山はどこか。 位

          小蓮華山と白馬岳

          道迷い遭難をしないために

          道迷い遭難をしないために 今年も高山・低山を問わず、中高年の方の遭難が目につきます。 その半分が道迷いや道迷いによる滑落事故です。 誰も自分が遭難するなんて思ってませんよね。 遭難は誰にとっても想定外です。 では、道迷い遭難を防ぐためにはどうすればいいか。 長野県警山岳安全対策課は3つのポイントを挙げています。 ①登山に出かける前に地図を読み込んで、コース上の通過点となる分岐点や危険な場所をあらかじめ把握しておく。 ②登山中は地図をこまめに開いて現在地を確認する。 ③

          道迷い遭難をしないために