スウェーデンにおける性的マイノリティの子どもたち
こどもの日から1週間は児童福祉週間。
ということで、スウェーデンの性的マイノリティの子どもたちについて調べてみました。
性的マイノリティのこどもたちは当たり前に教室で勉強し、友達とあそんだり、きちんと権利は保障されています。
しかし、
若者の生活状況や市民社会の状況に関して調査し知識の普及に努めているスウェーデン青年・市民社会庁(Myndigheten för ungdoms- och civilsamhällesfrågor:MUCF)がまとめた調査報告書 "Jag är inte ensam, det finns andra som jag 私は一人じゃない、私のような人は他にもいる。"によると、やはり性的多数派の子どもたちに比べると、
性的マイノリティの子どもたちはしんどい状況にあります。
調査は16–25 歳の青少年によるアンケート回答、インタビュー回答です。
報告書は400ページあって全部は紹介しきれないので、自分が興味深かったところを抜粋してみました。
LGBTIの青少年は、性的多数派の青少年よりも
健康状態が悪く、特にメンタルヘルスに不調を抱えている
将来に不安を抱えている
メンタルケアや医療に適切にアクセスするのが難しいと感じる
トランスやインターセックスの青少年は特に難しいと感じている
家族、教師やその他の大人に自分のことを相談するのが難しいと感じる
学校での生活が安全ではないと感じていたり、安心を感じられていない
学校はLGBTIに関する社会的課題についてきちんと取り上げていないと思う
不当な扱いを受けることを恐れて余暇活動を控えている
学校や職場、公共の場でいじめ、脅迫、虐待を受ける可能性がより高い
政治や社会問題への関心が高い
(MUCF.2022)
Heterocis は異性愛者のシスジェンダー 、HBTQはLGBTI
青:すべて 緑:シスジェンダー女性 サーモンピンク:シスジェンダー男性
ピンク:バイナリーのトランスジェンダー 臙脂色:ノンバイナリー
報告書では、実際の当事者の声も紹介されていて、読んでいて胸が痛くなることもしばしば。
すべてのLGBTIの青少年が学校や社会で平等な権利と機会にアクセスできるようになるには、当事者を交えた調査をつづけ、知見をシェアし、医療や学校教育や職場といったさまざまな分野でこれからも多くの対策を講じていかなければならないようです。
参考
MUCF.2019.Olika verkligheter. Unga hbtq-personer om sina levnadsvillkor.
https://www.mucf.se/sites/default/files/2020/02/olika-verkligheter-2019_0.pdf
MUCF.2022.Jag är inte ensam, det finns andra som jag.
https://www.mucf.se/publikationer/jag-ar-inte-ensam-det-finns-andra-som-jag#:~:text=P%C3%A5%20uppdrag%20av%20regeringen%20har,s%C3%A4mre%20%C3%A4n%20f%C3%B6r%20andra%20unga.
MUCF. MUCF idag - Trygg skola för hbtqi-personer.
https://www.youtube.com/watch?v=h0nof_RZHLE&t=664s
2022年の報告書をもとに行われたセミナー動画
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