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僕たちがまだ透明だった頃の話

はじめに

アイドルマスターシャイニーカラーズには『ノクチル』というグループがいる。
アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)は先日2.5周年を迎えたそこそこ長寿のゲームなのだが、ノクチルはかなりの新参で今年の4月頃に実装されたばかりらしい(私は一か月ほど前に始めたばかりなので正直よく知らない)。


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メンバーはこの4人で、全員が昔からの幼馴染である。
明るく自由奔放な市川雛菜、クールでミステリアス(おそらく何も考えていない)な浅倉透、冷たいように見えて友達思いの樋口円香、ひたむきで健気な福丸小糸。ちょっとだけ見た感じだとこういう感じのメンバー。浅倉透以外は未プロデュースなのであまり細かいことは言えない。

ノクチルと言うのは、chill out(冷静になる、落ち着く)やノクチルカ(夜光虫)などをもじった名前。なんとなく冷たく、穏やかで透き通った印象を受ける。

実際にグループとして活動し始めたばかりの今、彼女たちは透明である。古くからの幼馴染で結成したグループであるがゆえに、彼女らは自分たちの中で世界を完結させてしまっている。自分たちを必要以上に表に出すことはなく、反対に周りのあれこれを自分たちに反映させることもない。

そして、グループのキャッチコピーが『さよなら、透明だった僕たち』だ。これは、先述のように他を排し自己完結している彼女たちが、少しずつ周りを受け入れて変わっていくことを指しているのだと思う。今の時点ではまだ殆ど変化は見られないが、予兆のようなものはそこかしこに配置されているため、これからのコミュに期待するところだろう。

前置きがかなり長くなったがそろそろ本題に入ろう。
ノクチルのイベントに『天塵』というものがある。というか今はまだこれしかない。
このシナリオはノクチルが結成したばかりの頃を描いたものなのだが、なかなかに強烈なシナリオだったので記事にすることにした。


『天塵』とは

今年の六月~七月に開催された、ノクチルが初めて主軸となったイベント。
私はその時まだシャニマスを始めていなかったのでリアルタイムで遊ぶことはできなかったが、過去のイベントシナリオを読むことができるアイテムがあるのでそれを使用して読んだ。
このシナリオはアイテムを使用すれば誰でも読めるけれど、これ以降はネタバレを多く含むかもしれないので未読の場合は注意してください。


感想

おっっっっっっっも.......
ボリュームがすごすぎる。全部で8個のエピソードがあるが、どの回を読んでも何かしらの感情が炸裂することになる。ノクチル…

ノクチルは昔から仲の良いグループなので、どうしてもアイドルとしての結束より幼馴染としての理解・許容が先立ってしまい、周囲から見ると奔放で統率の取れていないグループに見えてしまう。ただ、そういうお互いのことを尊重し、互いのために行動できるような関係性の中にプロデューサーはノクチルの良さ・輝きを見出している。青さとか若さともいうだろう。私もいいと思う。
その青さゆえに失敗し、傷ついてしまうのがこのシナリオのメインだ。


なんかもう何を書いていいのかわからないのでめちゃくちゃな文章になります…
一週間以上悩み続けて余計にわからなくなってきた。


シナリオ中でノクチルはストライキまがいの行動を起こす。
初仕事で、事前に聞いていたこととは全く違うパフォーマンスを求めてきた番組に対して。必死に練習してライブでも問題なく踊って歌えるようになったのにそれらすべてを無駄にするような要求をしてきた番組に対して。

浅倉たちがそういう行動を取ったのはただ話が違ったからと言うだけではない。
問題は、プロデューサーがライブパフォーマンスではなくなったのか問い詰めた際に番組ディレクターが小糸をダシに使ったことにある。小糸は必死に努力を重ねて誰よりもパフォーマンスが出来るようになっていたのに、「この子はどうせダメだろう」というような言葉をかけられたのだから腹を立てて当然である。
なので浅倉たちは小糸以外の全員がパフォーマンスをやめることで必然的に小糸にカメラが向かうようにして、小糸を見てもらおうとしたのだ。「よゆーですよ」と強がりながら陰で必死に続けてきた努力を。
棒立ちで童謡を熱唱する浅倉、黙って小糸を指す樋口・雛菜、全力でパフォーマンスを行う小糸。私は鳥肌が止まらなかった。

個人的には浅倉透が小糸のためにあれだけのことをしたというのに驚いている。
プロデューサーとジャングルジムのことしか頭にないと思っていた(失礼)のだが、ノクチルのみんなのこともプロデューサーと同じ、もしくはそれ以上に大事にしているのだと伝わってきた。
プロデュースイベントだと一切他のメンバーが出てこないからプロデューサーとジャングルジムの印象しか残らないんだ... あれはノクチル結成前の話なんだろうか。まぁスカウトしてすぐだしそうだろうな。

こういう危なっかしさとも言えるような輝きをプロデューサーは大事にしていて、シナリオ中ではそこをみんなに知ってもらいたいと嘆いているんだけれど、それは厳しいんだろうなと思う。私はノクチルのそういう輝きを感じられるしとても好きなところではあるんだけれど、それを良いと感じられるのはあくまでノクチルの背景を知っているからに他ならない。四人の結束とかそういうのを。
しかしプロデューサーが売り出していかなくてはならない相手はそういう事前情報を知らないため、さっきも書いたがただ不安定で統率の取れないリスキーなグループだとしか受け取られない。

だからノクチルがアイドルでいるためには、透明でいるわけにはいかない。透明では目に留まらないし、その透明さは起用する側にとって危険因子にしかなり得ないからだ。でも、きっとその危うさを捨ててしまったらノクチルはノクチルでいられないのではないかという気持ちもある。
その危うさはただ自由で勝手で奔放なのではなく、四人の関係や個人個人のプライドを守るためのものであって、それこそがノクチルの輝きの正体だからだ。それを捨てたとききっと彼女たちは四人の世界を失ってしまうし、グループとしてもどこか物足りないものになってしまう。


どうしたらいいんだろうね...こっちを見てもらうには。
「見てもらいにいく」ではなく「こっちを見させる」のがノクチルにとって一番良くて、なおかつ魅力が最大限発揮される方法だろうな...と思う。
一人ひとりではなく、四人として尊重されるようになってほしい…

きっとエンディングの「こっち見ろ」というのはそういう意味だろう。お前らに見てもらう気はないぞ、そっちから見に来い。という。


何書いてるかわからなくなってきた。最初はストーリーを丁寧に追っていこうと思ってたけど、ぜ~んぶわからなくなったので急にエンディングに行ってしまった。途中にも書きたいことはいくらでもあるんだけど。
干されてる期間とか雛菜の「雛菜は雛菜のことしかわからないのにね」とか、海での仕事の話とか。
とにかく情報と感情が怒涛の勢いで押し寄せてくるので処理しきれない。一周回って「ノクチル…」しか言えなくなってしまっているものな。

必死に陰で努力してみんなについていこうとする小糸も、何も考えていないようでいろいろ考えている雛菜も、本当に何も考えていないけどみんなを引っ張ってくれる浅倉も、一番外も内も目を配って手を回してみんなを守ろうとしている樋口もみんな最高だな…幸せになってくれ…


今のノクチルの、周囲の一切を意に介さず自分たちだけで完結している関係性もかなり好きなんだけれど、この先283プロでアイドルを続けて別ユニットと仲良くなりどういう化学反応を起こすのかにも興味がある。
きっと別ユニットの色を受け入れ始め、自分たちを少しずつ変えていくのが「さよなら、透明だった僕たち」の意味なんだろうな。

ひとまずアジェンダ283を見ようと思います。ノクチルのシナリオイベントまだかな。

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