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妻子持ちは失恋ソングを書いたらいけないのか問題

『人は見た目が9割』なんて本が売れたりすると、ちょっと小ぎれいにしておこうかな、と思ったりするが、芸能関係の方にとっては見た目‥というかその見た目から連想されるイメージというのは非常な大切なんだなぁと思う。
キングヌー(King Gnu)が『白日』でデビューしたときに、初めてラジオで音源を聴いて、この繊細な歌声の持ち主はどんな人かなぁと思って、ホームページを見たら、ちょっと太っていてタレ目の若者が目に飛び込んできて、「え?」となった。頭で勝手に病弱そうな細身の男性を想像していたようだ。
料理研究家のリュウジをツイッターでよく見かけるようになったと思ったら、テレビで自宅キッチン公開という企画に出ていて、広いアイランドキッチン、明るい照明、大きな冷蔵庫を想像していたら、ワンルームマンションにありそうな狭いキッチンに、小さな冷蔵庫が置かれていた。なぜか冷蔵庫をあけると卵が次から次へと出てくる。ここからあのバズレシピがうまれるのか。どうやら私は勝手に彼の料理を高貴なものに置き換えてしまっていたらしい。
少し前にback numberというグループの曲が流行って、特にクリスマス前になるとやたら耳に入ってくるようになった。さえない男の失恋物語や、告白できない女々しい感じなど、普段の生活の片隅にありそうな、心情が若い男女の心を掴んだらしい。しかし、あるとき週刊誌に、ボーカルが既婚者で、子持ちであることが大々的に報道された途端、お見かけすることがなくなってしまった。人の持つイメージから外れることが起こると、ファンの大崩壊が起こるようだ。
別にいいじゃないか、妻子持ちでも。子持ちが失恋ソングを歌っても。誰だって過去に1つや2つ失恋の経験はあるでしょう。その経験が今の自分を作っているのだから。
いっそのこと覆面で素性を隠してアーティスト活動をしたほうが、「良いイメージ」を持ったまま活動を続けられるんじゃないかと思った。でも覆面バンドグループのメンバーが不倫騒動で活動自粛に追い込まれていた。これもイメージの影響力のせいなのか。人間ひとり不倫したところで、宇宙から見たら小石の出来事。アーティストは今後、遠くから、うっすらと目をあけて見守ることにしたらどうだろう。


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