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土いじりは良薬、たまに苦し

土いじり、苦手かな‥と思っていたのですが、実は結構好きでした。きょうは久しぶりにプレ幼稚園に参加してみたら、イベントでした。みんなで園児向けの小さいバスに(お尻が)ギュウギュウになりながら、近くの農園に向かう。千葉県に住んでいると車で10分も走れば農園につくことができる。今回も住宅街に突然現れた農園でサツマイモ掘りを体験した。
以前プライベートでサツマイモ掘りに行ったときには、何十年ぶり?のサツマイモを掘り出す作業にかなり苦戦した。まず、2歳児は早々に戦力外へ。土いじりに励んでいた。仕方がないので、夫と二人で掘り始める。家からなんとなく持っていったおもちゃのスコップとクワが大いに役立った。本気でガリガリ掘り進める。一応軍手は履いていたけれど、掘れば掘るほど隙間から土が入ってきて、爪の中に小さな砂が入り込んでいた。家に帰って一生懸命洗ってもなんだか手先が茶色のまま、数日を過ごした。
なので今回のサツマイモ掘りでは軍手ではなく、ゴム手袋を持参した。これは大成功だった。相変わらず2歳児は戦力にならなかったが、サツマイモは取り切れたし、爪も白いまま帰宅することができた。

5年前、総合職で働いていたときに突然膝から下のかゆみに襲われた。もともとアトピー持ちなので転勤の疲れで皮膚が荒れてきたかな、と思い皮膚科を探して受診した。問診の番になって、先生が患部を見ただけで、「あなた、これ溶連菌感染症ですよ」と言われた。なんのことかわからないでいると、先生がポストイットに病名を書いて渡してくれた。主に子どもがなる病気で砂場などでの土いじりで感染するらしい。
土いじりなんて10年以上していない。心当たりないまま、だるさ、かゆさ、頭痛などを伴いながら、しつこく居座り続けた溶連菌。溶連菌には何種類かあるらしく、その型にあった抗生物質を飲まないと、余計活性化する、と言われて、案の定一回目はハズレ。かゆみが増幅する。2回目で落ち着いてきた。だいぶ会社を休んだ。
社会復帰したら、上司経由で私の欠勤の理由が職場で説明されていて、同僚が溶連菌について詳しくなっていた。むしろ罹患した本人より詳しかったりする。ラグビー部出身の後輩が席の近くに寄ってきて、「溶連菌て、ラグビーしてたら結構普通にかかるんすよ」と言われた。考えてほしい。アラサー独身の引きこもり女のどこにラグビーの要素があるのか。そもそも土があるところに近寄っていない。たぶん転勤のときにダンボールで手を切って、そこから感染したのだろう、と伝えたところ、「土いじりじゃないですかね?」と念を押された。念を押されても困る。土はむしろ嫌いだ。爪が汚れるから。
そのあと、昼過ぎに、どこかで聞きつけたのか、別の階の先輩がやってきて、「溶連菌感染症になったんだって?」とちょっと嬉しそうに話しかけてきた。そうだ、この人も確かラグビー部出身だ。みんな溶連菌に親しみを持ち過ぎだ。わざわざ席にきて(くださ)る。だいたい、子どもが罹患しても大したことない病気に限って、大人が罹ると重症化して、苦戦する。

周りのママが素手に軍手で掘り進めて苦戦する中、ゴム手袋におもちゃのスコップで黙々とサツマイモを探り当て、掘り進める。こういう作業嫌いじゃない。むしろかなり長い間、無心になれる時間を欲していたように思う。

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