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【アメコミ感想】バットマン:アーカム・アサイラムを読んだ【ネタバレあり】
好きなヴィランはトゥーフェイス、鯖の味噌煮です。
犯罪者専門の精神病院アーカム・アサイラムで暴動が起こった。バットマンはジョーカーに呼び出され、アーカム・アサイラムへと乗り込む。そこで待ち受けていたのは狂気にまみれた囚人たちーー
珍しくDCコミックスの本です。今回は星5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ですねー。増強改訂版の解説読んでようやく理解したんですけども、理解したらグッと面白くなる物語ですねー。
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本書は非常にアーティスティックといいますか、めちゃくちゃ恐ろしい絵で構成されています。ジョーカーなんてずっとこの調子です。アメコミとしてもだいぶ異端な一冊と言えるでしょう。
ただ、内容は結構ヒーローしてると思います。なんたってバットマンが自分の狂気と向き合い、それを飲み込みながら闘うお話ですからね。
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「彼らよりも強く、この場所よりも強い存在だ。それを証明しなければ」
「狂気の沙汰よ」
「いかにも。アーカムの言う通り、狂気だけが我々の本質を形づくる場合もある」
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「あるいは宿命が」
バットマンはヴィランたちの狂気を、その者にとってはなくてはならない大事なものなのだと認めているんですよねー。そしてそれが自分の狂気と紙一重の差であることがわかっていて、それゆえに強くあらねばならない彼の覚悟が感じ取れる場面なんですよねー。
そして今回の話は間違った治療を施され、狂気を否定されて自分を見失ったトゥーフェイスの復活の物語でもあるんですよねー。バットマンは彼がヴィランになってもそれでも信じている、奇妙で強い絆が見えるんですよ。それが悲しくもあり、バットマンをヒーローたらしめているものですね。
ヒロイックな物語を狂気のアートで飾りつけた問題作でした。