【カターレ富山】難しいミッションをやり遂げる アウェイ ツエーゲン金沢 戦 2024 J3リーグ第29節
いよいよ迎える金沢での北陸ダービー。
スタジアムの柿落としでの対戦はあるが、金沢での公式戦は初めてだ。
難しいミッションになるが、勝利を飾りたい。
１ スタメン
スタメンは神山に代えて今瀬、髙橋馨希に代えて佐々木陽次、髙橋馨希はリーグ戦今季初の欠場。ディフェンスラインを引っ張ってきた神山も欠場。サブには、西矢、鍋田がメンバー入り。
フォーメーションはいつもどおりの4−2−3−1。並びはゴールキーパーが田川。ディフェンスラインは4バック右から大迫、脇本、今瀬、安光。ボランチは末木と河井、2列目は右に松岡、中に佐々木陽次、左に吉平、1トップにマテウス。サブは、GK齋藤、DF西矢、鍋田、MF坪川、布施谷、FW碓井、松本。
金沢は出場停止の熊谷に代えて富山県出身の毛利を入れてきた。
2 ほぼ完璧な前半でゲームを支配
2分、富山は右MF松岡が中へクロスを入れ、誰かが合わせればゴールだった。
4分、富山はMF吉平の左からのクロスに松岡が頭で折り返し、誰かが合わせればゴールという場面だった。
7分、金沢はDF小島が右からロングスロー。さらにもう1回ロングスローがあったがこれは富山が守り切る。
8分、富山はDF安光が左からクロスを入れようとしてコーナーキックを獲得。
MF末木が蹴ったボールはニアでFWマテウスが頭でゴールに流すと、これはクロスバー。
さらに9分、もう一度得たコーナーキックで、再び末木が蹴ると先ほどと同じような良いボールで高く飛んだ今瀬が頭で合わせてきれいに決めた。
これで欲しかった先制点を早い時間に奪って1−0。
願ってもない展開になった。
その後は、金沢が攻撃に転じるかと思いきや、富山の攻勢は止まらない。富山のプレスが強く金沢にシュートまで行かせない。
13分、富山はFWマテウスが左からのクロスに佐々木陽次が合わせ、ゴールの左に。
16分、金沢のMF石原が左サイドを突破しようとするが富山の右サイドバック大迫がクリーンにボールを奪う。
23分、金沢のクリアのこぼれ球をMF末木がミドルシュート。
25分、中盤でボールを奪った金沢がカウンターに出るが、富山が守ってシュートまで行けず。
お互いになかなかシュートまで行けない時間が続く。
それでも富山がボールを持つ時間が長い。
34分、富山のMF吉平が安光とのパス交換で左サイドの裏に抜け出し、クロスを入れるとFWマテウスのシュートは左へ。
30〜40分頃までほとんど富山がボールを支配。
アディショナルタイムに金沢が左サイドでフリーキックを獲得。
フリーキックのこぼれ球を拾ったDF小島のミドルシュートはわずかに右に外れた。
前半は富山が圧倒し、1−0でリードし、後半へ。
富山はMF佐々木陽次がいろんなところに顔を出し、攻撃をうまくつないでボールの支配に貢献していた。
３ 金沢の攻撃をしのいで完勝
後半開始にあたり、両チーム交代はなし。
前半、圧倒されていた金沢は当然メンバーを代えて来ると思っていたがなかった。
既にこの時点で今日は勝ったと思った。
この前半の出来でメンバーを代えないのはさすがに試合をなめている。
そこまで思った。
49分、金沢は右からのクロスを受けたFW田口が反転シュート、これはゴールの上へ。
54分、金沢は右からのクロスにFW田口が頭で合わせるも力なくGK田川がキャッチ。
56分、富山のMF吉平が真ん中からミドルシュート。
58分、富山はMF松岡に代えてMF布施谷、MF佐々木陽次に代えてFW碓井。碓井とマテウスの2トップにしてきた。
60分、金沢は右サイドDF山本のクロスのクリアボールをMF毛利が拾ってミドルシュート。これはゴール枠内に飛ぶがGK田川がビッグセーブで外にはじく。
続くコーナーキックは、DF平がシュートするがゴールを外れる。
ここでDF今瀬が足を痛めて倒れる。
かなり痛そう。
何とか今瀬は立ち上がってゲーム再開。
64分、金沢はMF毛利に代えてFW大谷。
大谷は左サイドのMFとしてプレー。
そして、富山は再び倒れ込んだDF今瀬に代えてDF鍋田。
後半は金沢がボールを持てるようになってシュートも打てるようになってきた。
69分、左サイドで金沢のMF石原が抜けようとするところを富山のMF布瀬谷が倒し、布瀬谷にイエローカード。
続くフリーキックはこぼれ球をMF梶浦が狙うが大きく外れる。
74分、富山はDF大迫がディフェンスラインから相手の裏に絶妙なパスを通してFW碓井が受ける。切り返してのシュートはゴールの上へ。
76分、富山のDF脇本がクリアしたところに金沢のMF西谷和希がぶつかり、脇本が倒れる。
77分、富山はDF大迫に代えてDF西矢、MF河井に代えてMF坪川。
80分、富山はMF布瀬谷がピッチの真ん中からミドルシュート。
金沢は80分、DF小島に代えてDF井上、MF梶浦に代えてMF嶋田、FW田口に代えてFWマリソン。
85分、富山は中盤左サイドでフリーキックを得る。
そこから金沢がカウンターで大谷のスピードを活かそうとするが、富山のFWマテウスが素早く戻ってパスカット。
86分、金沢はMF西谷和希に代えてMF加藤
88分、金沢のFW大谷が抜けようとするところを富山のDF西矢が倒してイエローカード。
89分、富山は富山陣内から一気のカウンター。
最後は左サイドのDF安光がクロスを入れるもファーの選手に合わず。
アディショナルタイムは4分。
90+1分、金沢はMF大谷が左からクロス。
これは富山のMF吉平がマイボールにできそうだったが、うまく体を入れられ、最終的にはDF井上がペナルティエリア内からシュート。
これは富山のGK田川の正面に。
90+3分、富山のMF坪川が金沢のMF加藤を引っ張りイエローカード。
90+4分、金沢のDF井上がロングスローで狙うが富山が守りきる。
90+5分、富山のFW碓井が思い切ってロングシュートし、コーナーキックを獲得。
試合は結局、このまま1−0で富山が逃げ切って勝利した。
４ 難関突破で今治を追う
金沢のホームでどこまでできるのか。
ダービーマッチに順位は関係ない、というのが試合前の予想だったが、今の調子がそのまま表れた試合だった。
特に前半の富山は完璧だった。
序盤からボールを奪い、次々に攻撃を繰り出していった。
そしてコーナーキックの2本目で先制。
この試合までなかなかコーナーキックからの得点が奪えていなかった。
それがこんなきれいな形で決まるとは。
今日の末木のキックは素晴らしかった。
前半終了間際に、金沢の選手にシュートを許したがそれ以外は45分間、ほとんどの時間を富山の時間として進めることができた。
後半はさすがに金沢もチャンスを作れるようになり、ピンチもあったが、うまく戦って相手の勢いを打ち消した。
得点は1点だけだったが完勝だっただろう。
上に行くためには必ず必要な勝利だったが、実際にこの試合をものにできるとは思っていなかった。
それだけ難しい試合だと思っていたからだ。
富山からもサポーターがたくさん訪れ、青い部分も多かったが、スタジアムの大部分は赤で覆われ、1万人近い観衆が訪れた試合。
ここを突破し、しかも今治が敗れていたため、一気に勝ち点1差に詰めた。
2試合前までの勝ち点6差で今治で決定と考える人もいたが、そんな空気を一気に変えた。
直接対決まではあと2試合。
次の讃岐戦も直接対決と同じくとても重要だ。
５ ハイライト
試合のスタッツ
６ 今節終了時の順位
首位大宮はリーグ戦再開後初めて失点したものの、逆転勝ちで首位独走中。
2位今治は相模原に敗れ、3位富山との勝ち点差は1に。
前節5位の北九州は4試合ぶりの勝利で4位浮上。
前節4位の沼津は引き分けで連敗を止めたが5位に。
前節6位のFC大阪は敗れて9位に。
6位に連勝の相模原が上がってきた。
金沢は敗れて7位から10位に転落。
そんななか、鳥取が今節も勝って3連勝。
このまま行けばプレーオフ争いにも絡んで行きそうな勢いだ。
7 出場メンバーについて一言
MVP
DF 5 今瀬 淳也
見事な先制点に相手のFW封じと負傷交代するまで完璧だった
SVP（さば的視点MVP）
MF 16 末木 裕也
コーナーキックの質は高かった
MF 7 佐々木 陽次
いろんな場所に顔を出して攻撃を活性化させた
GK 1 田川 知樹
相手の決定的機会を防いだ
DF 2 脇本 晃成
堅い守備で無失点に貢献
スタメン
GK 1 田川 知樹
同上
DF 30 大迫 暁
マッチアップした石原をよく防いでいた
DF 2 脇本 晃成
同上
DF 5 今瀬 淳也
同上
DF 25 安光 将作
左サイドを制して攻守に絡む
MF 16 末木 裕也
同上
MF 24 河井 陽介
中盤で攻撃を活性化
MF 8 松岡 大智
序盤の攻撃を牽引
MF 7 佐々木 陽次
いろんな場所に顔を出して攻撃を活性化させた
MF 27 吉平 翼
安光とのコンビで左サイドを制圧
FW 10 マテウス レイリア
ゴールはなかったが、いつもどおり前線で圧力を与え続けた
サブメンバー
DF 23 西矢 慎平
途中出場で大谷と対峙し続けた
DF 26 鍋田 純志
緊急出場でも守備を引き締めた
MF 17 坪川 潤之
金沢の攻撃を体を張って止める
MF 28 布施谷 翔
途中交代で入りチームに活力を与えた
FW 9 碓井 聖生
得意の金沢戦。ゴールはなかったが、思い切ったシュートを打って調子は上がっているようだ。