見出し画像

【カターレ富山】苦手の相手を寄せ付けず ホーム アスルクラロ沼津 戦 2024 J3リーグ第26節

前節ホームで松本山雅を下し、2週連続ホームで行われる試合。
相手は3位で苦手の沼津。
ここでまた負けるわけにはいかない。
今年は違うというためにも、いい戦いを見せてほしい。


1 スタメン

スタメンは前節と全く同じ。
サブでは前節ゴールのMF井上に代わり出場停止明けのMF河井が入った。

フォーメーションはいつもどおりの4−2−3−1。並びはゴールキーパーが田川。ディフェンスラインは4バック右から大山、神山、今瀬、安光。ボランチは末木とガブリエルエンリケ、2列目は右に髙橋馨希、中に佐々木陽次、左に布施谷、1トップにマテウス。サブは、GK齋藤、DF西矢、MF脇本、松岡、河井、FW碓井、吉平。
沼津のスタメンは前節から一人入れ替えてきた。

2 沼津相手に圧巻の3得点

序盤は静かな立ち上がりで一進一退で時間が過ぎる。
10分、右サイドでMF髙橋馨希が持ち上がってから富山に攻撃のスイッチが入る。
12分、左サイドの高い位置でボールを奪取してチャンスを作る。そのまま右サイドMF髙橋馨希がクロスを入れるが中央のFWマテウスが合わせられず。
17分、DF神山がDF大山にパスを出し、大山は前線へ上がって中へクロス。FWマテウスがスルーしてMF佐々木陽次がボールを収めようとしたところ。相手DFがクリアしたがそれをすぐにマテウスが拾ってシュート、これは左サイドに流れ、走り込んだ左サイドバックの安光がシュートし、これが見事に決まった。
安光のシュートの場面、佐々木陽次が途中までボールを取りに行っていた。安光が蹴る方がいいと判断するや相手のディフェンスをブロックに行っており、そのプレーが光った。

これで得点は1−0で安光は2試合連続の先制ゴール。何と言っても先制点は重要だ。
これで試合を優位に進めることができる。

20分、攻勢に出る沼津は前線へロングボールを出し、そのこぼれ球をFW和田がミドルシュートで狙う。これはゴールの少し上に外れた。
21分、沼津は左サイドでDF濱からMF鈴木につなごうとするが猛然と前に出たDF大山がクリア。
23分、前線で相手のクリアを胸トラップから富山のFWマテウスがボレーで狙うとこれが左ポストに当たる。
さらにその後のスローインからの流れ。こぼれ球をMF末木がコースを狙ってミドルシュートを放つとこれがきれいに決まる。
実はこぼれ球のように見えたが、その前にシュートを打つと見せかけてうまく末木につないだMF佐々木陽次の好プレーだろう。

試合はここで飲水タイム。

30分、富山は右サイドからMF髙橋馨希がクロスを入れるも相手がクリア。
さらに波状攻撃でMF末木が再びミドルシュート。これは沼津のGK武者がスーパーセーブでクリアし、コーナーキックに。
37分、沼津が左サイドから攻めようとするところ、再び富山のDF大山がパスカットし、富山がボールを支配。
いったん沼津がボールを奪うが再び大山がボールを奪い返す。

過去2試合、沼津の左MF鈴木に決勝点を決められているが、その鈴木を大山は完全に抑え込んでいた。
試合を優位に運んだ陰の功労者だ。

39分、富山がディフェンスラインでボールを回していたところ、GK田川が蹴った直後に猛然と沼津のFW和田がタックルしてきて、田川の足を削る。
これで和田にはイエローカード。
43分、沼津が右サイドでチャンスを作ってFW和田がフリーでボールを持つ。
そして45分から45+1分。
前線で富山のMF佐々木陽次が頭で落とし、その落としをMF髙橋馨希がFWマテウスにつなぐ。そしてマテウスからのパスを受けた佐々木陽次がシュート。
これがゴールに決まり、前半で沼津相手に3−0となった。

これは思いもしない展開になった。
最高の形で後半に向かうことになった。

3 守備を割らせず、逆に2得点

後半開始にあたり、沼津はDF安在に代わりMF遠山を、MF菅井に代わりMF沼田を入れてきた。

後半の序盤は沼津が優勢だ。
右サイドに張った津久井を中心にサイドに圧力をかける。
富山にも逆襲のチャンスになりそうな場面はあるがちょっとしたミスでチャンスにならない。

54分、沼津がカウンターからFW和田が富山のDF今瀬との一対一に持ち込んで右サイドゴール近くでファウルをもらう。
このフリーキックは富山が守り切る。

58分、流れを変えたい富山はMF佐々木陽次に代えてFW吉平、MF布瀬谷に代えてFW碓井。
これでマテウスと碓井の2トップ、吉平は2列目左サイドに入った。

61分、富山は右サイドでボールを持ったFWマテウスから中のFW碓井にクロスを入れるがわずかに会わず。
62分、富山は高い位置でFW吉平がボールを奪取し、シュート。

63分、沼津はMF鈴木に代えてFW齋藤、FW和田に代えてFW川又。
日本代表経験のある選手を入れてきた。
ちなみに、富山のDF大山はここ2試合やられていた鈴木をよく抑えていたと思う。

沼津は齋藤が入ってから、左サイドも使い始めてきた。
67分、富山はDF大山に代えてDF脇本、FWマテウスに代えてMF松岡。前節同様、脇本が右センターバックに入り、神山が右サイドバックに入れて守りを強化。また、松岡が2列目の右に入り、MF髙橋馨希が2列目の真ん中に入った。

沼津の圧力をかわしながら70分まで来た。
72分、沼津は左サイドバックの濱からFW川又へスルーパスが通ったが、富山のディフェンス2枚ではさんでシュートを打たせず。
逆に73分、富山がカウンターから右サイドを上がり、MF松岡が左足でゴールを狙う。
73分、沼津は右サイドのFW津久井からクロスを入れ、これでコーナーキックを得る。
このコーナーキックは富山が守り、その後も沼津が高い位置でボールを回すがこれも富山が守り切る。

富山の守備は集中している。
しかし、沼津も攻撃の手を止めない。
右サイドバックの遠山が上がってまたコーナーキックを獲得。
77分、富山はMFガブリエルエンリケが倒されて負傷。
担架も入り、78分にMF河井と交代。
沼津もMF徳永に代わりMF佐藤を入れる。
佐藤にも以前決勝点を決められたことがある。

その直後、富山は右サイドのMF松岡からMF髙橋馨希、そして左サイドでフリーのFW吉平へ。
吉平は持ち上がってディフェンスを引きつけ絶妙のタイミングで前線に走り込んだ髙橋馨希にスルーパス。これを受けた髙橋馨希が左足でシュートすると右ポストに当たってゴールに吸い込まれた。

これが沼津の息の根を止める4点目で4−0。
この点は大きかった。
ずっと沼津に押されていた中でよく決めたと思う。
守りが集中して失点を許さなかったからだ。
ただこれで意気消沈するかと思った沼津だが、それでもあきらめない。
何度もチャンスを作ろうと試みる。

84分、富山はクロスを受けたMF松岡が右サイドからシュートを狙うと、これがポストに当たる。
しかし、沼津はここから逆襲し、左サイドからシュートを狙う。
さらに沼津はボールを奪い返し、右サイドから上げたクロスに左サイドバックの濱が飛び込み、ついに富山のゴールをこじ開けた。
これで4−1。

ただそれでもまだ3点ある。
さほど慌てる点差ではない。

87分、富山のDF神山が上がってFW碓井にスルーパス。受けた碓井がゴールを狙うが相手GKが防ぎ、コーナーキックに。
ここから沼津がカウンターで左サイドをMF齋藤が持ち上がる。
しかしこのピンチも富山が守りきった。

89分、再び沼津のMF齋藤が左サイドを持ち上がり、中へ切り込んでゴールを狙う。
これはGK田川がキャッチして、富山はディフェンスラインでボールを回す。
この流れからDF今瀬が思い切って左足で前線にボールを出す。
すると右サイドのMF松岡にきれいに通り、松岡はそのまま持ち上がる。
得意の形で中に切り込み、左足で狙うとこれが沼津のゴールを豪快に破った。

これでスコアは5−1。
完全に勝負ありだ。
しかし、それでも沼津は最後まで攻撃を続ける。
コーナーキックを奪ってチャンスを作るも富山が守る。
90+4分、富山は素早いスローインでFW碓井にボールを渡し、碓井は左サイドから切り込んでゴールを狙う。
これはわずかにゴールの右へ。

そして、試合はこのまま終了。
5−1で苦手の沼津をホームで撃破した。
沼津の攻撃も特に後半は決して悪かったわけではないが、富山の守備が上手だった。

4 強い相手を破って3位浮上

正直、対戦成績が圧倒的に悪い沼津とはホームであっても心配だった。
これまで調子がいい時でも沼津と対戦するとうまくいかない、そんな試合があった。

だが、今日は違った。
ゴールは18分と比較的早い時間に奪い、さらに23分に追加点、さらに前半でもう1点奪い、3点リードで完全に主導権は奪った。

攻撃では特にMF佐々木陽次の働きが目立った。
前半の3点いずれにも絡んだ。
前節でスタメン復帰する前はしばらくメンバー外の日が続いていたが、それでもきっちりコンディションを上げてきたあたり、しっかり練習ができていた証だ。

守備も沼津の攻撃をよく跳ね返し続けた。
あの高いレベルの攻撃を1失点でしのげれば上出来だろう。

次はアウェイで奈良戦。
ホームでうまく行ったとしてもアウェイでうまく行く保証は全くない。
いい試合が2試合続いた後だけに心配性な私は逆に少し不安になるが、それでも今年は違うと思わせる試合になった。

5 ハイライト

試合のスタッツ

6 今節終了時の順位

首位大宮は今節も勝って文句なしの首位。
2位今治は奈良に6−0で勝利し、2位をキープ。
富山は勝って3位浮上で今治とは勝ち点4差。
北九州は久しぶりに負け試合になったが、5位で変わらず。
金沢は連敗を止めて6位をキープ。
琉球が3連勝で7位、松本山雅は勝利で8位に浮上。

7 出場メンバーについて一言

MVP
MF 16 末木 裕也
2点目の見事なシュートのほか、攻撃力が冴えていた
MF 7 佐々木 陽次
前半は大活躍で3得点にからむ

SVP(さば的視点MVP)
DF 5 今瀬 淳也
沼津の攻撃を防ぎ続け、5点目につながるパスは絶品
DF 25 安光 将作
2試合連続先制点。試合の流れを作る。
MF 33 髙橋 馨希
今日も攻撃を牽引。4点目のゴールも見事。
FW 10 マテウス レイリア
ワントップで相手守備を掻き回した。
DF 20 大山武蔵
対面の鈴木を完封

スタメン
GK 1 田川 知樹
安定した守りで勝利に貢献
DF 20 大山武蔵
同上
DF 4 神山 京右
今日もセンターバックとサイドバックで奮闘
DF 5 今瀬 淳也
同上
DF 25 安光 将作
同上
MF 16 末木 裕也
同上
MF 15 ガブリエルエンリケ
怪我がやや心配だが、中盤でボールを奪い存在感があった
MF 33 髙橋 馨希
同上
MF 7 佐々木 陽次
同上
MF 28 布施谷 翔
豊富な運動量で左サイドの攻撃を活性化
FW 10 マテウス レイリア
同上

サブメンバー
MF 2 脇本 晃成
今節も無失点での締めくくりに貢献
MF 8 松岡 大智
5点目は見事。ようやく本来の動きができるようになってきた。
MF 24 河井 陽介
途中交代で流れを渡さず
FW 9 碓井 聖生
ゴールは決まらなかったが、積極的にシュートを打つ
FW 27 吉平 翼
自分の特徴を活かし、髙橋馨希のゴールをアシスト

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集