【カターレ富山】今治戦につなげた価値ある引き分け ホーム カマタマーレ讃岐 戦 2024 J3リーグ第30節
金沢を倒して連勝で迎えたホーム讃岐戦。
次の今治戦に向けて連勝で行きたい。
前日に今治が勝ったので試合当日で勝ち点差は4。
最低でも引き分けで、次節勝てば今治より上に行けるという状態で迎えたい。
1 スタメン
スタメンは前節と同じ。サブでは髙橋馨希が2試合ぶり、瀬良は13試合ぶりのメンバー入り。
フォーメーションはいつもどおりの4−2−3−1。並びはゴールキーパーが田川。ディフェンスラインは4バック右から大迫、脇本、今瀬、安光。ボランチは末木と河井、2列目は右に松岡、中に佐々木陽次、左に吉平、1トップにマテウス。サブは、GK齋藤、DF鍋田、MF瀬良、布施谷、髙橋馨希、FW碓井、松本。
讃岐はスタメンを3人入替え。
2 讃岐のプレッシャーにミスが出る
6分、右サイドのフリーキックから相手クリアのこぼれ球をFWマテウスがシュート。
序盤はうまく富山がボールを支配し、ゲームを優位に進める。
ディフェンスラインからの讃岐の裏を狙ったパスが多かった。
だが、10分を過ぎたあたりから、讃岐の前からのプレッシャーが強くなり、讃岐もチャンスを作り始める。
17分、讃岐は右サイドからのフリーキックにFW丹羽が頭で狙う。
しばらく攻撃に行く富山とそれをしのいで逆襲を狙う讃岐という展開。
讃岐は非常にコンパクトに守り、ラインが高い。
26分、富山はMF河井のパスカットからチャンスを作り、MF松岡のクロスからコーナーキックを得る。
さらにその後、左サイドでフリーキックを獲得。
しかし、31分、讃岐のプレッシャーから富山のDF大迫がGK田川にバックパス。田川はMF末木にパスを出すがやや弱く、これを讃岐MF吉田陣平がパスカットし、そのままドリブルからシュート。
GK田川が手で弾くがそのカバーに走り込んでいたDF脇本の体に当たり、ボールはゴールの中へ。
思わぬ形で讃岐が先制。
逆に富山は1点を追うことになった。
その後もしばらく讃岐が高い位置でボールを奪い、讃岐の時間が続く。
36分、右サイドバックの大迫が前線にロビングのボールを出し、これを受けたマテウスが相手DFをかわしてGKと一対一でシュート。
しかし、これは相手GK今村がファインセーブで防ぐ。
続くコーナーキックからMF松岡がミドルシュートを狙ったもののゴール右へ外れる。
45分、中盤でM佐々木陽次がボールを奪ってすぐにFWマテウスにパス。
マテウスが左足でシュートすると、これは相手GK今村のビッグセーブでコーナーキックに。
コーナーキックは2本続いたが、讃岐が守り切り、前半終了。
0−1で1点を追う形で後半に向かうことになった。
3 敗色濃厚から執念の勝ち点1
後半開始にあたり、1点負けている富山はMF松岡に代わりMF髙橋馨希、MF佐々木陽次に代わりFW碓井。
マテウスと碓井の2トップにしてきた。
富山は中盤で髙橋馨希がボールをキープし、リズムを作り出す。
48分、富山はDF大迫から裏にスルーパスが出てFW碓井がシュートを狙いコーナーキックを得る。コーナーキックの流れから再びFW碓井が狙うも外れる。
その後も富山がボールを支配。
52分、左サイドバック安光のクロスをFW碓井がシュート、相手GKがはじいたところをMF髙橋馨希が押し込み、同点に追いついた。
これで1-1。
悪い流れを早いうちに取り返した。
これを受け、55分、讃岐は早速流れを変えようと、FW前川に代えてFW岩岸、FW丹羽に代えてFW赤星。
58分、FW碓井が右足でシュート。これはゴールの右へ。
59分、讃岐はFW赤星が抜け出しシュートはクロスバーに当たり、その跳ね返りをFW森川が狙うがわずかにゴールの右へ。
61分、讃岐はゴールキックからチャンスを迎えて2回シュートするもいずれも富山のディフェンスが守り切る。
そしてそこから富山のカウンター。右サイドでFWマテウスがスライディングでボールを残し、FW碓井とつなぎ、MF髙橋馨希が正面からミドルシュート。
しかし、これはゴールの上へ。
65分、富山はMF河井から右サイドにいたFWマテウスにパスが通り、中のMF髙橋馨希へグラウンダーのクロス。完全にフリーだったが、これもまたゴールの上へ外してしまった。
これは決めたいチャンスだった。
67分、DF深港に代わってDF西野、FW森川に代わりMF森。
71分、讃岐の左サイドでのフリーキックはいったん富山がクリア。しかし、そのあと讃岐がボールをつなぎ、先ほど入ったMF森がロングシュートを放つと富山の選手が寄せきれず、素晴らしい軌道でゴールの隅に突き刺さった。
これで讃岐が再びリードし、1−2。
富山にとっては苦しくなった。
この間に、富山は72分、DF大迫に代わりDF鍋田。
その直後、DF鍋田がボールカットから一気にドリブルで前進。これは気持ちを見せたシーンだった。
75分、讃岐は再び前線へボールを持ち込み、左サイドからFW岩岸がシュート。これはわずかに右に外れた。
77分、MF河井に代わりMF布施谷、FWマテウスに代わりFW松本。
布瀬谷が2列目右に入り、髙橋馨希がボランチに。
讃岐のペースは変わらなかったが、80分あたりから讃岐が引き始めたか、富山がボールを持てるようになった。
84分、讃岐のフリーキック。
MF江口のキックはFW赤星の頭に合ったが、辛うじてGK田川が触ってポストに当たり、何とか守る。
讃岐はブロックを敷いて守る。
87分、讃岐のMF吉田陣平が接触で痛めて、MF長谷川と交代。
89分、富山のパスを高い位置で讃岐がカットしてコーナーキックを獲得。
そこから讃岐はボールキープを開始。
アディショナルタイムは6分。
ここで讃岐のMF吉田源太郎が富山のMF布施谷と接触してファウルをもらう。
讃岐は左サイドでもボールキープに入るが、ここで3人を相手に鍋田がスローインを取り、ボールを奪う。
この鍋田のボール奪取からドラマが起きる。
90+2分、鍋田のスローインをDF脇本、GK田川、DF今瀬とつなぎ、今瀬が他の選手に上がるように指示を出しながらドリブルで持ち上がる。
得意の左足から出されたロングボールは右サイドでフリーのMF布瀬谷へ。
これを受けた布瀬谷が中へクロスを入れると、ディフェンスと競りながらFW松本が軽く触って横に流し、そこへ走り込んだMF末木がシュート。
ポストに当たりながらボールはゴールの中に転がり、これで2−2の同点に!
讃岐が時間稼ぎにも入り、苦しい展開になったが、うまくボールを奪取し、見事な同点劇だった。
まだアディショナルタイムは残っており、試合は完全に富山ペースに。
90+3分、またDF今瀬のロングボールからMF末木、MF吉平とつながり、DF安光へ。相手クリアのこぼれ球をMF布瀬谷がシュートするとこれは相手GKが抑える。
90+4分、FW松本がボールを収めようとしてDF安光がコーナーキックを獲得。
MF髙橋馨希のキックはいったんスローインになり、その流れから波状攻撃。
吉平、碓井、布施谷のシュートはことごとくブロックされ、最後、安光のシュートはゴールの上へ。
90+6分、再び右サイドバック鍋田のボールキープから攻撃が始まる。
三たび今瀬のロングパスから富山がスローインを得る。
MF布施谷のロングスローの流れから再び布施谷がクロス。
飛び込んだFW松本のヘディングシュートは讃岐GK今村が弾き出し、そのこぼれ球にDF脇本が頭で突っ込むがボールは左へ。
これで試合は終了し、2−2で引き分けとなった。
4 今治戦の意味を高めた同点ゴール
前節敗れたとはいえ、その前に5連勝していた讃岐がどんなサッカーをするのか試合前から注目していた。
開始直後はそうでもなかったが、徐々に守備の圧力を高め、讃岐のペースとなり、先制点を許してしまった。
後半、選手交代で流れを取り戻し、同点に追いついたが、スーパーゴールで再びリードを許し、ついにアディショナルタイムへ。
正直、これは負けを覚悟したが、やはりいいプレーが流れを取り戻した。
改めて映像を見直すと、今瀬のロングパスも見事だったが、鍋田の闘志溢れるボール奪取や持ち上がりがチャンスを呼び込んでいる。
いいプレーが連鎖を呼び込んだ。
今治は勝っているので勝ち点差は3に広がった。
だが、負けていれば、勝ち点4差と勝っても届かない差になっていただけに、同点に追いついた意味は大きい。
これで、次の今治戦は勝てば得失点差で2位に浮上できる。
1万人の集客を目指している試合が今季最大の大一番になる。
5 ハイライト
試合のスタッツ
6 今節終了時の順位
首位大宮は相模原を倒し、3連勝で首位独走中で早くも自動昇格が見えてきている。
相模原は6位から8位に転落。
2位今治は八戸に勝利で、3位富山との勝ち点差は3に。
前節4位の北九州は最下位岩手に敗れ、5位沼津がYS横浜に勝利し、順位を入れ替える。
福島が引き分けながらも6位に浮上した。
宮崎と鳥取の好調対決は宮崎が勝利し、19位とは勝ち点4差に。
7 出場メンバーについて一言
MVP
MF 16 末木 裕也
フル出場して値千金の同点ゴールを奪った
SVP(さば的視点MVP)
DF 5 今瀬 淳也
同点ゴールにつながるロングパスは見事だった
DF 26 鍋田 純志
途中交代で攻撃につながるプレーを見せていた
MF 28 布施谷 翔
途中交代で同点ゴールにつながるクロス。攻撃のスイッチになった。
MF 33 髙橋 馨希
流れを変えた。その後のチャンスも決めていればMVPだった。
FW 9 碓井 聖生
ゴールは奪えなかったが流れを変えた
スタメン
GK 1 田川 知樹
先制点を許したプレーは反省だが、切り替えて次の試合に期待
DF 30 大迫 暁
攻撃にもつながるいいプレーを見せていた
DF 2 脇本 晃成
よく丹羽を抑えていた
DF 5 今瀬 淳也
同上
DF 25 安光 将作
終盤、攻撃につながるクロスをあげていた
MF 16 末木 裕也
同上
MF 24 河井 陽介
いいポジショニングで攻撃の起点になっていた
MF 8 松岡 大智
流れを変えるため前半で交代
MF 7 佐々木 陽次
流れを変えるため前半で交代
MF 27 吉平 翼
直接ゴールには絡まなかったが、チームを牽引
FW 10 マテウス レイリア
前半のチャンスは相手GKも良かったが決めたかった
サブメンバー
DF 26 鍋田 純志
緊急出場でも守備を引き締めた
MF 28 布施谷 翔
同上
MF 33 髙橋 馨希
同上
FW 9 碓井 聖生
同上
FW 11 松本 孝平
短い出場時間でチャンスを作り続けた