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生成AIが紡ぐ「つまらない」未来と、それでも人間がすべき「スパイス」の話

最近、学生の面接練習を見ていて、ふと思ったんです。「これ、ChatGPTみたいだな」と。論理的で淀みないけれど、心に引っかかるものがない。スパイスが足りないんです。まるでAIが作った模範解答。真面目な学生を揶揄するつもりはないですが、この「つまらなさ」は、AI時代を考える上で重要じゃないでしょうか。

昨今、生成AIの進化は目覚ましい。文章、画像、音楽、動画生成まで、その能力は留まるところを知りません。ある企業は、AIで採用面接の質を向上させているとか。AI面接官の質問は「あなたの長所を、ビッグデータに基づいて5つ挙げて」とか?人間がやるべきことじゃないですよね、それ。

このままでは、人間がAIに「最適化」される未来が待っています。「AI受け」する答えを返す人が「優秀」とされる時代。でも、それって本当に「優秀」?僕はそんな未来はごめんです。だって、人間がAIの下請けになるってことじゃないですか。これ、由々しき事態ですよ。

ここで、2ちゃんねる創設者ひろゆきさんの話を。彼の本、実は本人が書いてないものも多いらしい。インタビュー等を元に編集者が構成。一見、問題ですが、僕は「編集力」の重要性を示していると思う。ひろゆき本が面白いのは、独特な視点、毒舌、そして「スパイス」があるからです。

もちろん、「AIはツール」「人間の創造性を拡張する」という意見も。確かにそうですね。でも、ネット普及時を思い出してください。誰もが情報に簡単にアクセスでき、知識の民主化が起こると言われました。しかし、フェイクニュースやデマも溢れ、価値ある情報を見つけるのは難しくなっている。

「ググればわかる」と、考えること自体を放棄する人も増えている気がします。「過ぎたるは及ばざるが如し」というヤツですよ。便利な道具も、使う側のリテラシーが伴わなければ、社会を退化させかねない。生成AIはネット以上に、人間の思考に影響します。使い方を誤れば、人間らしさを蝕む「諸刃の剣」になり得ます。

では、どうすればいいか。それは「スパイス」です。人間らしい「揺らぎ」や「遊び心」、そして「毒」とも言える「引っかかり」。これこそが、AIには真似できない、人間ならではの強み。効率だけを重視するAIには決して出せない味です。人間だけが使える最高の調味料なんです。

だから、僕は人間らしい「スパイス」を大切にしたい。毒舌を吐いたり、論理を破綻させたり、常識を疑ったり。そんな「人間臭さ」こそが、AIにはない武器になる。AIがどんなに進化しても、人間が人間であることをやめてはいけない。そう、強く思うんです。人間、捨てたもんじゃないですよ。

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