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「ヒトの眼、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ」を読んだよ

どもども、最近自粛モードが開けても全く生活が変わらないTikkaです。

さてさて、ヒトの眼が持つ能力と進化に関して面白い本を読みました。

神経科学者として活躍するマーク・チャンギ―がヒトの眼が持つ「テレパシー」「透視」「未来予知」「死者との会話」という4つの驚くべき能力が備わっていて、そうなるべく進化してきたということを語る本です。

とはいっても、4つの能力はそのまま言葉通りの意味ではないが、しっかりとした論拠に基づいて解き明かされています。

テレパシー

この本で紹介されているテレパシーとは、色覚により他人の感情や状態を読みとることです。

著者によれば、人間の色覚が進化したのは、食べられる果実や若葉を見つけるためではない。

実際は、肌の色から他人の感情や状態を識別できるがゆえに、進化したのです。

人の感情や状態によって肌の色が変化するということは、私たち誰もがよく知っていることだろう。そして、他人の感情や状態を読みとれるという能力は、それをもつ個体にとってたしかに有利にはたらいたはずです。

以上の説を支持するような論拠を著者は、色覚をもつサルの種と、その種の個体が顔に体毛をもつかどうかを照合しました。

著者は、もし色覚が上記の理由で進化したのだとしたら、色覚をもつ種の個体は、顔が毛で覆われていないはずだ。

というのも、その種の個体の顔が毛で覆われていたなら、そもそもそこから肌の色を(ひいては感情や状態を)読みとることができないからである。そして見事に、著者の予測は的中する。全身毛むくじゃらのサルが多いなかで、色覚をもつサルの顔は毛に覆われていないのです。

ほかの視覚能力についても、様々な独創的な視点を提示し、読んだ後「そんな考え方があったのか」と感銘を受けました。

一つ一つの章を独立に切り出しても通用するような驚きの連続で、著者の仮説構築力は素晴らしいです、間違いなく読む価値のある本。

ではでは~

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