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大人の趣味の発表会で得たもの
「ワーママの趣味の発表会で得たもの」というタイトルにしようかと思ったが、やめた。
ワーママ縛りで物事を捉えることをやめようと思ったからだ。
そう思えたこと自体も、
趣味のダンスの発表会で得られたものかもしれない。
ダンスの発表会当日
産後初のダンスの発表会。
娘の発表会ではない。
私の発表会だ。
第一子の妊娠を機にレッスンを休むようになり、第二子出産後、ちょうど2年弱。
かれこれ5年ぶりの発表会だ。
メイクの仕方もスッカリ忘れてしまっていたし、入れ替わりの激しいレッスン生徒の中、埋もれかけていたが、探せば半分くらいは知り合いで、人の繋がりほど安心感を与えるものはないと実感した。
発表会前後での心境の変化
大学時代からダンスを始め、29歳で妊娠し、ダンスを一時休止。
34才で今回のダンス復帰となる。
結構いいところまでいっていたはずなのに、
妊娠して強制終了。
口惜しい気持ちもあった。
それでも自分にとって子どもを持つことは人生にとって大事な事だったから割り切っていた。
その間に、仲間はプロに転身したり、副業として自分の生徒を持つインストラクターに成長したりして、趣味と言え立派なキャリア形成をしていた。
煌びやかな世界に憧れる気持ちもあったが、
私は私で子どもを産み育ててきた。
正直、趣味の世界なので、
そこまで焦ったり嫉妬することもなかったが、
拍車を掛けたのは、新人の登場。
私よりダンス歴が浅く1年未満なのに、
ソロで踊っていた。
先生に聞くところ、
「多分、SaYaKaちゃんみたいに色々考えて悩むこともなく、出たいって思ったから出たい!それだけなんやと思うよw」と。
育休で4年のブランクがあるものの、ダンス歴は10年目だ。
もうそろそろ私もソロで出ようかなと、
そんな風に思うようになっていた。
しかし、発表会を出て前言撤回。
ソロはまだ先で構わない。
そう感じた。
心境の変化の理由
①群舞に圧倒された
グループよりソロの方が上だと勝手に思い込んでいたが、オープニングの群舞があまりにも素晴らしく、一人一人個性を出しながらもフォーメーションを変えながら舞台をめいっぱい使って踊る姿に感激した。私の今の実力では、中途半端にソロで出るより、こっちの方がよっぽど観客を魅せられると思った。
②ダンス歴15年の先輩の初のソロを観た
大先輩が初めてソロに出ており、完成度の高さに感動した。
この日の為に、直前強化自主練習としてスタジオを借りて相当練習したといっており、この覚悟は今の自分にはないと実感した。
③群舞が楽しかった
ソロにこだわるより、仲間と繋がり一緒に舞台に立って踊れることは当たり前ではないという気付き。
ぶっちゃけ、ソロはプライベートレッスンさえ受ければ誰でも出られる。
お金を払えば買えてしまうのだ。
しかし、群舞は、自分と一緒に踊りたくないと言われてしまったら終わり。
おそろいのブレスレットをつけて心を一つに踊れた満足感はソロでは味わえない。
この年になっても、オソロに気分を上げられる幸せは何にも変えられない。大人の部活だ。
ソロで手に入れたかったもの
そもそもなぜ、ソロで出たいと思っていたのか?
これも分かった。
ファンが欲しかったんだ!
熱狂的に自分を推してくれる存在!
それと、
ソロは上級者であることが多く、
ファンが差し入れをしたり、花束を持って駆け寄ってくることもあり、
そういう表面的な部分に憧れていた気持ちもあったかもしれない。
差し入れや駆け寄りは、
ある程度、先生が気を遣ってサクラを仕込んでくれることもあるし、自分自身でサクラを仕込むこともできる。
でも、そういうのは、私が心から望んでいるものではない。
ソロの中には、
先生から教えてもらった通りに踊るタイプと、
振付や演出を自作自演で踊るタイプがあり、
前者でいくならそれなりの完成度が求められるし、
後者でいくならセンスと度胸が試される。
中途半端に習った通りにしか踊れないなら、
残念ながら真のファンはつかないだろう。
そこまでの上級者でなくとも、時間とお金に余裕があれば、ソロの実践で場数を踏みながら上達するやり方もあるだろうが、それは練習量と出演量が多い人のやり方だ。
先生の話によると、今回ダンス歴が浅いのにソロに出た新人は、相当な時間とお金を突っ込んできたと言っていた。
月に2回の練習量と年に数回の出演でアップアップいっている私のやり方ではない。
そう気がついてからは、
ちょっと肩の力が抜けて、
新人を素直に応援できるようになった。
舞台の上では、
ノーサイド。
独身も既婚者もママも容赦ない。
観客へ向けて、
喜ばせ合戦なのだ。
それならば、
私には私の勝ち方を。
ダンスを踊る目的や想いとは?
それよりも最も大事な事は、
何のために踊り、
どんな想いを届けたいのか?
それの方が大事だ。
ダンスは目的ではなく、手段なのだ。
ド派手な衣装と化粧に、スポットライトを浴びてチヤホヤされたいだけなら、誰がファンになってくれようか。
自分が持ち生まれてきた個性。
自分の内に秘める美しさ。
それらを表現することで、
観る人がハッとするような自分自身への「可能性」と「気付き」の誘い。
観る人に非日常空間を提供し、
元気や笑顔、明日への活力を与え、
とかく女性には、
「女性として生まれてきて良かった。
もし、生まれ変わっても、次もまた私は私として、女性として生まれ変わりたい。」
そう思ってもらえるような感情を提供したい。
私にはそんな目的や想いがあり、
今回は愛娘2人にダンスを披露したのだ。
無条件に応援してくれる家族以外の人にも、
こういう想いを受け取ってもらえる人になら、
今後、私のファンになってもらえる可能性はある。もちろん今は実力不足だが、いつかきっと、Sayakaのソロが見てみたいとお声をいただける日が来るだろう。
最後に
会社にいくと、
産後はちっぽけな仕事ばかり。
ダンスレッスンにいくと、
配慮はあるが、実力主義。
ポジションなんかどうでもいいくらい、
個性を尊重してくれて、
居場所をくれる。
経歴も派閥もない、
シンプルに目の前の観客に自身の想いを届ける事に全身使うだけ。
このダンスで得た感覚で、
職場に戻り、
一石投じてやるんだ!