なぜSAABに乗るの?(1)〜その安全哲学〜
最近の車にはいろんな安全のための運転支援機能が付いています。その究極のものが自動運転機能でしょうか?ヒューマンエラーを予防するという意味で、私はこういう機能を否定はしません。でも主体的に運転したい人には少しウルサイと思ってしまうのではないでしょうか?
私は1999年製のSAAB9-3スポーツセダンと2007年製のSAAB9-3スポーツエステートを2台乗り継いで、最近感じるのがその安全哲学です。
SAABのターボのセッティングは低速から中速域に厚みを持たせたものになっています。このことからSAABのターボは決して速く走るためのものではないことがわかります。では何のために?
サーブのターボについてよく言われることは、高速道路に入って合流するときにスムーズに加速できるようなセッティングになっているということです。これは確かにその通りなのですが、私はこのターボの味付けにはさらにサーブの技術者が意図していることがあると思っています。
それは運転者が自ら安全運転をしたくなる味付けにしてあるということ。サーブのターボは、運転者が充分な車間距離を取って運転するときにより素晴らしい加速フィールを味わうことができるようにセッティングされているのではないかと思うのです。
車間距離を充分取っていれば、例えば合流地点に差し掛かり、合流してくる車と並走するような状況ではアクセルを踏み込みさえすればサーブのターボは一気に加速します。逆にブレーキを踏む選択をすれば、車間距離が空いた前に合流してくる車を入れることもできます。
車間距離を取っていない場合、サーブのターボの加速フィールを味わう楽しさを得られないので、運転者は自ら車間距離を取るようになります。
このことに気づいたとき、私は感動しました。
いろんな支援機能に頼るのではなく、自ら安全運転をしたくなるターボのセッティングにすること。それこそがサーブの技術者の狙いだと私は思っています。こんな安全哲学を持った車って他にはありませんよね?
そしてこのサーブの哲学は全ての車種に貫かれているのではないかと思うのですが、残念ながら2車種しか乗っていないので、他のサーブに乗っている方に聞いてみたいものです。
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