『女ふたり、暮らしています』 読書メモ
似てるけどまったく違う二人(と猫四匹)がつくる新しい家族の形!
ポッドキャストの司会として人気のコピーライター、キム・ハナとファッション誌『W Korea』の編集長 を長く務めたファン・ソヌによる女ふたりの共同生活記。
ふたりの関係は単なるルームメイトでも、 恋人同士でもない。長い間、一人暮らしを続ける中で楽しさや喜びよりも孤独や不安を強く感じは じめたふたりは、尊敬できて信頼できて、気の合う相手をこれからの人生の「パートナー」として選 び、マンションを共同購入する。
家父長制の下で我慢を強いられる結婚はまっぴらごめんだった。 「結婚=幸せ」という限定的な考え方から解放された現代女性たちに贈る、新しい生き方の提案。
めちゃくちゃよかったです。
以下感想
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単純に生きる希望が湧いた、結婚しなくてもお互いを大事に想い合う人と時間を重ねていけるならそれで十分楽しい。本の中にもあったけど結婚していない人は決して欠損しているわけではない
どんな人も共同生活をしていくにはきっと相互の努力が必要で、そういう努力を頑張ってやっていこうと思える人との関係を大事にしていきたい
適度な距離感で過ごしながらも、この二人は明らかに家族
この家族の形態をW2C4(女2人と猫4匹)で表してるみたいにみんな家族はただの分子式で表したらいいよなと思った いろんな分子がふわふわ生きてられたらいい
韓国は法制度的にもこういった家族が認められつつあるのがとても素敵だと思う
自分のこれからの生活が全然決まり切っていないこと、特に結婚をするイメージが持てないことに不安を抱いているけれど、40代以降の自分の人生プランのイメージが1つ持ててなんだか安心できた気がする
一人暮らし7年目になって、特にこの1年一人家で過ごす時間が増えてわかってきたけど、一人暮らしは全ての決定権を自分が握っているから自由こそあれど、自分を変える物がなさすぎる。自分の想定外のことは起きないし、自分の視野が広がるような出来事も自分が行動しない限りはない、誰かにそういえばさ、と話しかけられることもない。感情のコントロールも自分でやらないといけない。人から感情に触れられることがないから感情面の安定は手に入れやすいかもしれないけど、人と時間を共にすることの煩わしさが恋しくなったりもする。
今まで冗談で友人と言っていた「歳を取っても結婚しなかったら一緒に住もう」という考え、本気で実現してみるのもありなんだと分かった
大人になればなるほど、「友達」の大切さを感じる。特に自転車で会いに行ける距離にいる、なんでも話せる人。または何年ぶりにあっても昔のように話せる人とは自分は何を共有しているんだろう
こんなふうに歳を取りたいと思った。スポーツや新しい趣味に取り組み、語り話したりして周りの人と豊かな交流を持って。
あとがきにもあった、このエッセイに影響を受けて出てきた様々なエッセイにも興味がある。4人の恋人との同居を綴った『より多く愛すれば結婚して、より少なく愛すれば同居するんですか?』や、1組の夫婦と妻の後輩の3人暮らしを紹介している『3人で家を建てて暮らしていますが』日本語訳されてるのかな?読みたい
こういう素敵な韓国の本を自分が読めているのは清水さんが翻訳をしてくれたからだと思うと翻訳って本当に素敵な仕事だなと思う。韓国語も勉強したい
この本は特に翻訳っぽさを感じずとてもスムーズに自分の中に言葉が入ってきて読みやすかった。でもたまに本のタイトルとか、お店の名前とか、直訳しているんだろうけど独特な名前のところがあって面白い。
女性の生きづらさについて、真正面から論じるとかはないけどフラットに書いていてそれもとても共感した。特に韓国は日本よりも(?)家父長制がひどいらしいからそれへの反発があるのだろうけど。
フェミニズムに関しては韓国のほうが進んでいるイメージがあったけどこれが社会的に受け入れられてブームになったというのであれば、本当にそうなんだろうなと思う。こういう暮らしをもっとみんなが当たり前のように実現できて、かつ社会制度や福祉制度的な面からも平等にサービスを受けられるようになったらもっといろんな人(自分も)が生きやすくなるんだろうなぁ