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結婚って、何かメリットあるの?と思っていた20代の頃を脚本分析すると...

こんにちは。

今日は、私が持っていた”結婚”の概念を事例に、「脚本分析」という考え方について説明したいと思います。

ここでの「脚本」とは、人の中にある無意識の規範、信念、生きる意味のようなもので、
例えば、「男はこうあるべき」「女らしさとは○○」「社会人とは○○でなくてはならない」「自分は○○な人間だ」などです。

その脚本は、その人の行動に悪影響を与えていたり、望まない事象を引き起こしている場合があります。

そんなときは、努力したり行動してもうまくいかないので、
原因となっている脚本を分析し、必要であれば修正するというのが脚本分析というものです。

脚本分析とは心理学のひとつの理論であり、認知行動理論など似たような考え方は他にもいくつかありますが、こちらの記事では脚本分析を使って説明してみますね。

結婚って、何かメリットあるの?と思っていた20代


いやいや、結婚はメリット・デメリットでするものじゃないでしょ。
そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、20代の頃の私はほんきでこう思っていました。

「結婚って、何かメリットあるの?」

ただ、メリットがないという断定的な意見があったわけではなく、
「何かいいことあるの?私には思い浮かばないけど・・・」という
一歩引いた、さめた感覚がありました。

しかしある種、生き方に深く関わるような選択についてのメリットデメリットの話は、自分と異なる考え方を持つ人の生き方を否定したと捉えられかねず、公然と口に出し辛いので、私が私自身の考えをしまいこんで、論理立てて認識していなかったことが怖いところです。

ここで、そのような考えを持つに至った経緯をご説明しますね。

新卒で働き始めたばかりのころのことです。
その時私は、実家に住んでいました。

新卒で入社した会社では、仕事を覚えることや、次々に来る仕事をこなすこと、目標を達成することで心身共にいっぱいいっぱいでした。

一日懸命に働いて、ほとんど余力のない状態で帰宅すると、
ほぼ毎日夕食時に、母親が「○○(私の名前)、ちょっと手伝って」と言います。

実家に住まわせてもらっているので、手伝うくらいは当たり前のことです。料理や配膳を手伝う程度。負荷の高いものではありませんでした。

ですが、私はその状況に違和感を覚えます。

なぜなら一緒に住んでいる兄や父には、「ちょっと手伝って」というようなことは絶対に母は言わないのです。

「・・・?」「くたくたなのにな。。なんで私だけ。。」と思いつつもずっと黙っていました。

この違和感は後々、私や両親の脚本分析をしたことによって、理解が容易になりました。

私の両親は、日本の経済成長時代を懸命に生き抜いてきた世代です。

その時代は、男性が外で働き、女性が家事育児を一手に引き受けるという
完全分業が当たり前。(全ての家庭がそうではなかったと思いますが)

母は、そんな時代のいわば王道的な生き方をしてきました。

女性は、炊事洗濯などの家事を全てやる、率先してやるのが当たり前、なぜならそれが仕事なのだから。という脚本を持っているのは当然のことなのです。

一方で私は、今後結婚することがあったとしても、
なんらかの形で仕事はずっとしていたい、自分の興味を追求していくライフワークのようなことは一生続けたいと思っていました。

過去の時代の王道的な生き方からくる母の脚本と、
時代が移り変わった後の、人々の多様な価値観を反映した私の脚本。

同じ舞台で異なる脚本を持ち出しても、そりゃ、両立しないはずですよね。

しかも、その両立しない脚本同士の対立を避けたいがために、
私は私の違和感について、家庭内で口にすることはほぼありませんでした。

その結果、私の中にいびつな脚本ができあがっていったのです。

「結婚すると、男性と同じくらい働いてくたくたになって帰ってきても、家に帰ると家事が待っている。それどころか、仕事しながら旦那さんの世話もして、妊娠し、妊娠した状態で仕事や家事を行い、出産し、育児をしながら仕事・家事を行う。そんなの、過労でおかしくなりそう・・・」

イメージ的には、やらなければならないことが5倍ほどになるように考えていました。

おそらく私の他にも、そのように考えている女性は多いと思いますし、
実際にそれをやっている方もたくさんいらっしゃるでしょう。

ですが私には、その生き方が相当に受け入れ難かったのでしょう。。

その後しばらくの間(少なくとも20代の間)は、「結婚って、何かメリットあるの?」と漠然と考えていたのでした。

自分のいびつな脚本に気づくこともないままに・・・。


本日の記事はここまでとさせてください。

最後までお読みいただきありがとうございます!
ではまた次回にて



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