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希望

多くの皆様にご協力をいただいた「地方公務員の退職理由に関するアンケート」の集計結果を公開することができました。

給与の低さだけが地方公務員の退職増加の原因であるかのような記事を見てイラっとしたという、単なる義憤がきっかけではじめたアンケートですが、その思いについては概ね間違っていなかったかなという確信が持てています。


なぜ地方公務員になったのか

個人的に一番うれしかったのはこの設問です。

公務員志望理由の1位が「地域社会に貢献したいという思いがあったから」で、安定追求を上回るという結果を見て、我が意を得たりという思いで、PCの前でガッツポーズをしていました。
1085件という回答数を得てもなお、私の周囲の人間がとりわけそういう傾向を持っているということは100%否定できるものでもありませんが、退職理由を問うという少々ネガティブな趣旨を持ったアンケートであっても、年代を問わず「地域貢献意識を持って公務員という職を選択した」と言ってくれる人が多数いるというのはとても嬉しいことでした。

退職を考えているかどうか

さて、そんな地方公務員の皆さんが、退職ということについてどう捉えているかがこちら。

結果は、圧倒的な予備軍の多さを表しています。
辞め公のワタシが言うのもなんですが、個人的にもここまで多くなると思ってなかったので、見た時はちょっと衝撃でした。
自分自身のことや周囲の辞め公の状況を聞いても「辞めよう」というのは張り詰めた最後の糸が切れるような状態で行動に移しているように見受けられるので、ほんとにささいなことが分かれ目になりかねないなという気はしています。

退職(検討)理由

さて、それを受けて肝心の退職(検討)理由はなにかというと

1位は「組織が旧態依然のままで変革が期待できそうにない」で、私が最初に「そうじゃねーだろ」と思った給与の低さは6位、しかも、7位から10位くらいまでの他の理由とおしなべて差もみられないという状況なので、自分の直感は間違ってなかった…!と思いました。
組織の変革の遅さに関しては、DX推進支援などを生業にしている自分からすると、色々な地方自治体の皆様から聞こえてくる声と肌感覚的にもピッタリ合致する結果です。
そして、2位の「地方公務員を続ける意義を見いだせなくなった」という、志望動機と対になるような回答の多さには考えさせられました。
個人的にも辞めた後の方がよほど地域貢献できているような気がするという状況でもあるので、なんというかやるべきことは多そうです。

これから本当の意味で社会が難しい展開を迎えていく時に、地域貢献ミッションを持った地方公務員が絶滅危惧種になりかねない(=支える側が弱体化していく)のは、社会全体にとっていいことはないと全ての人が自覚しなくてはいけないと思いました。

最後に

この世でなされる全てのことは、希望の力によるものだ。
やがて成長して新しい種子が得られるという希望がなければ農夫は種をまかない。
マルティン・ルター(神学者)

地域貢献をしたいというたくさんの種を抱えた多くの公務員がいるにも関わらず、多くがその種を撒く力も成長させる気力も失っていて、新しい種を得ることもできていない。
今回のアンケートで私が得た「仮説」です。

しかし、アンケート結果は結論やゴールではなく、現状というスタート地点の確認だけしかできませんので、あくまでも「仮説」です。
そして、前のnoteにも書いた通り、私は、善悪とか敵味方という単純な二軸でこの問題を捉えるつもりはありません。
このデータを私自身も含めた全ての公務員、そして公務員という職に意義を感じながらも現場を離れていった元公務員がジブンゴト化のきっかけにして、仕組みの問題に切り込んでほしいし、自分自身も行動していきたいと考えています。

私はその動きにこそ希望があるのだと思います。

さて、貴方は明日からなにをしますか?



★アンケート分析チームのゆるっとアフタートークを公開しました。
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