見出し画像

ジョナサン・ヘフラーさんの書体デザインTwitterアドバイス

Netflixの人気シリーズ「アート・オブ・デザイン」にも出演した、超有名な書体デザイナーのジョナサン・へフラーさんが、Twitterで書体デザインへのアドバイスをすごい勢いで投稿していたので紹介したい。Hoefler&Co.アカウントがへフラーさん。(要点だけ抜粋して書きます。「」で書いてても超意訳です)

トップ画像はへフラーさんのツイートより

まずひとつめ。ジェシカ・ヒシュさんが書いたこの小文字。(ヒシュさんもとてもとても著名なレタリングアーティスト)

「sをちょっと時計回りに回転するだけで十分かも?」

tとgのディセンダー。「tを太くしてそろえたらどうなるか興味があるよ。退屈になりすぎなければだけど」

「接続部分がふつうより太くてかわいい。でもちょっと上が浅すぎかも?」

「もしかしたらOをちょっとだけ幾何学的でなくしたらいいかも」(すこし四角くする)

「ちょっとだけカーブを左にずらすといいような気がするんだ」

「上と下の太さがちがうの、わざとならもっと強調してもいいかも?」

ふたつめはロゴデザイナーのポール・フォン・エキサイトさん(かな?)が制作中のロゴ。ポールさんは「eとtの接続がうまくいかないんだけど、レトロな感じは気に入ってる」とのこと。

「接続を比べてみたよ。悪いわけじゃないけど、ET間が大きいね」

「eの最終ストロークを下げたら解決できるけど…」

「すると真ん中のストロークも下げなきゃかも。形もかわいい」

「nからのストロークがつながらなくなるって思うかもだけど、いいんじゃないかな」

「あとこうすると左側のカーブと『スピード』があうかも」

文字間。+のところをもうちょい空けたい。小さくして確認するといい。

「tの頂上がちがうのに気づいたよ。もちろんこれが悪いわけじゃないよ。オールドスタイルの“tt”リガチャはちがうしね」

「aがちょっと幅広いかも?」「“nnann”って組んでスペーシングをみるといいかも」

「ウエイトがちょっとだけばらつきすぎかも。一階建てのaはいつもちょうやっかいだ」(二階建てって言いたかった?)

「個性が減っちゃうかもだし、思ってるのじゃなくなるかもだけど」aの真ん中のストロークを下げる。カウンターが小さくなり、接続へのラインが解決するかも。

「すごい細かいことだけど…」Cのこのポイントを「ほんとにほんとにちょっとだけ」右に。

ターミナルの形がちがう。

「役立つといいな! すごく個性があって好きだ。細いのも提案したら、小さいサイズでも使いやすいし、きっといいよ。書くの楽しいしね!」

本題からそれるけど、へフラーさんのコメントはすごく丁寧で、デザイナーの意図を損ねないよう注意されていてすごくいいなと思った。
「〜をやってみるとどうかな」
「すごくかわいい感じがあるね」
「このわざとつたなくしてるのがすごくいいんだけど、ちょっとだけ…」
「ねらってるのと違うかもだけど…」
「ぼくと同じ感覚かわからないんだけど」
「役立つかわからないけど、思ったことは」

「この即興診断を恒例にしようかな。レターフォーム作業をしていて、誰かにみてもらいたかったら、DMしてね」だそう!


こんにちは。読んでいただいてありがとうございます。