はじめての現地

前回に続いて今回は初めて琉球ブルーオーシャンズの現地に行ったときの話をします。どうぞお付き合いくださいませ。この話は衝撃が強すぎて記憶が混濁していますので違う日のエピソードが混ざっていたりします。

二月。沖縄でレンタカーを借りて読谷の中日ドラゴンズ二軍キャンプで髙松渡選手を観たあとに東風平運動公園野球場に行きました。公園内で迷子になってようやく大きそうなグラウンドっぽいところに辿り着きました。一面にみどりの芝が青々と広がっていて、そこはサッカー場でした。また探して野球場に辿りつき、グラウンドの方から聞き慣れた野球の練習っぽい声が聞こえてきて足の裏からゾクゾクと興奮がせりあがってくる。ここにいるんだ、推しが。

東風平運動公園野球場

琉球ブルーオーシャンズの真新しい幕が下がってるしほんとにほんとにここにいるんだ
新しいユニフォーム姿の推しを観るのにわくわくが止まらなくてウキウキで石のアーチを潜った。
このときの私の心構えとしては初めて行くNPBの球場に行くときの気持ちであり


完全に観(る側の)客

だった。NPBは不特定多数の人間から選手を守るために球団も球場も選手自身も観客から一定の距離を置き、テレビの中の有名人と視聴者のように隔てられている。グラウンドの中と観客席は、よっぽど親しい間柄やサービス精神に溢れた選手でなければ双方向性さは薄い。水族館や動物園にペンギンを観に行くときのような、こっちはペンギンに注目をしているがペンギンさんサイドは気ままに生きている。野球を観るってそんなものだった。少し前まで行ってきた読谷球場もそんな感じだったし。そしてそんな心持ちのままで足を踏み入れた。

入ってすぐのところで男前なにーさんがバッティング練習をしていた。

観ていたら合うはずのない目が合った。

こちらが…見えている???

驚いた。数多の物語で登場するような成仏できない霊が霊感のある少年少女と出会い
「あなた…私が見えるの?」
って言うやつ。あんな感じだった。客の姿が見えている???

あとでわかったがその男前な見える人は大城駿斗選手だった。
そして

ニコッ

大城駿斗 選手

意味がわからなさすぎて一気に5基ぐらい失った。1UPキノコをモリモリ食べても追い付かなかった。完全に油断をしている中でファンサを喰らった。アォオオオ

その直後に繁田隼選手にカメラを向けていたらこっちに向かって

「撮ってる?😆✌️」

繁田隼 選手

私はもうどうしたらいいのかわからなかった。

こんな…そんな…
なんだここは…!?
どういうことなんだ…???

さながら生まれて初めてハリー・ポッターに優しくされた屋敷しもべのような気持ちになってしまった。琉球ブルーオーシャンズさまはドビーめに優しくしてくださる…いや別にNPB球団に虐げられてはいないけどそれぐらいの衝撃だった。
それか朝に教室に入ったらギャルに「おはよーっ」って言われたときの陰キャオタクみたいな気持ちになった。自分の後ろにギャル仲間がいてそいつに向かって挨拶したんじゃないかと疑ってからめっちゃキョドった。「え…俺?」ってどもりながら言うと「オマエ以外に誰がいるんだっつーのw」って笑われるやつ。陽キャはいっつもそう。そして僕たちオタクは放課後の掃除を代わってしまうし「いいよ。バイトがんばれ」って言ってしまうんだ。

もうこの時点でだいぶおかしくなっていたけれど、動悸を抑えながら目的を果たすために歩みを進めた。

あ、亀ちゃん居た。

亀澤恭平 選手兼内野守備走塁コーチ

声でけぇ

あ、勝崎さんもいる。

勝崎耕世コンディショニングコーチ

さらに声でけぇ

ほぼほぼ2人の鬼コーチが選手に指導をする声が球場内を響き渡っていて選手たちがヒィヒィ言っていた。青春時代って感じだ。煌めいている。四つ葉のクローバーが球場に増えたよ違いねえ。

泥だらけの姿が尊い。

横山辰巳 選手

みんなでへばってる姿が尊い。

捕手陣。金子隆浩 選手

みんなでボール運ぶのも尊い。

(左から)金子隆浩選手、杉山翔大選手、森颯馬選手、岸里亮祐選手、横山辰巳選手

コーチと監督で話し合ったり

(左は清水直行監督、右は亀澤恭平コーチ)

コーチ同士で泥だらけの選手を見守るのも尊い。

(左が勝崎さんはコーチ、右が亀澤恭平コーチ)

亀澤さんは鬼コーチに進化しているけど勝崎さんはそのまんまだ。尊い。このときのフォルダを開いたらここには書ききれないほど尊さで溢れていた。

こんな汚れちまった大人がタダで観ていいものなのか?滝行して清めてこようか?とすら思った。

亀澤コーチが言い出した

「ファンの前でやるぞ!」

によりめっちゃ近くで選手が撮れた。感謝している。でもその当時は正直に言うとカメラを構えていたから正気を取り繕えた。カメラを持っていなかったらできなかった。内心は大変なことになっている。確かに観客は少ないけれどそんな…南極観測隊に群がるペンギンみたいなそんな…心のじゅんびが…

「く、来るんじゃない!近い!!むり!!」

という気持ちと

「うんうん、ファンの前での振る舞いはファンの前でしか身に付かないし緊張感大事だもんね!観客少ないし少しでも、ね。わかる」

という気持ちがせめぎあっていた。
私は力になりたい。だがファンサービスの過払い。
めっちゃ近くで動く推しと若い選手たち。

近い。

亀澤さんたちと一緒に中日ドラゴンズから来た杉山翔大捕手とアマチュアから来た三人の捕手(金子さん三好さん朝陽さん)が練習をしている。杉山選手がさくさくメニューをこなす横で三人の捕手はゼェゼェヒィヒィしてて体の強さが圧倒的でやっぱりNPBってすげえな。作ってきた体が違うんだな、と当時は思った。全員は無理だったけれど、当初の目的である知らない選手の写真をたくさん撮ることもできたし推しも過剰摂取したし練習終わったし帰ろう。帰って写真数枚だけスマホに取り込もう。私はホテルに帰った。

私は翌日も来た。気づいたら東風平に居た。ワープした。

オタクっていっつもこう!ランダム20種のうち1種しか出ていない推しのラバスト目当てですぐ大人買いをするし「仕事忙しいし金ないし、今回の舞台が今年の現地は最後かな」とか言いながらステージ上の推しからファンサを受けただけでなんか知らないけど来週のステージも客席にいるの。先週東京講演だったのに今週福岡講演なのにいるの。オタクっていっつもこう!

そこからは本当にやばかった。
オデ、東風平、住ム。
推しにファンサービスの手加減を求めたくなったし私の瞳孔は開いていたと思う。
ひょっとしたら辛い現実を生きる哀れなオタクの妄想だったかもしれないけれど、でも手元に写真は残っている。おかしい。

前日も写真を撮りながら驚くほど睫毛が長くてかわいらしい顔立ちの宮城清主選手を近距離で撮っていた。こんなかわいい顔してたらファン増えてまうわ~~😊微力ながら助太刀いたす😆📸とかオタク構文で思考を巡らしながらシャッターを切っていた。

そうしていたら、宮城選手を指導していた亀澤コーチに話しかけれた。こんなに幸せなことが起きるわけがなく私の妄想だった可能性もあるから詳しくは書かないが??なんか推しと会話した気がするぞ??幻だったかな??でも手元にそのとき撮った宮城くんの写真はある。

宮城清主 選手

そして私は翌日も東風平にいた。

当初の旅の予定では北谷をさらっと観て余裕を持ってレンタカーを返して空港に行くはずだった。そのために北谷の近くの宿を取っていたはずだった。
それなのに私は東風平にいる。ここからレンタカーショップまで一時間半かかるのに。オタクっていっつもそう!

しゃーない、もう惚れてしまった
正直でいよう。自分の人生だから。

我が旅行日程に悔いなし。

ギリギリまで東風平に居て予定通りの便で帰りました。こけら落としの試合のチケットも飛行機も予約した。
(コロナで無観客になっちゃって行けなかったけど。推しの健康が大事だもんね)

空港で手荷物検査を受けながら
(私は推しと会話したか?)
となったし
飛行機の気圧差に備えて耳を塞ぎながらも
(私は推しと会話したか?)
となったし
コロナ渦も
(私は二月に推しと会話したか?)

そればかりだった。
コロナ渦のせいで沖縄に行くどころか県外すら出られない。その結果として正気ではない癖にソーシャルディスタンスと三密回避などには徹底的にガチる人間が誕生した。GOサインが出たらいつでも行けるようにと。

以上。

これだけではなんなのでこれから東風平運動公園野球場に行くかもしれないみなさまへアドバイスを送りたいと思います。

東風平運動公園野球場

見晴らしがとてもいいです。晴れてたら最高ですね。

これは三塁側。ごらんの通りネットとかがない環境なので写真はとても撮りやすいですが、野球観戦が初めての方は他の球場に行ってスタンドに飛び込むファウルボールに慣れてから来た方がいいですね。
当たったら大変ですからね。ファウルボール。野球観戦玄人のみなさまをお気をつけてください。

こちらは三塁側の座席です。ごらんの通りなので

痔主

あるいは座ることに困難がある疾患の方はお気をつけください。

三塁側のバックネット裏近くの場所。

柵も低いですし安全な野球観戦という点からは少し外れているかな、と思うのでどなたさまも十分気をつけて観戦を楽しんでください。写真を撮るには最高ですが。

写真といえばめちゃめちゃに近いので私の場合は望遠ほとんど使いませんでした。だってこっち来るんだもん。カメラのレンズは望遠も使うときは使うけど近くを撮れるものもあったらいいと思います。

以上。

次回はなにを書こうか決めてはいませんがなにかは書きます。

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