社訓は会社とわたしの約束
改めて挑戦のし直しを決めた今年の1月。
2年前の3月、京都の大学を卒業してすぐに移住した長浜。
「面白い教育をする」と意気込み、友人と起業。
がむしゃらに走った1年半。
学生時代。
その当時の私の、全てを賭けて作った教育コミュニティは、起業に集中するために無期限活動停止。
一緒に作ってくれていた仲間たちは解散。
悔しい気持ちをグッと飲み込んで。
この会社で生きていく。この起業は成功させる。
相当な覚悟で挑んだ大きな大きな挑戦だった。
・・・
昨年の11月、方向性の違いから分社化を決断。
応援してくれた両親を泣かせ、友達から愛のあるお叱りを受け、親戚は腫れ物に触るように私の話を避ける。
そして、一番近くで頑張ってくれていた仲間を失った。
もう就職しようか。
私には生きるということがあまりにも難しいのかもしれない。
これから先、生きろと言われる方が辛い。
こんな出来損ないでごめんよ。
お誕生日真っ只中の私は、夜中の豊公園とマクドナルドを、レモン酎ハイ片手に行き来。
お金もない。家もない。仲間もいない。
一気に何もなくなったように感じた。
週末には飽きず、諦めずチャレンジするこどもたちの姿が。
会社を離れることになった。
当時、謎解きを作って販売するプロジェクトに挑戦してくれていた、こどもたちと保護者様。
毎週日曜日になると、朝から謎解きを作るためにまちづくりセンターに、小学生が集まってきてくれる。
月謝をいただいているし、まちづくりセンターは予約しているし、なんといってもこどもたちが必死にチャレンジしているから、日曜日だけはなんとかして開講しなくてはならないという使命感があった。
心身はボロボロ、という言葉では片付かないほどズタズタで。
睡眠はほぼとれていない。ご飯もろくに食べていない。
でも、そんなことを悟られてはダメなんです。
だって先生なんだもん。
さな先生はいつだって元気で、前向きなんだ。
なんて自分に言い聞かせながら現場に立つ。
朝は憂鬱で。
このまま琵琶湖を眺めていたい。
そんな気持ちを蹴飛ばして、まちづくりセンターに向かう。
「おはようございま〜す」
元気な挨拶と共に、満面の笑みでこどもたちがやってくる。
あの顔を見ると、なんでも良くなっちゃうんだよね。不思議。
今日はどんなチャレンジができるんだろう。
今日はどこまで進むんだろう。
早く完成させたいな。
そんなワクワクが滲み出ちゃってる、いい表情をして来てくれる。
「もうこの子ったら週末が楽しみで、あと何回寝たらラボなの?なんていうです。」と保護者様。
あぁ、今日もここにきてよかった。
毎回、そう思わせてくれる。
こんなにも楽しみにしてくれているみんなに、私が退職すること、この教室が存続できるかどうかは全く見当がつかないことなんて、伝えれるわけがない。
この場はなんとしてでも守りたい。育てていきたい。
生きるなんてことから逃げたかった私を、少し前向きにさせてくれたのは、こどもたちと保護者様でした。
怖い。けど進まなきゃ。
2回連続で起業に失敗。
いや、小さな起業を学生時代から繰り返していたから、実際はもっともっと作っては失敗している。
起業なんて向いていないんだろう。
だって、小さい時から勉強なんてできなかったし、人と関わることは大好きだけど、うまくはできなかったし、突出した才能なんてないし。
お前は社会を知らなすぎる。
耳にタコができるほど言われた。
なんだよ社会って。
平日はふつうに就職して、お金を稼いで、余力で教室を続ける?
怖いからね。
私は社会を知らないからね。
でもそんな中途半端なことで、教室を続けることはできない。
だって、これまで教室をやってきて、片手間でできるようなプロダクトじゃないことくらい知ってるから。
こどもたちの貴重な時間をもらって、保護者様が汗水流して稼いだお金を頂戴して、いろんな期待を背負って運営できている教室。
やると決めたんだったらとことんやれや自分。
ほんで、やると決めたんだったら最後まで走りきれや。
言い出しっぺが揺れてたら、誰もついてこれねーだろーが。
怖いけど。この場所を守るって決めたんだ。
進まなきゃ。
会社を作るとき、はじめにやったこと
もうやるって決めたんで。
「あんたなんかが1人でできるの?無理でしょ。もうやめなさい。」
うん。私は1人では何もできない。
足らずがあまりに多すぎる。
スケジュールの管理は下手くそだし、事前の準備とか超苦手だし、道わかんないし、ワクワクするもんなんでもやってみたいし、気が乗らないことはやりたくない。
ゴールが見えると、走りたくなくなっちゃったりもする。
そんな奴が、1人で起業なんてできっこない。
ってことは、仲間が必要。
いろんな人に応援してもらって、支えてもらえるよな会社にしなきゃいけない。
会社を作ると決めてからやったことは、会社のミッションと社訓を決めること。
会社の名前は、私がこっそり1人でやっていたデザインの活動名そのままを採用。
会社のミッションか。
この会社自体、私が生きることを諦めそうになったことがきっかけ。
こどもたちのチャレンジが、私の新たなチャレンジを産んでくれた。
チャレンジは、生きるきっかけになるのかもしれない。
現に、私は生きることを選んでいる。
自らこの世と別れを告げる人が後を絶たない日本。
未来を指差し、空を見上げ夢を語れば笑われ、叩かれる現代。
キラキラしている大人たちが後ろ指を刺されるこの社会を次世代に残していいのだろうか。
チャレンジがもっと面白くなるように、私たちができることは…?
・・・
クリエイティブだ!!!
いつだって新しい挑戦をするときに必要になるクリエイティブ。
例えば、イベントを打とうと思ったらチラシが必要。場合によってはランディングページやホームページが必要。
どんなにいいプロダクトを作っても、知ってもらわなくては意味がない。
SNSはここ最近のチャレンジに必要不可欠な存在になってきている。
そして、ちょうど私は学生時代から動画編集やデザインの仕事を請け負っていた。
私のできることで、挑戦をサポートできるかもしれない。
クリエティブの力で挑戦をもっと面白く。
これがcrevus designのミッション。
面白い挑戦が面白い街を作り、より明るい未来へ誘う。
さぁ、じゃあこのミッションに対して私たちはどう向き合うか。
チャレンジは関わるみんなが幸せでなくてはいけないと思う。
どんなにいいことをしていても、誰かに負担がかかったり、誰かを傷つけてしまうようなチャレンジは続かない。
幸せに挑戦
やはり、チャレンジは関わるみんなが幸せであってほしいと思う。
お仕事をする上でのキーワードは「幸せに挑戦」
この言葉をいつも胸に、仕事と向き合おう。
このお仕事をすることで、お客様は幸せになってくれるのだろうか。
このクリエイティブはお客様の先のお客様を幸せにすることができるのだろうか。
そして、我々チームは幸せに働くことができる仕事なのだろうか。
いつもいつも、幸せに挑戦できているか自問し仕事と向き合おうと決めた。
素早く丁寧に
私たちは若い。経験値も低い。
周りの経営者さんたちや、デザイナーさんたちとは圧倒的な差がある。
他と比べて足りていない経験と知識。
でも、求められることは一緒。
お仕事でさせていただく以上は、プロとしてのアウトプットが求められる。
今のトレンドをしっかりキャッチしながら、基礎基本を押さえた課題解決ど真ん中のクリエイティブが求められる。
私たちのような若い集団のベンチャーができることは…
フットワークの軽さだ!
時間をかけてゆっくりじっくり、いいものを作る。
なんてものはきっと、我々に求められていることではない。
私たちは素早く動き出し、納品する。
でも、丁寧に。
決める→動く
怖いけど起業するんだと決めた1月。
人生なんてもんは選択の連続なんだろうと思う。
うかうか迷っている間にも時間は過ぎる。
せっかくチャレンジすると決めたんだ。
決断して、動き出す。
このプロセスは一生ついて回るんだろうな。
できる方法を考える
何かチャレンジしようと思ったとき、考えなくてもできない理由なんてドシドシ湧いてくる。
でもさ、幸せに挑戦する会社なんでしょ?
できる方法を考えて、やってみればいいんじゃないかな?
きっとできるから。
要するに、前向きにお仕事と向き合っていきたいということ。
全てに感謝
これが一番大事。
私たちが1人で、一社でできることなんて何もない。
必ずどこかで誰かが支えてくれて、応援してくれている。
いつだって、どんなことにだって感謝を忘れてはいけない。
全てに感謝。全て有難い。
チームメンバーと、地域と、お客様とみんなで作る会社
私はあくまでもcrevus designの一員であって、私がcrevus designな訳ではない。
私も含めたチームメンバーと、いつもあたたかく私たちの不恰好なチャレンジに手を差し伸べてくださる、地域の皆様とお客様。
みんなで駆け抜けた8ヶ月。
あっという間だった。
できたことも、できていないこともたくさんある。
毎月「来月は今月よりちょっと落ち着く!」なんて言いながら、忙しさは毎月更新。有難い。
お客様やメンバーとのやりとりに一喜一憂する日々ですが、私は毎日幸せです。
やるせなさを感じることも少なくありませんが、これもチャレンジできている証だと思うと、痛くはありません。
あのとき、生きることと向き合って、たくさんの方がここまで一緒に走ってくださったから今の私が、そしてcreuvsがあります。
大勝負、夏休みが終わったので少し原点回帰してみました。
いつも本当にありがとうございます。
至らない点も多いかと思いますが、これからも不恰好ながらに全力で走って参ります。
どうか、温かい目で見守りつつ、一緒に走ってやっていただけると幸いです。
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