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雑感 144  知事選挙で思った事。

雑感 144  知事選挙で思った事。

 先日、東京都知事選挙がありました。
 2期8年の現職が圧倒的な得票で再選されています。
 2番手に、YOUTUBEで有名な地方都市の元市長(同県内)が入り、大健闘だと報道では持ち上げていましたが、当の本人は嬉しそうではありませんでした。
 一人しか選ばれない選挙ですから、2番でも3番でも同じ事のようです。
 『2番じゃ駄目なんですか?』の方は3番目でした。
 順番や得票数は今回の選挙ではすでに無意味です。次の何かしらの選挙の指標にはなるのかもしれません。
 2番手の方に報道各社は、国政の衆議院や地元県知事への意欲を聞き、「次に注目させて頂きますよ。なんせ視聴率が稼げそうですから。」と、次回に繋げようと持ち上げたり宥めたりと必死でしたね。
 2番手の方は、物凄く面倒臭そうでした。気持ちは分からないではありませんが、一緒に働くとか傍にいなくて幸いです。【あんた自身が面倒臭いんじゃい。】と心が勝手に呟いています。

 リーダーの大切な能力は何だろう、、、と常々考えていました。
 発想力や計画立案能力、実行力やリーダーシップ、問題解決能力や突破力など期待する人の数だけありそうです。
 私自身は、調整能力じゃないかと思っています。今のところですが。

 民主主義の基本は多数決って昔、習ったと思うのですが、それは最後の方法ですよね。
 それまでは、ありとあらゆる人の意見を聞き、事情や優先順位を考えた上で採決とし、決定後はみんなでベクトルを合わせ実行しようとしますよね。
 少数意見の尊重とか言うそうです。少数意見の優先ではありません。

 今までの慣習や慣例を踏襲する事も大切です。新しい方法とか改革とかも必要です。
 慣習や慣例の内部には、既得権益の様な利益や将来の収入予定を含んでいます。
 改革とやらで、既得権益を脅かされるとすると誰だって抵抗します。反発します。反抗します。場合によっては暴力にまで発展します。
 そうなる事が予想できる中で、『改革です。既得権益の打破、没収です。』と叫べばどうなるでしょうか?
 それを10年くらい前に、パフォーマンスとしてバラエティー演出したタレント政治家さんがいらっしゃいました。『2番じゃ駄目なんですか?』の方ですよね。
 舞台の上で、悪人を触れ臥させる天下の副将軍よろしく、襟を立てたお召し物で立ち回りをされていました。
 実際には改革とまでは行かず、お茶を濁す程度だったと聞き及んでいます。

 東京都民の方々には今、住んでいるだけで既得権益が生じていると思われます。
 経済や文化の中心、発信元として手を伸ばせば届く所にそれがある。
 常に新しく、ワクワクするものが生れ育まれる地盤も風土もある。
 東京にある企業に勤務する事で、地方企業の給料に対し数割増しの支給が確実にあるし。(住居費や物価が高い事が理由で、社内規定や規則からそう謳われている企業が多い様です。)
 自分で起業しても、顧客は東京で大体見つかるし、地方へ出向いても『東京から参りました。』でマウント取れます。(最近流行ってるんですよ。で会話を強引に進められます。カタカナ一杯使って。)

 選挙期間中にテレビを見て、水利権の事を思い出しました。
 自分家の前に流れる水路の水を掬い、自分家の畑の野菜にあげたとすると、それは窃盗、盗みになります。
 自分ちの敷地内に降った雨を溜めてそれを使ったら、盗みにはなりません。
 水路を流れる水に水利権があるからです。勝手に取ってはいけないのです。取れば盗った事になります。
 取った水の量が少なければ、大目に見て許して貰える事の方が多いのですが、渇水の時は過敏になります。
 過剰なまでの過敏さが、盗った人への報復、殺傷に至るケースもその昔、あったそうです。
 誰がどのように解決したのでしょう。
 村の名主、寺の住職、お代官様、国のお殿様などの”権威”が双方の意見を聞きます。
 一定数の使用料を払うとか、水路の川上に自分たちの溜池を作り同じ水路へ流す事で、双方が利用できるようにするとかの案をだします。
 双方の意見が出尽くすまでそれを聞き、最終的に『この件は私に預けてくれ。その上でこうしようじゃないか。』と決定を下します。
 双方の意見が出尽くしているので、対立を終らせる為にはその権威に委ねるのが納得する解決策となります。

 3期目の現職知事は、そのような調整に長けている。もしくは他の誰よりもそうゆう結果へ導いてくれると、有権者に認識されたのではないでしょうか。東京都民にです。
 2番手の方は、調整能力にちょっと疑問が、、、言ってる事は正しいとは思うけど、、、正論は正道とは限んないし。
 3番手の方は、調整すら出来ねえべ。口ばっかしのパフォーマーじゃん。と思われたのかも、、、
 4番手以降の方々は、、、、、。

 既得権益の打破を掲げ改革を進める為には、代替の利益の掲示と見かけ上の悪人退治の演出が不可欠だと思います。
 3期目の方も最初はそうされていましたよね。

 あと、少子高齢化問題については皆さん、当たり障りの無い補助やサポートの充実を話していましたっけ。
 子供さんの増加は東京都の場合、住居の問題で解決するのではないかと思います。
 住居費や光熱費の子供さんの人数見合いでの補助とか、所得税や住民税の軽減でしょう。
 高齢化問題は、高齢者の地方移住促進かもしれないですね。
 独居高齢者の住居も、都やデベロッパーが買い上げれば再開発は進むし、そこへ若い夫婦を優先入居出来れば良いのではないかと思います。
 もちろん東京都に限っての解決策ですけど。
 地方でも、都市部と山間部で類似の政策で、同様な効果が出るのではないでしょうか?

 地方の活性化や山間過疎地の有効活用とか、、、、絵に描いた餅です。
 人は動きます。楽しい所へと向かいます。稼げるところへ移ります。
 地方や山間過疎地は高齢者のみでも良いのです。
 皆さん、本当はそう思っていても口にはしないだけで、、、、

 それを政治の失敗と言うのは、「自分は正しく、間違っているのは貴方だ。」と喚き散らす一部の方々ですよ。
 
 分別ある大人の皆さまは、自信の運命や宿命を粛々と受け入れながら、悠々自適に死出の旅路へと向かいましょう。

 政治が悪いのではなく、生きてきた自分たちがそう願った結果が、今の東京だと思います。

 ではまた、ごきげんよう。
 やまとやじろべえ でした。

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