【エンジニアの道は果てしない】エンジニアもコミュニケーション能力はやはり必要…と思う ある5人のエピソード
こんにちは。すうちです。
最近本屋で見る書籍やnoteでも人間関係の話題をよく見かけます。
私も長年エンジニアとして働いてますが、振り返るとコミュニケーション能力って、やっぱ大事かもと思いあたることがありました。
今回は、ある5人のエピソードを書きたいと思います。
ちなみに、私がnoteをやっている事は、家族にも誰にも伝えてませんが、さすがに名前を出すのは躊躇われるのでコードネームで記載します。
※タイトル画像はnouchiさんです。ありがとうございます。
コードネーム:山の天気は読みにくいH
エンジニアとして働き3年が過ぎた頃、移動した部署にいたHさんは頭脳明晰な方だった。ただ、完璧主義というか仕事に厳しく、厄介なのは山の天気のように気分が変わりやすい所だった。
Hさんが忙しい時や機嫌が悪い時に声をかけると、ひどく説教されたり、依頼内容のツッコミを受けて逆に宿題を持ち帰る羽目になることもあった。
若手は、Hさんの機嫌を伺いつつタイミングを見計らって仕事で必要な情報を引き出したり、上手くお願い事ができると一人前と周りから言われていた(これって何の能力だろうか…笑)。
私も最初は撃沈することもあったが、次第に「いまHさんは機嫌が悪そうだから、この依頼は後にしよう」と判断できるようになった。
まあ、人には気分や仕事の優先度もある訳で「自分の都合だけで動くよりは時には相手の事を思いやる気持ちも必要だよな」という事をこの頃に学んだ。
しかし、Hさんの機嫌など気にせず、毎回果敢に突っ込んで地雷を踏み続けてた人がいた。猪突猛進の切り込み隊長Tさんである。
コードネーム:猪突猛進の切り込み隊長T
Tさんは自分のタイミングで仕事を進める人だった。思った時が吉日と言わんばかりに、Hさんにも同じ対応だった。当時Tさんと私の席は近かったが、大抵1日に1回はドカーンと地雷を踏んだ音が鳴り響いていた。
「Tさん、今は行ってはいけない」という私の心の声は届くことなく、Tさんは毎日果敢にHさんに正面から突入して撃沈していた。
Tさんは、ある意味まっすぐな性格なのだろう。それもあって仕事以外で話すと面白い話題が尽きない方だった。
そんなTさんも数年も経つと流石にHさんとの間合いというか上手くいくコミュニケーション能力を身につけたのか、次第にHさんに可愛がられる存在になっていた。ある意味、師弟のような間柄に見えた時は少し羨ましく思ったものだ。
コードネーム:滑り台をスベる巨人J
初めて炎上案件に投入された時、Jさんはそこでリーダの立場だった。炎上してたので、Jさんは上司や顧客から毎日キツイことを言われていたが、若手には休憩時間や食事の時など、毎日下らないオヤジギャグや仕事と関係ない話ばかりしていた。
当時若かった私は、心の中で「よく毎日こんな下らないこと思いついて滑りまくるな…」というのが巨人Jさんの最初の印象だった。
ただ、ふとある時「Jさんはこの雰囲気の悪い修羅場を和ませるために、若手に気を配っているのかもしれない」と気づいた。
実際、私も最初「早くこの場から抜けたい」と思っていたが、Jさんのフォローのおかげで次第にそこでできる事も増えて「もうちょっと頑張ってみようかな」と少し前向きな気持ちで仕事に取り組めるようになっていた。
数年後、会社の早期退職の募集があり、Jさんはそれに手を挙げた。
本人の送別会で「Jさんがあの時下らないギャグを飛ばしてたのは場を和ませるためだったんですよね?」と話したら、Jさんは何も言わずただ微笑んでいた。
Jさんとのやり取りがなかったら、あの場が辛くて自分はエンジニアを辞めてたかもしれない。
コードネーム:インドアな読書家D
Dさんは少し年上で、私がやってたプロジェクトに後から参加してきた。見た目は大人しめで休みの日も外に出ないインドアな読書家な印象だった(実際かなりの読書家だった)。
進捗会議でDさんは言葉少なげだったが、担当者の進捗や前週に宣言したことをメモしていて「前回はこう言われてましたが、その後の進捗やあの件はどうなりましたか?」など、失礼ながら見た目に反してできる方だった。
今思えば当たり前のフォローだが、当時の私はこういう最低限のことも十分にできていなかった。
プロジェクトの途中で、私は炎上案件に投入され、残りの開発はDさんに引き継ぐことになったが、結果、製品化までやりとげられていた。
ここからは余談だが、Dさんは物静かに見えて天然というか、ちょっとしたトラブルを起こす方でもあった。よくモノをなくしたりケガをするとかそういう類だ。
数年後、Dさんの海外赴任が決まって壮行会が開かれた。その場で「来週から海外で頑張ってきます!!」と決意表明して周りの方と挨拶を交わしていた。私も「しばらくDさんと会えなくなるな…」と、その時は思っていた。
翌週、Dさんとはあっけなく再会した。Dさんは重たそうなギブスを巻いた足を引きずりながら出社してきた。どうやら壮行会から帰る途中、店の階段で足を踏み外して骨折したらしいのだ。
そして、Dさんの海外赴任は3ヶ月延期された…
「人の不幸を笑ってはいけない」と親に教えられたが、この時ばかりは大変申し訳ないと思うけれども、Dさんの姿が頭の中で何度もリピートされ、午前中、肩が震えて仕事にならなかった。
コードネーム:孤高の天才A
今回のタイトル「コミュニケーション能力は必要…と思う」とぼかして書いたのは例外もいたからで、それは孤高の天才Aさんだ。
Aさんは私より年下だったが、無愛想であまり感情を表に出すこともなく一人で黙々と仕事をする。メールも冷たい印象で上司や顧客にも遠慮なくズバズバ言う方だった。ただ、仕事は目茶苦茶できて優秀だったので、若手ながら数年で信頼を得てプロジェクトに欠かせない存在になっていた。
正直コミュニケーションが上手いとは思えなかったので、例外もあると言いたかったのだが、思い返すとAさんの上司は冒頭のHさんだった。それにも関わらず一度も地雷を踏んだ音を聞いたことがない。
その意味では、Aさんは少なくとも私やTさん以上の優れたコミュニケーション能力の持ち主かもしれないと思い直した。
最後に
本日の結びとして、エンジニアもやはりコミュニケーション能力は必要というのが、私なりの結論です。
今回の皆さんは、仕事で一緒に働いてお世話になった方々ばかりです。私の記憶に基づく見解になりますが、少しだけ話は誇張していると申し添えておきます…笑
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。