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【読書感想】冒険の書 AI時代のアンラーニングを読んで、今までの当たり前を疑う視点と未来への期待

こんにちは。すうちです。

世間より少し早め?の休暇に入りました。ただ、今年は家族の予定が合わず遠出することもないので、観たかった映画や積読本を一気に消化する予定です。

本題です。少し前に話題になってた『冒険の書 AI時代のアンラーニング』を読み終えました。

今回は、そのピンポイントな感想です。

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※タイトル画像:野瀬奈緒美さん


『冒険の書 AI時代のアンラーニング』感想

孫 泰蔵 (著)


全体所感

現在の学校教育に対する著者の「問い」から教育の歴史や仕組みを作った創始者(思想家)の視点を辿りながら、著者がこれからの教育のあるべき姿を思考していく、というのが全体の流れです。

本書を読んで、時代の大きな変化に対応できてない教育システムや社会の評価基準(今まで疑いもなく持ってた考え)が、子供の世界をどんどん窮屈にしている?親や社会の価値観が子供の可能性を狭めている?と感じました。

一方、著者が提唱する「あるべき姿」に共感した部分は多くありましたが、じゃあ具体的にどう変えていくか?どういう仕組みでそれを実現するか?については、個人的に物足りない所(もう少し知りたい気持ち)もありました。


新しい気づき

一つは、昔は「子供」の概念はなかったという話です。言われてみると昔は児童労働が今より世界に多くあった訳で子供も生活を支える一員として期待されてた話が思い浮かびました(アニメで例えると、ラピュタのパズーや鬼滅の刃の炭治郎も今の時代に生きてたら働いてないはず…)。

今の教育は子供は守るべき存在という考えから、義務教育が生まれたり子供と大人の間に境が出来たというのは、人類の長い歴史から見ると比較的最近なんだなと知りました。

次に能力や才能は単なる幻想という話。能力主義が学歴社会を生み、親が子供が学校に行くのは当たり前と考えたり、将来への不安から教育を重視しすぎることで子供がのびのび生きられないこともあるなど。能力評価がかえって差別やいじめに繋がることもあると思いました。

人の成功体験は注目されやすいですが、成功に至る過程では多くの失敗もある訳でたまたま上手くいった時は周りは「能力がある」「才能がある」と言い、上手くいってない時は正反対のことを言う。

これは確かに自分にも思い当たる節もあり、人は単に結果だけをみて言っているだけという話は、他人の評価や能力の定義の曖昧さを感じます。

もう一つは「一人で生きていく」の考え方の違い。

少し前にnoteで、将来子供に期待する個人的な願いを書きました。

子供が自立して生きていけることを意図した想いでしたが、よく考えると自分一人の力で生きている人はいない訳で、間接的にも色んな人の支えがあって成り立っていると思います。

著者はもっと柔軟で「生きていくのに年齢関係なく色んな人に頼ってもいい(助けてもらう)」という考えは、自分一人で何とかしようとするより、誰にでも頼っていいと考える方が気分的に楽だなと思い直しました。


個人的にもっと知りたかったこと

著者が言いたいことは、学校や年齢の枠を外して、本人の好きや興味から自然と学びを引き出す教育をすべきと解釈しました。

「現在の教育システムは時代に合わない」が正しいとして「ではどういうシステムなら良いのか?」という解決のアイデアをもっと聞きたかったです。

この点は補足的な話はありましたが、具体的にはあまり書いてないように感じました。

ただ、これも他者から答えをもらおうとしていることが間違いかもしれません。著者の問題提起に沿って一人一人がその答えを考えるべきという捉え方もできます。

別の視点では、著者は具体的な解決策を既に持っているかもしれませんが「将来的にそういう場所を作っていきたい」とも語っていて、まだ道半ばなのかなと思いました(これからビジネスを考えていて、今は公にできないなども…)。


最後に

本書は、教育を軸にした話でしたが、著者の理想を実現するには、教育の仕組みだけでなく、社会全体の意識が変わらないと中々難しいとも思いました。

例えば、学校に行かせず子供に好きなことだけさせる選択は、今の時代ゲームやスマホどっぷりの生活も予想されて依存症の問題もある中、親として一般の道から外れる選択はかなり勇気がいります。

また学校という場所も、いじめなど子供の居場所がない場合は論外として、ある意味社会の縮図で他者と関わり耐性を鍛える場でもあると思います。それ抜きに子供が好きだけを選択して社会に出た場合、やっていけるのか?という不安も親として残ります。

著者の理想的な学びの場は、子供を一人の人間として接する(子供扱いしない)とも言っていて、遊びや興味から学べる場所を作る構想にも思えます。

すぐに実現できる話ではないかもしれませんが、社会全体の意識が変わり学校だけが教育の場ではない。学校以外に子供が色んな選択で学べる時代になるのであれば、個人的にそういう未来に期待してしまいます。

その意味では、今まで当たり前と思ってた親世代(上の世代)の価値観を見直すきっかけや、自分との考えの違いを認識する目的で本書を読むのは良い気がしました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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