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goodryoko
【エッセイ】キャンディケインを倒して進む
クリスマスの季節になるとよく見かける、白と赤が寄り合わさった杖型のお菓子をキャンディケインというらしい。
羊飼いの杖を模したそれは、一説には「迷える子羊たちを導く」という意味が込められているようだ。
杖といえば、幼い頃の冒険に欠かせなかった木の枝を思い出す。
自分の肩に届くほどの長くて手頃な太さの枝を探してきて、それを片手に林や小道を探検したものだ。
道が分かれると、その中心に立って枝を真っ直ぐ地面に突き立て、手を離す。
枝が指し示した先が、進むべき道になるというわけだ。
まさに、枝という名の杖に導き手に、冒険を楽しんでいた。
成長するにつれ、そんな運任せな方法で選択をすることはなくなってしまったけれど、今度知らない街を散策するときに、使ってみるのは楽しいかもしれない。