千と千尋の神隠し
場面写を自由に使わせてもらえるっていいですね。動画を担当したカットです。確か。お父さんのこの足の角度に見覚えがあります。
長編参加は初で、動画をやっていました。斜め俯瞰の歩きと階段から始まり、後半は重いもの(描くのに時間がかかるもの)もやってました。
覚えている重いもの2点。
手前から奥へ波が向かい、リンが「せーん!大丈夫かー?!」というカットです。リンは目元が同トレス*かつ、台詞の口パク*と髪のなびき*。
*同トレスは「同じように正確になぞって(トレースして)描いてください」の意味。
*口を開け閉めする事を「くちパク」という。
*髪や服などが風になびく動きのこと。
顔の面積は親指の爪くらいでした。その中の目と眉と鼻と鼻の穴を、トレスします。10枚ほどありましたが、全て同じに見えるように。線の角度、長さ、細心の注意を払って描きました。
描き終えたら、原画さんにチェックをしてもらいます。(ジブリでは原画アニメーターは自分のカットの動画チェックをします)
パラパラと紙をめくりながらチェックする原画さんの横で待っていると、その人が笑いました。
何かと思って訊くと、「同じ顔だから」と。
同トレス10枚が同じ顔だったのが、可笑しかったようです。
驚いたけど、気をつけて描いていたので嬉しかった出来事でした。
もうひとつの重いカットは、またの機会に。
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