見出し画像

副業禁止でもプライベートな自己実現の自由が認められるべき理由

日本の悪しき慣習と闘うさとみんヽ(*´ー`*)ノ今回はちょっと挑戦的な正論で啓蒙します。

世間一般に、会社員は会社という組織のなかで皆が足並みをそろえて働くのが当たり前と考えられています。この考え方はいささか間違いではありませんが、会社に所属するために、個々のアイデンティティーを犠牲にして自己実現の自由までもが制約されてしまっているのが狭量な日本企業の特徴です。本記事では、副業禁止と自己実現の問題に触れながら、仕事で自己実現はすべきか、自己実現を禁止してしまうと何が起きるか、会社員のジレンマを再考し、脱サラのないよりよい社会をつくるための一助となれば幸いです。

自己実現とは

まずはじめに、みなさんは「自己実現」という言葉を聞いたことはありますか?やや難しい言葉のように捉えられてしまいがちですが、おおむね[食欲や生理的欲求]➔[安心して暮らすための欲求]➔[社会的欲求]➔[承認欲求]➔それらを超えた先の欲求とでも認識いただければ簡単です。自己実現とは、ひとことでいえば「〝なりたい自分になり、活動の場を手に入れる〟」ということです。

マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を階層で理論化しました。それが欲求5階層論です。

⚫︎自己実現の欲求 (Self-actualization)
⚫︎承認(尊重)の欲求 (Esteem)
⚫︎社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
⚫︎安全の欲求 (Safety needs)
⚫︎生理的欲求 (Physiological needs)

ja.m.wikipedia.org/wiki/自己実現理論より引用
欲求5階層論

自己実現とは、この図の5段階目のことで、「偽りのない自分の姿で好きなことをして、それが社会貢献につながる状態」のことを指します。ぼくの場合は、アダルトでの活動に加え、社会的にも貢献するために本名で記事への寄稿もしているため、「社会的欲求(Social needs)」「承認(尊重)の欲求(Esteem)」を飛び越え、すでに自己実現を果たしている状態といえます。

記事に書き起こしたきっかけ

ぼくは小6のころ両親と他界したことを境に一般家庭ではない特殊な環境で育ち、実家もないため高校卒業後は社員寮のある派遣会社へ就職しました。しかし、施設育ちで親兄弟などの親類がいないことを理由に2ヶ月おきに転勤(いわゆる転勤族・渡航組)を余儀なくされたため、学生時代の友だちとも連絡が途絶えてしまい、社内に密接な仲間もつくれず人間関係も希薄となり、天涯孤独ゆえに人生になにも残せていない空虚感がありました。そのどうしようもない空虚感を忘却するため会社へ貢献し、職業上の功績をおさめて慕われる人間になることで自分の居場所を確立しようと仕事に尽力し、東日本大震災後の疎開地域の工場へも渡航してステンレスの鉄くずと切削油まみれになりながら12時間働きました(手足も荒れ頭も禿げました)。しかし、派遣先の工場の現場以外では適切な評価がなされないまま2ヶ月おきに派遣先を変えられてしまい、派遣会社で働くにつれ自分の中の言い表しがたい空虚感は次第に肥大化していきました。あるとき会社の広告に社員ではない社外モデルがおろしたての作業着をまとって笑顔で起用されていたのを見たとき、その感情は羨望や憎悪や嫉妬心よりもはるかに根深い感情となって頂点に達しました。

それは『生き方に対する疑問』でした。

「帽子と無塵服で、顔も隠れる状態で12時間労働して、生きている意味がないと思って。どんなに会社で頑張っても名前すら残らない。そんなのおかしいんじゃないのかと思いはじめたんです。そんなときにネット上で男の娘が活躍しているのを見て、『この人たちは自分を確立して生きている』と思い、

AV女優になることを決意しました。

光文社『男娼』中塩智恵子/著より引用

その結果、ソーシャルメディアに写真を載せ、インターネット上での自己実現を果たして活躍の場を手に入れることができたものの、これまで勤めてきた派遣会社を辞める運びとなりました。AV女優をしている社員がいることが取引先にバレると、悪いことをしていないのに都合が悪くなるというのが日本企業の悪いところです。AV女優に対する庶民感覚は「AV=セックスでお金を稼ぐ」といった粗末な手段に捉えられてしまうため健全な仕事ではないと思われてしまいますが、他人の死を間近で見たり生命の危機に直面した人は人生を尊く思えるので活動家や表現者になります。ぼくも失ってばかりで、人生になにも残せていないので生きた証を残すための切実な動機でした。
ぼくがAV女優になる前、派遣会社の広告へもなんらかの形で起用されるチャンスがあったのなら結果は違っていたかもしれませんが・・・製品のPRや会社のIRで起用できる枠は限られているため、すべての社員が表舞台に立てる活躍の場(自己実現できる場)を与えられているわけではありませんので、現実的にしかたのないことですが、工場労働者ではない社外モデルやスーツのお偉方ばかりが起用されることは意外にも多いので憧れたり感化されてもしかたないですよね。これまで会社のために尽力してきたのに、会社の広告に社員ではない社外モデルがおろしたての作業着をまとって笑顔で起用されていたら、誰だって同じ疎外感を覚えるはずです。

そもそも仕事で自己実現はすべきか?

Googleの検索結果では、「仕事上で必要とする自己実現とは - agentgate」「自己実現型社員」「自己実現しないと成長できない」「マズローの欲求5段階説(自己実現理論)を仕事やビジネスで活用する方法 - Indeed」など、まるで自己実現を仕事の一部とでも勘違いしているような記事や自己実現を餌にモチベーションを高めようとする経営者プロフェッショナリズムに基づいた支配的な記事が目立ちます。しかしそんな中でも正論の方々のコラム記事は総じて「サラリーマンが仕事で自己実現を目指してはいけない(間違っている)」という意見のほうが圧倒的多数のため、会社から求められる広報ニーズとマッチしていない限りはサラリーマンは仕事で自己実現を目指すべきではないのだと考えられます。なぜなら、製造業であれ、サービス業であれ、すべての社員が表舞台に立てる活躍の場(自己実現できる場)を与えられているわけではありませんので「仕事とはお金を稼ぐ手段でしかない」ためです。また、どんなに会社で功績を残しても会社をリストラされたり定年退職を余儀なくされれば、会長や社長でもない限り自己実現によって築き上げた主体そのものが強制的に剥奪されてしまい、会社を辞めて数年もすれば会社にいたことすらも忘れ去られてしまうため、仕事で自己実現を果たすことなど到底不可能です。

そうであれば、プライベートな社外活動の自由(自己実現)くらいは認められるのが筋ではないでしょうか。こうした挑戦的なことを考えながら記事に書き起こしました。


さて、本題に入ります。

なぜ会社員は自己実現が不可能なのか?

サラリーマンは家畜(社畜)といわんばかりに一日の大半を会社で働き、人生のうち多くの時間を拘束され、拘束されている時間は給与が発生するため常に働いています。場合によっては残業をして一日の成果を残します。それで成果に応じた給与や賞与が支払われ、たまに昇給や昇進の機会が与えられます。製造業でも数年勤続していれば、社内で合理的に昇進昇格の機会が与えられます。しかしそれとは引き換えに、社外での自由な活動を制限されたり、名前や顔を出して活動する自由が制約されたりしている方も大勢います。また、日本人の多くは自己実現しようにも社内にしか居場所がない人も多いため、ぼくのように街中でおかまいなしに自撮りをしまくる特殊なケースを除いては自己実現などほぼ不可能です。

荒金さとみ池袋駅にて
おかまいなしに自撮りをするさとみん😈

リーマンショック以降は非正規雇用の拡大で大勢の労働者が溢れ、派遣会社では適切な評価もなされないため、従業員が疎外感を覚えることも少なくありません。近年ではスマートフォンの普及にともないインターネットも盛んになったため、そうした人たちがフェイスブックやツイッターランドに集い、自己実現欲求は益々強くなっているといえます。

自己実現が可能な職業とそうでない職業

自己実現が可能な職業
記者・ライターなど文筆家
弁護士・著名人・政治家など公人
芸能人・文化人・会社経営者など
主に自分の実績を形として生涯残せる職業

自己実現が難しい職業
配達員・作業員・派遣社員・製造スタッフ
サラリーマンなど一般的な作業系の職業
会社員でも役員など、広報の発信側は例外的に自己実現が可能といえる。

どうすれば会社員でも自己実現が可能になるか?なぜ脱サラが起きるのか?

一般的な職業では自己実現の機会はほとんど与えられていません。製造業でたとえるとわかりやすいですが、製品をつくる生産者から生産物を切り離して市場に流通させる仕組み上、製品はいずれメーカーや小売店が販売する品物となるため、製品に各自の個性を詰め込むことなどできないので現実的に疎外は免れません。つまり、製造業は自己実現の機会を与えられていない職業といえます。職業上で自己実現の機会が与えられていないため、活躍の場をみつけたり、人生になにかの価値を残すにはプライベートな社外活動で実現していくしか方法はありません。

製造業でも例外的に会社の広報PRへ載ることも可能ではあるものの、載れるのはごく一握りの社員です。
2007年ごろ、ぼくが働いていた派遣会社日本ソフト工業の広告には、社員ではない社外モデルがおろしたての作業着でテレビCMに起用されていたのをみて疎外感を覚えたこともありますが、ぼくは会社とはそんなものだという一つの妥協点を見い出せたので、就業時間外の社外活動でセルフポートレートなどをはじめ夜職から協力してもらい自己実現をはじめることができました。
この辺は経営人事のかたにも考えていただきたいことですが、現実的にすべての社員が表舞台に立てる活躍の場(自己実現できる場)を与えられているわけではないということを正しく理解しておけば、仕事は仕事、趣味は趣味として割り切ることができるので合理的だと思います。

しかしむしろ、会社と社員のどちらがそれを割り切れていないのかといえば、社員のプライベートな社外活動にまで口酸っぱく忠告する狭量な日本企業のほうではないでしょうか。若者に社外活動の禁止を求め、会社が必要な時にしか各自の個性を発揮する自由を認めず、広報枠から外れてしまった社員がインターネットで派手なことをしていようものなら訓告➔譴責➔諭旨と、出る杭を打つような日本企業の保守的な体質こそが脱サラを招いている原因ではないでしょうか。

プライベートな社外活動を副業と見做してはいけない理由

続いて、社外活動(自己実現)は、しばしば副業と混同されてしまう問題について書きます。

まずはじめに勘違いしてはいけないことは、自己実現の主たる目的はお金を稼ぐ目的ではないということです。冒頭の欲求5段階論でも書きましたが、自己実現欲求とは「〝なりたい自分になり、活動の場を手に入れる〟」という欲求です。そのため、自己実現欲求がある人の特徴として「無償性(報酬などの見返りを求めていないこと)」があげられます。なので、生活費を稼ぐために単純軽作業のアルバイトをするのではなく、ユーチューバーやイベンターなど、楽しんでもらうことを生き甲斐に自分も楽しむような外向的な活動をして知名度を上げている人も多いです。

じゅんちん
渋谷のVIBESNIGHTにて
じゅんちんちゃんヽ(*´ー`*)ノ

しかしながら、会社員がユーチューバーやイベンターなど、派手なことをしていると副業禁止を突きつける企業が多いため、ここでは副業禁止という規則をあえて肯定的に認めたうえで、なにが間違っているのかを論理的にハッキリさせて結論まで出したいと思います。経営人事の方々キレないでくださいね。

まずは法解釈から
憲法22条においては、公共の福祉に反しない限り職業選択の自由が認められていますが、よく用いられる憲法22条(職業選択の自由)で副業を肯定するつもりはありません。なぜなら、日本では1日あたりの労働時間は7.25〜8時間が基本であるため、副業OKで週40時間以上の労働を是とすること自体が間違っているためです。なので、フルタイムの会社で就業規則に「副業禁止」の記載があったとしても、それは労働基準法32条を遵守し社員の心身の健康を守るためにも正しいことであり、副業禁止を違法とすることは結果として週40時間以上の労働を肯定することにもなりかねないため論理的な矛盾を招きます。なので、社内規則に「副業禁止」があったとしても、社員の心身の健康を維持するために「副業禁止」があると解釈できるので、個人の幸福までもを害するほどの重大な問題ではありません。

しかし問題となるのは、プライベートな社外活動を「副業」と見做してプライベートを不当に制約する狭量な日本企業の考えかたです。まるで、『社外活動をさせたくない』という不合理な言い分をオブラートで包み隠すように、ユーチューバーでもブロガーでも名前や顔を出しているだけで、なんでもかんでも「副業」と決めつけるので、そこがそもそも間違っているという結論に至ります。

真理に忠実たること──これができる者はすくない。できる者もしたがらない。だが、善人は誰よりそうし得ない。 おお、この善人たち。
善人は決して真理を語らない。

不条理な言い分を覆い隠す善良会社が大嫌いなので
ニーチェ『ツァラトゥストラ』引用しておきます。

社員のプライベートを会社が不当に制約することは民法上の不法行為にあたるので、そのような制約は当然ながら法律で認められていません。もしそれを会社のルールで制約しようものなら、会社がコンプライアンス違反を犯したことになります。また、社外活動を上司が個人的に注意するのもパワハラにあたります。厚生労働省の『職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループによる報告』(平成24年1月30日付)によれば、「私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)」とされているため、プライベートを詮索し、社外活動を見つけると副業と見做して制約することも立派なパワハラ行為といえるでしょう。憲法13条においても「幸福追求権」として認められるべきものであるため、就業時間外の髪型や立ち居振る舞いまでを会社が拘束することはできません。憲法21条の「表現の自由」においても、個人が発信する自由は認められるべきものであると解釈できます。
もしも就業時間外の行動まで会社の指揮命令に服さなければいけない状態であるならば、その実態は就業時間であることに他ならないので、時間外割増賃金に加え、各種手当を私生活の場面においても常時支給する必要があります。そんな財力のある会社なんて到底ありえませんし、非現実的なので、そもそも社員のプライベートを会社のルールで拘束すべきではありません。

求人広告で一見風通しのよいベンチャー企業でも、社外活動の禁止を設けている会社は数多く存在します。実際にリクナビNEXT求人でも検証しました。ぼくの職務経歴書は書類選考だけなら易々通過するテクニックを使っているので、転職の機会にどーでもいい派遣会社にいくつか応募して検証してみたところ、面接でAV女優をやっていた事実を知るやいなやWワーク(副業)OKやワークライフバランスを謳う某SES派遣会社や全国最大手の派遣会社(パーソルテンプスタッフ株式会社・株式会社パソナ・株式会社スタッフサービス)でことごとく断られました。つまり、このことからもわかるとおり、会社としての体裁ばかりに保守的になり、「WワークOKとしながらも名前や顔の出る社外活動を禁止する会社がほとんどである」という嘘つきブラック企業の実態が浮き彫りとなりました。そのほかにも面接で洗脳にかけた人事からいろいろな不正を聞き出せたので、それはまたの機会に暴露しましょう😈🪄

社員の自己実現を副業と見做して禁止してしまうと何が起きるか?

続いて、社員の自己実現を副業と見做して禁止する会社は社員が離れることを書きたいと思います。

ぼくがとある派遣会社で工場勤をしていたころの経験ですが、そこでは社内方針で個人の活動を徹底的に禁止していました。半導体関係の製造業であるため、クリーンルームで全身無塵服に身を包んで7.25〜12時間作業をする職場でした。先でも書きましたが、製品をつくる生産者から生産物を切り離して市場に流通させる仕組み上、製品はいずれメーカーや小売店が販売する品物となるため、製品に各自の個性を詰め込むことなどできないので現実的に疎外は免れません。つまり、製造業では自己実現など叶わないのが現実です。

画像はイメージです。

しかしながら、その派遣会社は保守的な体質で副業はもとより社外活動を一切禁止していたので、同僚の女性社員は会社が休みの日にこっそりとキャバクラで働いていました。聞けば、製造業で働きながらでもコスプレイヤーをしたかったようです。会社で叶えられなかった夢をキャバクラで叶えている女性をはじめてみました。たしかに女性ならメイクをしたり、着飾ったり、写真を撮ったりしたかったに違いないでしょう。しかし、製造業の現場仕事では全身無塵服を着て仕事をしているため、社内では到底叶えようのない夢です。その女性社員はキャバクラでその夢を叶えていたので、ある種の自己実現といえなくもない行動力です。

しかし、このような理由から夜職の力を借りてまで副業をはじめてしまう状態を経営側からみたとき、オープンな社外活動を禁止する方針が逆に社外への人材流出を引き起こし生産性の低下を招いていることに気づかないでしょうか?

ぼくはその女性社員が特定されぬよう、この問題を自分の悩みとして打ち明けるように上司(事業所長)に腹を割ってぶつけました(爆)。当時の上司は真摯に受け止めつつも「製造業だからねー」と言って忖度していましたが、ぼくが会社を辞めてAV女優になった数年後には会社方針はオープンな方向へとガラリと変わり、会社の求人サイトには「オタ社員募集中」という可愛らしいコスプレバナーまでデカデカと設置されていました。派遣会社には超大手の取引先もあるため、実際のところどうなのかは見当もつきませんが、会社がコスプレ活動の自由を宣言することで少なくとも社員の幸福追求権と表現の自由が尊重され、機械のように働くだけでなく輝ける派遣会社へと変わったことには違いないようです。派遣会社がここまで変わってくれるきっかけになれたのなら辞めた甲斐もあると思っています。武勇伝はこの辺に。

この実話からもわかるとおり、社員の自己実現を副業と見做して禁止してしまうと、退職まではいかなくとも必然的に会社離れを引き起こしてしまいます。このような事態を未然に防ぐには、とにかくプライベートな社外活動には口を挟まないことが鉄則です。

会社の閉じられたコミニュティに誘い込んでも根本的な問題解決にはならない

プライベートな社外活動をはじめた社員に、社外活動をやめるよう注意したり、代わりに社内で自己実現を叶えれる環境を整えるなどと無責任な提言を加える上司もいるでしょうが、たとえ自己実現できる職場環境や福利厚生が整ったとしても、それは長くは続かない一時的な気休めです。たとえば、よくある話ですが「自己実現に会社コラムを書きなさい」といわれ、就業時間外に本気で頑張ったところで社員の自己実現の成果を会社のWebサーバーから一生涯に渡って配信できるような堅牢な配信システムなどありえませんので、自己実現を餌に社畜としての忠誠を誓わせる巧妙な搾取システムを体現していることにほかならないからです。

僕は『就活原論』で、自己実現の奨励が、新手のコントロール手段だと繰り返し書きました。労働での自己実現を餌に生産性の高い労働力を釣り、あふれた者たちを消費での自己実現で釣るのだと。https://x.com/miyadai/status/1514247751953166339

東大教授・社会学者 宮台真司 先生 ツイートより
amazon.co.jp/dp/4778312775 就活原論

そのほかにも、ベンチャー企業ではプライベートな社外活動をさせないために、会社が福利厚生の一貫としてゲーム部や体育会系のクラブ活動などを用意していますが、自己実現の代替え手段として用意しているのならまったくもって意味のないことです。会社がいくらアットホームに取り繕ったところで、会社が家族や親友以上の存在になることが不可能であるように、社員がいくら会社のために取り繕ったところで会社の家畜(社畜)になるだけで、畜産業者は飼い慣らした家畜をいつかは屠殺します。ぼくのような境遇から自己実現の思想をもちはじめた表現者は児童館の子供のようにはいきませんよ😈

セルフブランディングで自己実現しはじめた社員にはどう対処すべきか?

生産者から生産物を切り離して市場に供給する資本主義の諸原理に頼っている以上は、製造業であれ、サービス業であれ、すべての社員が表舞台に立てる活躍の場(自己実現できる場)を与えられているわけではありませんので現実的にしかたないということを正しく理解しておく必要があります。

職場に自己実現の場がなくて疎外感を覚える社員は、『いまの職場では活躍の場がない』ことを正しく自覚しているがゆえに社外の他の方面で人脈をつくり『外向的に活躍できる場を求めようとしている』だけですから、その出しゃばらない謙虚な姿勢を評価したうえで活躍の場を妨げぬよう遠くから見守ってあげれば転職や脱サラも起きずにウィンウィンな関係を築けるはずです。

しかし気をつけなければいけない点もいくつかあります。近年社会問題となっているソーシャルメディア上でのバカッターや炎上系ユーチューバーなど、他人に迷惑をかけたり社会的に相応しくない行動をしている場合には炎上騒ぎを防止する観点からも注意が必要です。そのような個人の身勝手な行動によって会社の悪評が立てば会社の信用を損なうばかりでなく、会社の経営にも支障をきたしてしまいます。そのため、ネット上での活動は節度ある投稿を心がける必要があります。ただし、禁止してはいけない表現もあることを知っておいていただきたいです。先でも述べたように、精密機械の工場ではクリーンルームで全身無塵服をまとって働いている都合上、一般的な職業に比べても自己表現できる場が著しく少なく表舞台で製品PRに参加できる機会もなければ、社外活動でコスプレイヤーや読モを目指す社員も少なからずいます。それをただ派手だからという理由で注意したり禁止しようものなら、プライベートの自由を拘束し働く道具のように扱って尊厳を侵すことと何らかわりないので社員は辞めてしまいます。表現者についても、性的に露骨な表現を断定するのは非常に難しいです。コンビニに置いてあるヤンマガ(集英社)の表紙を卑猥だと言ってしまったら、世の中の大半の芸能が卑猥な文化だと判断されかねないので、セーフサーチやニュースサイトでも一定数出現可能な表現者に尊重されるレベルまでは見逃すべきではないでしょうか。
バンドマンやイベンターも華やかと思われると、「うちの会社は大人しくて真面目な性格の社員が多いから社風に合わない」といった心ない指摘を浴びせられることがあります。ですが、華やかというだけで、就業時間外の活動は誰もが自由なので、公共の福祉に反しない限り(他人に迷惑をかけない限り)尊重されるべきです。

ボードレール巴里の憂鬱『鏡』
(ボードレール巴里の憂鬱『鏡』より引用)
ぞっとする男が鏡の前でポーズ決めていても
そっとしておいてあげましょうヽ(*´ー`*)ノ

経営人事もブランディングしよう

さいごに、社員個人のブランディングに同僚や上司が嫉妬心を抱いてしまわぬためにする対策を書いておきます。

社員個人がソーシャルメディア上のセルフブランディングで自社のフォロワー数を遥かに上回って1万人を超えようとしているとき、脅威と呼ぶべき社員に口出しをしたくなる気持ちもわからなくもありません。お前なにしてんだーって焦りますよね。ぼくも派遣会社のころFacebookで大暴れして上司から呼び出されました(笑)。

プライベートな社外活動をしている社員は社内に自己実現の場がなくて疎外を感じているため、『いまの職場では活躍の場がない』ことを正しく自覚しているがゆえに、社外の他の方面で『外向的に活躍できる場を求めようとしている』だけなので悪気はありません。

しかし、社員が個人的に何かで活躍し成功しているところを目の当たりにするやいなや、それを目障りだと言わんばかりに妨げたり牽制せずにはいられない傲慢な人は意外にも多いです。たとえば、応募者の履歴書や職務経歴書が立派すぎるため自身の権威が揺らぐのを恐れて採用を見送る愚かな人事がいるように、ある種の精神疾患ともいえるほど嫉妬深い人は世の中に一定数います。それを一言でドリームキラー(他人の夢をぶち壊す人)ということを覚えておきましょう。いわゆる他人の成功に嫉妬深く干渉したがる傲慢な人を指します。いまどき社外活動に異論を唱えたり禁止したりするようでは、嫉妬心剥き出しのみっともない人と捉えられてもしかたありません。

社外活動を禁止するのではなく、ブランディングにはブランディングを行う物量方式でお互いを高め合うのがもっとも有効な手段ではないでしょうか。近年では、Linkedin(リンクトイン)に続いてWantedly(ウォンテッドリー)という会社ページや求人を載せれるサイトと個人プロフィールが一体化した便利なビジネスSNSのサービスもあります。そうしたサービスを一つ一つ有効的に活用すれば、検索エンジン上で企業ブランディングもでき、社員個人プロフィールや出版物も無料で載せれるため、一人の社員だけが有名人で異様に目立ってしまうなんてことはなくなるはずです。

Linkedin遊び道具と化していますが(笑)、
見る人に楽しんでもらうという意味では、開設してよかったと思っています。

いずれにせよ、社員個人がコスプレ芸人をしていようが、会社は会社、個人は個人として多様性を認めあうことで会社も社員も成長できるはずです。むしろ、広報や経営者だけでなく、社員が有名人になれば企業にも注目が集まる返報性の原理によって企業の知名度アップも期待できるので、それはそれで一石二鳥ではないでしょうか。
何事もポジティブに捉えましょう😈✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?