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決済業界で働く方にオススメの本

よくFintech業界で働くには読んでおいた方が良い本ないですか?とか、決済を勉強するのに何を読んだらいいですか?と聞かれるので、社内のslackに書いてみたんですが、せっかくなのでnoteに書こうかなと。

コメントは全て私の主観なので、話半分にご参考ください。
なお、紹介する順番に意味はありません。

決済サービスとキャッシュレス社会の本質 宮居 雅宣 

決済の総論を書いた本としては決定版だと思っています。宮居さんは業界の重鎮で信望もあつく日本の決済をリードされ続けてきた方。昨今のなんとかPayの潮流や潜脱狙いのサービスには疑義を呈されており、単なるキャッシュレス礼賛本とは一線を画する重みのある一冊です。

強く一読をおすすめしますが、この本の良さは、ある程度決済業界の経験がないとわからないと思うので、まず手にとって見て、数年後、是非読み返してみてください。 

決済インフラ入門〔2020年版〕 仮想通貨、ブロックチェーンから新日銀ネット、次なる改革まで 宿輪 純一 

決済の仕組みが網羅的にまとまっている良本。決済業界に関わる方は入門書としてまず手にとると良い本です。

カード決済業務のすべて―ペイメントサービスの仕組みとルール 山本 正行 

少し古い本ですが、クレジットカード決済の仕組みと業務が詳細にかかれている本です。特にブランド、イシュアー・アクワイアラといったクレジットカード業界を構成するプレイヤーがそれぞれどういった役割をもっているのかが理解できます。

クレジットのすべてがわかる! 図解 カードビジネスの実務<第2版> 本田 元 

文章中心だととっつきにくいという方はこの本が良いと思います。
図版が多くポイントをつかみやすい本です。

決済システムのすべて 中島 真志 

決済の専門家を名乗るのであれば避けられない本です。大学の教科書につかわれているような重厚な本なので、休みの日に読むには適していません(笑)決済全般が詳細に記載されている為、ざっと目を通してどういうことがかかれているのかを知った上で、必要に応じて開く辞書のような使い方が良いかも。

金融の未来―ポスト・フィンテックと「金融5.0」 (KINZAIバリュー叢書) 山岡 浩巳 

ここ数年の決済・金融にまつわる流れをコンパクトにまとめた本です。各章はシンプルですが、ある程度広いテーマをわかりやすくまとめてあるので、最近の決済システムの変化の流れを掴むには良い本です。

アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者 中島 真志

今後金融システムにどういう変化がおとずれうるか?といった昨今の決済・金融の流れを読みやすくまとめた本です。こういったテーマの本は著者の知識が浅く間違った内容が書かれている本も多いのですが、中島先生が書かれているのでタイトルのキャッチーさと裏腹に非常によくポイントを抑えてあります。これと続編のアフター・ビットコイン2は両方オススメです。

実務解説 資金決済法〔第4版〕 堀 天子 

ペイメントに関わる人間は避けては通れない資金決済法の本です。堀先生は金融庁出向時代に資金決済法の制定に尽力された方でこの業界で知らない人はいない方です。法文を覚える必要はないですが、どういう内容や観点で本法が構成されているのかは理解しておいて、詳細は辞書的に開くのが良いでしょう。この業界で働く方なら手元においておくべき一冊。

貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) カビール セガール 

通貨とは何か?なぜ生まれてどういう変遷をたどって進化してきたのか?といったことを体系的にまとめた本。長いのですがとても興味深く知的好奇心をくすぐられる本です。業務には必須ではないですが、通貨を知ることでこの仕事をより好きになれると思います。

21世紀の貨幣論 フェリックス マーティン 

通貨にとどまらず、“マネー“そのものの力を学術的な観点も踏まえ深堀りした本。そもそもお金とはなんだろうということを考え、示唆してくれる本。

FinTechの法律 2017-2018 (日経FinTech選書) 森・濱田松本法律事務所 増島雅和 

少し古くなってますが、資金決済法や銀行法等の個別法に入る前にFintechに関連する法律を体系的にイメージするのに良い本。法律本の入門書としては決定版だと思います。

暗号資産・デジタル証券法 河合 健 

暗号資産やSTO、IEOなどの議論をするにあたって抑えておくべき法律を理解する事ができます。この業界で働く方でも、前払い、資金移動、ポイント、暗号資産の違いを正しく理解していない人が多いのが事実。特に暗号資産関連の法律はSTに関わる部分等、曖昧な部分も多いので現行法を正しく理解して議論しないと空中線になりがちですので、スキームを検討する立場にある方は是非正しく理解しておいて欲しいですね。

アメリカ金融革命の群像 ジョセフ ノセラ

アメリカの経済が信用をテコに肥大化していった歴史を詳細にダイナミズム溢れる文章で綴っています。ボリュームは凄いのですがドキュメンタリー調なので非常に読みやすいので気後れせずに是非よんでいただきたいです。VISAの誕生やミューチュアルファンドがどうやって国民の心を掴んでいったのかがよくわかります。多くの日本の決済業界の著名人が推薦図書に上げており、決済に興味のある方には是非手にとっていただきたい本です。

詳解 デジタル金融法務

私もよくお世話になっている片岡総合法律事務所の佐野先生の著書。網羅的・体系的に法律上の論点を整理されているというだけでなく、金融庁フィンテックモニタリング室に出向されていた経験を元に、判断が最も難しい解釈の部分に踏み込まれて解説されている点において、実務者にとって貴重な本だと思います。

お金のむこうに人がいる

GSで金利トレーダーを務めておられた田内氏が執筆された"お金の話"
お金とは何か?を平易な言葉で説明してくれており、決済に限らず、経済に興味のある方にはとてもおすすめしたい一冊。専門家が読んでも気付かされることはもちろんありますが、学生や新社会人にも是非読んでいただきたい一冊。

教養としての決済

世界中の銀行を接続し、国際送金を実現する決済ネットワークであるSWIFTの元CEOが書いた本。"教養としての"というタイトルは謎だが、グローバルな社会インフラがどうあるべきなのかという視座で書かれた稀有は本。

物価とは何か?

物価とは何か?日常的によく聞く物価という言葉ですが、私を含め正しい意味を理解できている人は少ないと思います。元日銀マンがデータを交えながら、物価という漠然とした言葉を具体化してくれてます。ボリュームも多く装丁も堅そうなので、初見では抵抗感がある人も多いかもしれませんがとても読みやすく面白い本です。

※ 気が向いたら追記していきます。



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