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新しい命。
去年の10月、noteにこんなことをつぶやいた。
このとき抱いた新しい夢は何かになりたいとかそういうことではなくて、子どもを育てながら文章を書き続けたいということだった。
好きだった仕事を辞めた後、家の近くで働きながら不妊治療のクリニックに通い始めた。ずっと仕事が楽しかったから子どもはどちらでもいいかなと考えていた。
でも、コロナが流行してから夫とゆっくり話す機会が増えて、自分にとって何が一番大切なのか考えたときに決断した。
これから先、一体どうなるんだろう。そんなことを思いながら仕事をしてクリニックに通う日々が1年ほど続いた。
はじめて命を授かったときはぼんやりとしてしまいなかなか実感がわかなかった。
仕事に行くとき。ごはんを食べるとき。お風呂に入るとき。眠るとき。
ずっと一緒なんだな。
そのことが不思議で。心がぽわんとあたたかくて。夫と付き合っていた頃にデートした場所や公園、市営水族館にいつか3人で行きたいな。そんなことを思うようになった頃、流産をした。
通っていたクリニックで稽留流産という診断を受けた日、帰る途中で夫にLINEをして母親に電話をした。母もまた流産を経験していて満開の桜並木の下、ぽつりぽつりと話しながら涙が止まらなかった。
今年の春は桜を眺めながらお空に帰った子を想った。きっとこれから先も満開の桜を見上げる度に思い出してしまうのだろう。
流産の手術をしたのが去年の6月15日。丁度1年後に新しい命を授かることができた。
毎日少しずつ変わるわたしの身体。もうすぐ14週目に入る。もちろん嬉しいけど不安のほうが大きい。
流産しないかなとか、産むのはどのくらい痛いのかなとか、子どもをかわいいと思うことができるのかな……とか、とにかくひとりであれこれ考えてしまう。(心配性)
今日は健診ではじめて腹部エコーをした。モニターに映った小さな身体がもぞもぞと動く姿がかわいくて。涙がでた。
前回は心拍確認まで辿り着くことすら出来なかったから検診のときはいつも涙が出てしまう。今日もほっとした気持ちで帰宅することができた。
経過は順調。でも、最後まで何があるかわからない。どうかこのまますくすくと成長してほしい。そして今度こそ抱っこしてあげたい。
病院へと続く道を歩きながらこれからわたしはどんなことに悩み、喜びを感じるんだろう、どんなことに興味が出てどんな仕事をしたいと思うのだろうとそんなことを考えた。
わたしはこれからも色々な選択をする。大きなことも小さなことも。根っこの部分は変わらないと思うけど、子どもの存在が少しずつわたしを変えていくんだろうな。
そのことが今は少し楽しみ。
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