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万一の遭難に備えて家族に伝えておきたいこと(対応マニュアル)

Xにポストしていた内容の解説版です。

起きてほしくはないけど、備えておかなければならない山での遭難。万一の事故発生時、警察に通報するのは当事者本人、そして帰りを待っている家族、二パターンが考えられます。

今回は家族が通報する際を想定したマニュアルを作成してみました。
参考にさせて頂いたのは下記のポストです(夏にお見かけして作らねば、と思っていましたがやっと)


私はココヘリ未加入、YAMAPにほとんどを頼っているハイカーなので、その点に合わせてアレンジしてみました。また、通報時に警察から聞かれるだろう内容も想定して記載しています。

以下意識したポイントの解説です。

遭難からの生還にはスピード感が大事

いかに迅速な救助に繋げて頂けるか、これには「正確な位置情報の把握」「一早い通報」が重要になってくると思います。

正確な位置情報の把握…これに関しては今や多種多様なツールが登山者毎に活用されています。

大原則は「登山届の提出」。登山予定の自治体に提出すると同時に家族に同様の情報を渡しておくことも大事ですね。登山口で用紙をポストに入れるものから、スマホアプリでオンラインで提出できるもの、様々です。
私の場合YAMAPで作成し、YAMAPに送信する際に指定の家族に同時にメール送信される機能を利用しています。登山届が共有されていれば、万が一が発生した際にも、家族や捜索側がある程度の山域を絞り込むのに役立ちます。
(なお、登山届の要項の中には入山下山予定日、ルートは勿論、携行する装備や食料の有無まで含まれるので、後述するように万一の際に警察に聞かれるだろう情報も網羅されています)

入山以降の位置情報を家族がより詳細に追跡できるツールも現在では多数公開されています。私はYAMAPの「みまもり機能」を活用していますが、Googleマップの機能を活用することも可能なようです。

そして、いかに早く通報してもらうか…判断の基準になるタイミングを記載しておいた方が分かりやすいだろう、と思いましたが、これが意外と難しい。
あまりに早すぎると自力下山が可能なケースに無用な捜索願いを出すことになるし、遅すぎると生死を分つことになるかもしれない。
引用元の方々は恐らく長期縦走もされる方々なのか、ある程度余裕を持たせた設定をされているように感じましたが、基本日帰りの私は「日没」を基準としました。原則暗くなる前には降ることにしているので…。ただこれに関しては後日修正するかもしれません。

通報時の情報伝達をスムーズに

引用元の方々はシンプルに書かれていた部分ですが、私はこの点掘り下げてみました。
なぜなら普段から山に同行している家族ならともかく、そうでないケースの場合、通報時に警察から聞かれるだろう情報を家族が細かく把握できているとは思えないからです。特に、現地に行って羽織るだろうアウターの色…正確に答えてくれることは期待薄です。
また、スマホで通話状態ではメールで送っている「登山届」の情報も確認するのに手間取る可能性があるので、通報の前に「印刷」という手順を組み込んでみました。
登山届が手元にあれば、入力していた情報をもとに想定コースから装備に至るまでスムーズに伝えてくれるだろうことが期待できます。

捜索費用に関する質問に対して

こちらは引用元の記載をマルっと参考にさせて頂きました。ヘリ救助による費用が請求されるケースは少なくなってきたと聞き齧ったことがありますが、それでも山小屋スタッフの方々が駆けつけて下さるケースなど、民間救助による費用が発生する可能性は多々あります。そのため警察の方から費用に対する希望を問われることがあるようですが、私も山岳保険には入っているので、その点は心配ない旨回答してもらうよう記載しました。

以上今回のポストに関するアレコレでした。色々工夫して書いたつもりではありますが、とはいえ家族にこんな心労背負わせないよう無事の下山を心がけたいものですね。

まだまだ書いておきたいこともあるのですが、また日を改めて…(常々書き留めておきたかった山城巡り的目線からの遭難対策の話とか。そのうち)






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