高速道路での追突事故の一態様
交通関係でまったく別の情報を探しているときに、興味深いデータがあったので記しておく。それは「高速道路における事故類型別交通事故件数の推移」と呼ばれる統計資料である。
高速道路における事故類型別交通事故件数の推移
統計情報の入手元
統計情報の入手元はe-Statである。「高速道路における事故類型別交通事故件数の推移」は、DB形式の提供はなく、CSV形式とExcel形式に限定されているようだ。ここから、2023年調査、2024年3月公開、最新の統計を拝借する。
車両相互>追突、その中の「その他」とは
上記で公開されている情報は以下のとおり。
色を付けた部分、これがどのような態様の事故か、想像つくだろうか。
構成率は16.4%。およそ6台に1台はこの事故態様となっている。
車両相互事故で、追突の態様となっており、以下4つの態様を除いたもの。
・追越・追抜(に伴う追突)
・走行車に(追突)
・車線停止車に(追突)
・路肩停止車に(追突)
これがどのようなものであるか、すぐには想像つかなかった。
統計「その他」のヒント
ヒントは、交通事故総合分析センターITARDAという機関の提供資料に見つかった。ITARDAは、交通事故に関する分析情報を提供している。おそらくe-Statに提供している元データも、ITARDAによるものだと思う。ITARDAのサイトに、交通事故統計用語解説集というページがある。
ここに「高速道路追加調査項目」「7 事故類型(高速道路)」の分類がある。そしてe-Statの分類よりも細かく分類されている。
車両間相互、追突の態様の事故は、ITARDAでは以下の分類となっている。このうち、e-Statに含まれないものを◆マーク付きで太字で記した。
「流出入車への追突」「料金所等付近に停止中車両への追突」が答えのようだ。側面衝突となったものは「衝突・接触」に集計されるため、ここには含まれない。前後方向の衝突となったものだけが含まれる。
この細分類の説明には、以下のようにある。
ITARDAの有料会員だと、個別具体的な条件で集計を有償依頼できるようだが、一般会員の範囲では「高速道路における事故類型別交通事故件数の推移」を補完する形での情報は提供されていないように見える。
「流出入車への追突」「料金所等付近に停止中車両への追突」
どちらが多いのだろうか。いずれにしても全事故の約1/6を占めるというのだから、これらには細心の注意を払う必要がある。
事故発生件数の推移
もうひとつ関心を持ったのが、事故発生件数の推移。
上に記した表の一部を「車両間相互>追突>その他」を中心に抜粋してみる。
上表をグラフにまとめたものが下図。
「事故全体」「車両間相互」「車両間相互>追突」、これらはほぼ同じ傾向を示している。2019年まではほぼ同傾向で減少を示している。2020年と2021年の流行り病に伴って急激に、事故が少なくなっていることが見える。また、2023年や2024年には、2019年以前の水準ではないにしても、2019年以前の減少傾向の延長線くらいの水準にまで戻っていることが分かる。
他方「車両間相互>追突>その他」はまったく異なる傾向を示している。2019年までは微減傾向にあったところ、2020年と2021年の流行り病の後、2022年から急激に増えていることが分かる。2022と2023年の両方とも、2013年の2倍以上となっている。
最後に
「流出入車への追突」「料金所等付近に停止中車両への追突」
これらの件数の配分、そして原因を窺い知ることのできる情報は見つけられていない。
これらに要注意であることはいえる。しかも車両間相互事故。相手がいることであるため、自身が気をつけているだけでは完全には事故は防げない。とはいえ、不穏な行動の車両がいれば、近寄らないようにしたいものである。
料金所で後続車に追突されるのを防ぐいい手立てはあるのだろうか。大型車と近いタイミングで料金所を通過することを避けるように、速度調整する……といったくらいだろうか。