いつも見ているYoutubeチャンネルで、日本経済の情勢が解説されていた。
消費者物価のピークアウトの根拠に、国内企業物価が取り上げられていた。すでに国内企業物価が安定していることから、仕入れ価格の転嫁は既に済んでおり、消費者向けの価格改定がこれ以上進んでいく傾向ではない、むしろピークアウトしているという解説だったと思う。
解説の中にある国内企業物価を、学習目的でまとめた。
原典資料:月例経済報告
国内企業物価は、内閣府が月次発表している資料『月例経済報告』に含まれている。
月例経済報告は、以下の複数の経済情勢をまとめた報告資料となっている。
消費・投資等の需要動向
個人消費
設備投資
住宅建設
公共投資
輸出
企業活動と雇用情勢
生産
企業収益
雇用情勢
物価と金融情勢
国内企業物価
株価
海外経済
各国・各地域の情勢
国際金融情勢等
今回は国内企業物価に注目する。資料の構成は、「前月からの主要変更点」を表形式で表したもの、「総論」、「各論」と続く。「前月からの主要変更点」と「各論」に国内企業物価が記されている。
11月資料から該当箇所を抜粋したのち、それらを2022年1月からまとめてみることにする。
11月資料は、以下のようになっている。
なお、ページ数はいずれも資料PDFファイルとしてのページ数を表している。
「各論」では数値含めて解説している。各論で一言にまとめた文言、11月だと「横ばいとなっている」という文言、これを前月と比較したものが「前月からの主要変更点」という形で示されている。
国内企業物価の推移
各論の国内企業物価に記された内容を、2022年1月から抜き出して、表形式にまとめた。
色分けは寒暖スタイルとした。つまり過熱方向を赤、冷却方向を青で表した。言葉の部分は、修飾のない「上昇している」「下落している」を濃い色、「このところ」「緩やかに」「テンポが鈍化」など修飾のある上昇下落を薄い色、修飾有無にかかわらず「横ばい」を白色の背景とした。数値の部分はプラスマイナスのみで、薄い色で表した。
前月比の「調整後」とは、夏季電力料金調整後を意味する。
読み解き
まとめ文言と前月比の数値があっていないように感じる。具体的には以下など。
まとめ文言には前月比の数値以外の情報も用いているのだろうか。そのあたりがどうもわからない。
ただ、大まかな傾向は読み取れる。ウクライナ有事以降に国内も輸入も上昇、今年あるいは今年度に入って国内は横ばいに入り、すでに安定しているように見える。
冒頭に記したチャンネルの解説に沿った内容と感じた。つまり、すでに国内企業物価はすでに安定している。仕入れ価格の転嫁は既に済んでおり、消費者向けの価格改定がこれ以上進んでいく傾向ではない。むしろピークアウトしている。このようなイメージはある。
スッキリとしたまとめ結果ではないものの、傾向の理解には有用に感じた。
本当は国内企業物価指数を消費者物価指数と重ね合わせたかったところ、国内企業物価指数は前月比指標のため、重ね合わせるのは適切でないと判断。
輸入物価が上昇傾向にある点は、先のYoutube動画の主様に確認したところ、Jカーブ効果らしい。簡単に検索した内容ではよくわからなかった。もう少し掘り下げて調べる必要がありそうだ。
原典からの抜粋
ここから下には、月例経済報告2022年1月から2023年11月を用いて、国内企業物価の説明を抜き出したものを記す。
よく似た文章が続く、退屈なものとなる。そのため、記事の末尾に記すこととした。上にまとめた表の原典と読み合わせたい場合には、以下を参照していただくことで確認できる。