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10/24(火)呪い

「私はお前の事が大嫌いだよ」
「お前の両親の事も大嫌い」
と、ある日中学の時の部活の顧問に言われた。今となってはきっかけは忘れてしまったけれど、私の出来が悪くて顧問を怒らせてしまい、部活後に1人残されて顧問と1対1で罵倒されていた時の事だ。
説教でも指導でもない。あれは罵倒だったと思う。顧問にはそのつもりがなかったかも知れないが、私のなかにその時顧問からかけられた言葉からの教えなどは残らず、ただただ恐怖と衝撃が傷になって残っている。20年経った今でも。
身近な大人に明確に悪意を向けられたのは初めての事だった。当時の私はそれなりに顧問を慕っていたので、余計に傷は深かった。
確かに私はいけすかない子どもだったと思う。素行は悪くなかったけれど、それは「良い子」の仮面をかぶっていた方が得だと思っていたからだったので、純粋さや素直さに欠けていた。年相応の可愛げもなく、部活では不出来な私は、さぞかし見ていてイライラする存在だったのだろう。
けれど、だからと言って罵倒していいわけではない。
顧問は未だに、夢に出てくる。私は彼女の顔色を伺って、必死に嫌われまいとしている。今は彼女となんの関わりもないし、これから先もきっとないだろうに。
顧問にとっては、勢いに任せて言ってしまった一言かも知れない。きっともう、忘れてしまっているだろう。でも私は一生忘れないし、何度も夢に見るはずだ。彼女が残したのはそういう呪いだ。
ねえ、K先生。満足ですか?

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