1年生1学期期末テストのとき
ちょうど、今から1年前、、、
初めての定期テストのときの話です。
私は小学校のとき、理科が苦手でした。
テストのとき、他教科は80.90…100とかそこら。
ですが、理科だけは60点台前半ばかりでした。
「理科を克服することはできないだろう…」
とずっと思っていたんです。
ですが、中学生になりW先生と出会ったとき、その考えは一瞬で消え去りました。
私は、彼に一目惚れしました。
「先生に好かれたい」「お気に入りになりたい」
そんな思いを胸に抱いていたんです。
でもW先生は、ただの教科担任。
250人もいるこの学年の中で、そもそも覚えてくれるのかも不安でした。
「どうしたら、彼に良い印象を与えられる…?」
私は生徒、彼は先生なんです。答えは1つですよね。
私は、苦手で大嫌いな理科の勉強を始めました。
それも、「人並みでは先生に覚えられない」と思い、人以上に、学年の誰よりも意欲的に。
行動の理由はどうであれ、それだけの努力をしていれば結果はついてきます。
あれだけ苦手だった理科には理解が及ぶようになった。理解が及べば、好きになる。
私は、あれだけ苦手だった理科を好きになれたんです。
これは間違いなく先生のお陰。
「先生のお陰で、私は理科が好きになれました」
何度も、くどいくらいには彼にそう伝えました。
自分を見ると顔を赤らめる、話しかけるともっと赤くなる、「先生のお陰で〜」という話を何度もされる、自主学習の量がえげつない、、あと挙動不審。
先生の中で、私は印象深い生徒になれたようです。
さて、本題に戻りますが、期末テストが近づいてきました。
「どれだけ平常点が良くても、テストが小学校の調子じゃあ成績は望めないねぇ…」
理科が好きになったと言っても、自信がついたわけではありません。私はかなり不安な思いをしていました。
まぁ、どれだけ悩んでいても知識はつきません。
そして私は、狂ったように理科を勉強しました。
そして迎えた、テスト当日…、
配られている間の胃痛は忘れられません。
チャイムが鳴って、表面を向けました。
名前を書く間にも何か忘れそうで、すぐに問題にかじりつきました。
すると、なんということでしょう、問題を読んだ瞬間に答えが思い浮かぶのです。みるみるうちに、解答欄が埋まっていきます…!
しかしそんな中でも、分からない問題って出てくるんです…。
『図1と図2のうち、イチョウの雌花はどちらか』
・・・知らんがな。
ワークは5周しました。朝読書の時間は、1週間ずっと参考書を読んでいました。本屋に行けば、理科の参考書コーナーで何十分も潰しました。
「なにこれ…こんなの、しらない、、」
その日のテストが終わり帰宅。
鞄もおろさずスマホを手に取り、開いたのはSafari。
『イチョウ 雌花』
勘で選んだ図2は、立派な雄花でした。
満点はなくなりました。それに、他にも何か1個くらい間違えているでしょう…。
それに、この私であれほどの手応えを感じたんです。平均点は凄まじいでしょう。満点の子も何人かいるでしょう。
満点、学年トップを逃す…。それは当時、「学年の誰よりも」を目標に理科を頑張っていた私にとって、かなり酷な現実でした。
3日間の期末テストも終わり、2日後くらいでした。
テスト終わり最初の、理科の授業がありました。
恐らくテスト返しです。楽しみなような、不安なような…、微妙な感情を抱きながら、この2、3日を過ごしました。
平均点・・・65点(学年平均)
学年トップ・・・98点(3人)
先生は、黒板にそう書きました。
平均と、学年トップの点数に驚くと同時に、期待の感情が湧き出て来ました…。
私が間違えた例の問題は、確か2点の配点。
「学年トップこのクラスにもおるでー。」
そう言っていたような気もします。記憶が曖昧ですが。
「ワンチャンあるんちゃうん…?」
期待しちゃだめ。自分にそう言い聞かせました。
私は出席番号25番、40人いるクラスでは後半の方です。
前半の人たちの反応を見ている感じ、学年トップはいない模様…。このクラスに2人、3人なる可能性も無きにしも非ずですが、流石にその可能性は低いでしょう。
「寺元ー」(※私の苗字)
今にも呼吸が止まりそうな状態で、教卓前へ。
「ーーーーー」
周りが騒々しかったせいで、彼の言葉は聞き取れなくて…、そして、解答用紙を返されました。
「え」
「〇〇」
私が話す間も無く、先生は次の子を呼びました。
「うわー微妙wん、えすちどしたん?」
解答用紙を見て固まっていた私に、その子が話しかけました。
「え!やば!98やん!」
テスト勉強の50%程度を理科に注いだお陰で、他教科はズタボロでした。
でも、そんなことどうでもいいのです。
先生の教科で、1番になれたんだから。
あのとき貴方が紡いだ言葉はなんなのですか。
それだけが、今でも疑問です。
それ以来学年トップなんてとったことありません
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?