メタラー系ミノラーの河口湖妄想ライブ:KTO ~河口湖 The Offensive~

夢見てもいいだろう ちょっとくらい
逃げてるだけだと せいぜい笑うがいい
信じなくても おがまなくてもいい
体はムズムズしてくる we're gonna feel

B'z「哀しきDreamer」

2021年の河口湖で行われるサマーライブは、所与の条件の下に遂行される。
世界中はウイルスと感染と副作用と5Gに接続できるというコネクティビティ時代の混沌にあふれ、青と黄色と黒と緑と赤のアレは、キャピタリズムを全開にして狂騒を引き起こそうと待ち構えている。
茅原実里はついに音楽活動を休止することを選び、バンドメンバーは四人。ヴァイオリンはもういなく、ギターも一本だろう。
観客には席を立たないように指導されるかもしれない。少なくとも、一緒に歌うことはもうできないだろう。キンブレも相変わらず片手に一本までだ。

しかし、それら所与の条件を一度捨ててみたらどうなるか?
私はここに、現実的でなくても、妄想の河口湖サマーライブのセットリストを提示してみたいと思う。
名付けてKTO。「河口湖 The Offensive」


CMBの紹介(妄想)

Key. 須藤賢一
Dr. 岩田ガンタ康彦
Gt. 馬場一人
Gt. 山本陽介
Ba. 岩切信一郎
Vn. Ayasa

(´-`).。oO(バンドメンバーの時点から妄想が高まる)

CMBはツインギターであってほしいんですよ!!!
ここ数年のみのりんで明らかにパワーダウンしているところがギターで、確かにツインギターは贅沢ではあるにせよ、生音が一つ減るというのはダメージでかい話だ。ヴァイオリンがいるのならまだ補えるが、それもないとなると、もう大打撃。なにせバッキングから離れられず、歌にオブリガードを乗せられなくなってしまうのだから、それはもう。
おまけにツインギター曲が絶望になってしまう! たとえば15周年ライブの「Key For Life」なんかは、まさにツインギターのために作られたソロじゃないか。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった茅原実里の象徴だと本気で思っている。
ほかにも、「月の様に浮かんでる」のソロを思い出してほしい。切ない感情ダダ漏れの響きは、ツインギターじゃないとダメなんだよ。この感じ、初期Helloweenの「How Many Tears」にも近いものがある。

(ソロが始まる2:40頃から)

で、陽ちゃんである。
ギターは複数人いるとパートの棲み分けができる、私の中では、馬場ちゃんが幅広いスキルで全体を支えつつ、陽ちゃんが一歩半前に出て、かっこいいリードを弾くというイメージがある。
馬場ちゃんは真のマルチプレイヤーですよ。みのりん自身がスカウトしただけあるし、本人のフットワークの軽さは凄い。だってハワイまで行くんだぜ?
それに対してギタリスト・山本陽介は、まさにギターヒーロー。エディ・ヴァン・ヘイレンとマイケル・シェンカーの中間みたいなイメージ。すごくよく覚えているのは、サマドリ4だったか、サウンドチェック時にずっとVan Halenの1stのフレーズが流れてきて、これは相当なマニアがいるぞ、と思ったこと。

河口湖でこのリフを聴けるとは思わなかったよ、さすがに。

さすがにみのりんが公開の場でダメと言ったんだから、大先生こと室屋光一郎さんは出られないと思う。そこは一度諦めよう。
ただ、10年前とは違って、ヴァイオリンでJ-POPを弾くことに躊躇なく、むしろノリノリで参加してくれて、かつ実力も保証済みのヴァイオリニストは数多くいるのだ。
その代表が「ヲタリスト」ことAyasaさん。
彼女は実は河口湖に縁があって、どういう因果か声優デビューすることになったMorfonicaのPVで、河口湖ステラシアターに立っている。これは是非お越しいただくしかない。

日本のヘヴィメタル界隈で有名な若井望さんと共演した「亡霊たちの舞踏会」はヤバい。

特注の5弦ヴァイオリンが音のド真ん中に鳴り響く。CMBの中でも決して埋もれず、かつ過去のヴァイオリニストに対する複雑な思いも、みんな吹き飛ばしてくれるだろう。音楽でみんな振り払ってしまえるような実力がある。ここまで動けて映えると、みのりんの負担も軽くなるんじゃないかな。
FGOのライブで演奏したり、ももいろクローバーZのバックをやったり、フットワークが異様に軽いことからも、わりとリアルな夢なんじゃないかと思うのですが……

メタラー的にはもう一人、Unlucky Morpheus(あんきも)のJillさんを期待したい。優勝。

選曲はプログレメタルの大御所「Dream Theater」の「The Dance Of Eternity」。もうこの構成自体が実質CMBなんだけど、なんでこんなにヴァイオリンが弾けるんですか? って感じ。Jillさんはメタル適性が高すぎる……というか、完コピ能力が高すぎるので、本当の意味で何が来ても全く怖くない。あんきものライブでは全曲暗譜だし。

そして、他メンバーに関しては、もう文句なしです。他の人が……なんてことは全くありません。ちょっとベースだけは(茅原実里の歴史的に)メンバーが不安定だったこともあるけど、しんちゃんのベースが適度に遊んでいて好き。

ここからは夢というか奇跡、俺だけの奇跡。死ぬ前に一度見てみたい、妄想。

河口湖ステラシアターで、夢のライブが幕を開ける。馬場ちゃん涙目なことに、空は晴れ、富士山が開け、ステラシアターの屋根は開いている。バックドロップはなく、バンドの背景には緑が輝く。日差しの中ではまわりのファンの顔がとてもよく見える。旗を振ったりアクションしたりして互いに認知を支わす。あれ、何度も会ってるメタラーがアリーナにいるじゃん。なんてこった。羨ましいな、だけどこの席だって、もしかしたらみのりんがやってくるかもしれないよな……。

M-1. Tomorrow's Chance

いやもう優勝なんだが。一曲目だけはこいつできまりなんだよな。スタッフが座席の看板を取り払って、数分間の前説があって、会場を包む拍手、そしてSEが流れてメンバーがひとりずつ入場していく。最後にみのりんが入ってくる。わずかに静まり、あのイントロが始まる。

M-2. 書きかけのDestiny

これ、Sing All Loveと同じ曲順なんだよ。何度も何度も聴いたあの感覚をリアルタイムで聞きたい。何も問題なければ確実にヘドバンしてるし、これをオルスタで聴いたらサークルピット作っちゃうよ。「完全な円を描きながら自由自在に愛を生きる」んだろ?

MC1. 「茅原実里の……茅原実里の……河口湖The Offensiveにようこそー!」

完全にB'z。初期のサマキャン時代は、稲葉さんのステージングをどことなく意識していた感じがしていて、私も心の中でガッツポーズしてたことがあった。

M-3. SELF PRODUCER

序盤のセルプロは吹っ飛ばされますよ。気持ちのいい風も吹いて、ファンも好きなだけ踊れる。
どんな私になりたい? ふーたーりになりたーい!!!

M-4. 恋

私が一番好きな曲。「境界の彼方」「会いたかった空」と並んで、オクターブのピアノがとても爽快な楽曲(個人的には三部作だと思っている)。ヴァイオリンが入っていないレア曲だけど、Ayasaさんがちょいちょいオブリガードを入れてくれる。弓クルかっこいい。

MC2. メンバー紹介~「みんなの声、もっと聞かせて?」

絶対ガンちゃんがAyasaさんに熱烈に絡んでくるやつ。Ayasaさんは「ハルヒ見てました!コスプレして演奏してました!」なんて話してそう。

M-5. Dancin' 世界がこわれても

B'z「NATIVE DANCE」のフレーズで始まり、たぶんベース、オルガン、ドラムと16小節ずつ入っていく。セカンドギターがカッティングで入って16小節、キメのところで、陽ちゃんが「Dancin~」イントロのリフをかき鳴らす。
ここからはみんなで大合唱できるコーナーだ。めちゃくちゃ楽しいだろうなあ。飛沫も憂いも、みんな風で流れていってしまうだろうなあ。

M-6. 輪舞 -revolution

イントロから観客が「おおぉおおおおお」とざわめく姿が想像できる。というか俺の脳内では響いている。絶対これ熱いやつだ。体力をごっそり奪われてゆく。

M-7 覚醒フィラメント

このあたりの感じは「クールに燃えている」状態だと思う。茅原実里のクールに燃える楽曲は全部かっこいい。この曲、アウトロのフレーズがGary Moore 「Wild Frontier」なんだよね。ツインギターでも最高にかっこいいのに、そこにAyasaさんのヴァイオリンが入ってくる時、俺は感動に震えて拳を上げるだろう。

M-8 CMBインスト(In The Dead Of Night(UK)~Theme of CMB~ドラムソロ~Smoke on the water(Deep Purple))

カバーはワンフレーズ程度で。

CMB編成でこれが聴きたい。これくらいタイトなプログレを入れてからのCMBオリジナル。

これは完全に私の妄想だけど、この曲、ヴァイオリンパートがあったと思うんだよ。たぶん一回目の「We Are CMB」のあと、3:38あたり。突然のギターソロ部分がまるまるヴァイオリンだったんじゃないかな。そのへんを復活してもらえると嬉しい(絶賛妄想)

で、最後のドラムフィルから定番のソロに入り、光るスティックが飛んだりして、「イェーイ!」って締めてから、Smoke on the waterですよ。どう入ってくるかな。原曲みたいに静かなところから、そしてリフからは入らないだろう。ここは今後さらに妄想していきたい。まだ妄想が足りないな。

動画は今のDeep Purple。スティーブ・モーズ、リッチー・ブラックモアよりも長くDeep Purpleで演奏したことになるのね。この曲にヴァイオリンが乗ったら気持ちいいだろうなあ。

M-9. 赤い棘のギルティ

もう衣装チェンジで河口湖と言ったらこれじゃないですか!「Smoke on the water」に続いているので、当然炎も映えますよ。

M-10. 春風千里

これもイントロが入った瞬間にどよめくだろう。このリフのグルーブ感が大好きなんだよ。ただこの曲あたりはAyasaさんがいないかもしれない。
そう、「Innocent Age」って生音重視で、ストリングスがない曲がちらほらあって、そのあたりにいろんな深い意味を感じているところ。

アウトロのギターが強い。ここは陽ちゃんに弾いてほしい。ただここで切れず、Eddie Van Halen的なアドリブのフレーズを奏でながら、アンプの前までたどり着いて……

M-11. 孤独の結晶

フィードバック奏法から始まる。これもサマキャンで見た。Innocent Ageより急激にテンションを落としてゆく。もはやゴシックメタルに近い響き。
私が想像しているのは、ゴシックメタルバンド、Paradise Lostの「One Second」。

MC3. 「空に星が瞬くように時間は前にしか進まないから」

M-12. Hopeful "Soul"(Acoustic)

新海誠さんが作っていそうな観客の感情グラフを考えると、ここがどん底。どん底と同時にゆるやかに上がりそうな気配を見せるところ。
私の想像のみのりんは、ここでGibsonのJ-45を抱えて、椅子に座ってジャカジャカ弾いている。原曲みたいに仰々しいイントロは入らないかもしれない。一番はオルガン・ヴァイオリン・みのりんのアコギと馬場ちゃんのアコギで、二番から楽器が少しずつ入っていく。B'z「ARIGATO」や「熱き鼓動の果て」のイメージだ。次の曲の雰囲気もあるので、ここは生楽器オンリー。仰々しくならない。

M-13. 憧れは流星のように

山本陽介を(妄想の中で)呼んだのはこれなんだよ!!!! という楽曲。感情グラフは「緩やか」と「急激」の狭間で、決してなめらかではなくガクつきながら、上がってゆく。そのグラフに「激情」という要素を足したらいい感じになるだろうが、それはもう二次元のグラフでは表現しきれないに違いない。なんか太いマジックとか筆とかで書かなきゃいけないだろうな。

M-14. 会いたかった空

まるで雷雲を抜けた飛行機のように、スッと苦しみが晴れてゆく。闇がうっすら現れ始める時間、やっと待ちわびた太陽が出てくるような、クソデカ月光が輝くような、そんな状態だろうか。カタルシス。

MC4.「やっと戻ってきたね。何年ぶりだろうね?」

M-15. Key For Life

ここはもうハッピーモードだ。セットリストの中では変な谷間になってしまうかもしれないが、茅原実里と私たちの長い間を考えたら、こんな時間が許されたっていいだろう。前向きになる楽曲がたくさん並ぶ。
そしてツインギターがもう一回聴けるんだよ。これは泣くよ。

M-16. too late? not late…

そこからの俊龍! Sanctuary版のアウトロからそのまま次へ。絶対ヴァイオリンが映える曲だよこれ。

M-17. Perfect Energy

体力的にもう限界が近い。だけどこの曲は首を振らなければいけないのだ! 茅原実里のハードロック・ヘヴィメタルど真ん中楽曲。

MC5. 「まだ元気はありますか? おとこのこー! おんなのこー!」

正直想像しているだけで疲れるセットリストだよ。ベテラン勢は年齢的にも厳しいかもしれないよ(だから早く実現してほしいね)。
だけど、ここから最後に突っ走るんだ!!!!今からやぞ!!!

M-18. ∞

MCで煽っておいて急にデジタルに。Contactのように、次を想像せざるを得ない。そう、ぐるぐるぐるぐると、このライブが無限に続けばいいと思わせてくれるような、夢幻SPIRALを……。
同時にここは、待ち受ける地獄の門が開くまでの小休止。Dragonforce「Through the fire and flames」のイントロと同じだ。次のために身構えて、それが終わったらすぐにど真ん中に突撃し、熱い熱いサークルピットを作るんだ! 左回り、左回り!

M-19.暁月夜

クラブサウンドから一瞬の暗転。Ayasaさんのヴァイオリンが沈黙を破る。観客は絶叫する。もう二度と聴けないと思っていたライブ演奏が今ここに蘇る。新たな命を宿してネオクラシカルメタルの激情が荒れ狂う。
これは優勝じゃん。
Ayasaさんが奏でるとき、大先生のフレーズであっても、オリジナルであっても、間違いなく違う意味を持つ。よりいっそう「禁断の愛」に、未知の世界に近づくのではないか。「少女革命ウテナ」のような、t.A.T.uのような。

余談ながら、このヴァイオリンソロ、どことなくギターで作ったようなフレーズだなと思っている。決めフレーズ明けの下降は完全に「Far Beyond The Sun」のハーモニックマイナーだし、その次のオクターブはまさにギターという感じがする。

0:13-のフレーズに注目してほしい。
さらに余談ながら、前述のJillさんがこの楽曲を完コピしている。4弦のヴァイオリン楽曲のエッセンスをギターに移し替えて演奏したイングヴェイ・マルムスティーンが作った、6弦のエレキギターのための楽曲を、4弦に逆変換してしまったのだ。
楽器には物理的制約があり、イングヴェイはヴァイオリンの制約をギターで飛び越えた。しかし一音しか鳴らせないヴァイオリンで、六弦全部を鳴らすイングヴェイの演奏を弾ききるのは驚異的なワザマエですよ。


M-20.NO LINE

想像していて死にそうになった。あ、これ、絶対死者が出るライブだわ。TTOの「NO LINE」が好きすぎてここに入れたんだが、ここに入れると高齢者が倒れてしまうんじゃないか。
しかしこの位置が絶妙にいいと自負している。

M-21. Paradise Lost

もうゴールしてもいいよね?

M-22. Freedom Dreamer

ここが真のゴールでした。俺はもう筋肉痛でジャンプできないと思う。へたしたらコールすらできないと思う。終わってしまった後にアンコールの声も上がらないと思う。無理しすぎたわこれ……

でも、このくらい、観客が死ぬほどライブしてくれなきゃ、茅原実里がいない河口湖のn年分は埋まらないよ。

===ここからアンコール

Enc-1.Hyper New World

アンコールの初めはこの曲かなーというイメージがある。これもギター二本あるからこそいい感じになる曲だなあ。

MC6. 「まだ旗振ってないねー! みんな、旗用意ー!」


Enc-2. アイアイ愛してるよ♡

よりにもよって忙しいこの曲、よりにもよって暗いこのタイミング。完全に本編に圧迫されてますね……。
でも実際こんな感じになるよなあ。

MC7. 「そういえば忘れてたねー!」


Enc-3. 美歌爛漫ノ宴ニテ

イヨォォォォォォーー!!! 浮かれポンチ!

まとめ

セットリストを作っているうちに、想像の中でライブ一本行ってきました。
あっという間に疲れました。
これだけ濃密なライブに行けたらもう死んでもいいと思ってしまいそう。今から体力つけないとやばいね。

おわりに

こんな妄想を滾らせて自分で疲れちゃうくらい、私が大好きな茅原実里の最後の河口湖ライブ、「SUMMER CHAMPION 2021~Minori Chihara Final Summer Live~」は、河口湖に行かずとも、オンラインで試聴できます。Wackenと同日ですが時刻は微妙にずれてるので、通しでも視聴できるはずですよ!

メタラー諸氏オンラインで待ってるぞ! 今からやぞ!

https://eplus.jp/sf/detail/0205440005-P0030130P021001?P1=1221

あとがき

純白サンクチュアリィは別の機会に補完してください(小声)