緊張と緩和

2021年12月12日 20:54

こんばんは。
少し自己紹介させてください。
2010年に銀座7丁目でBARを開業した数寄屋橋サンボアの津田と申します。

サンボアは1918年、（大正7年）神戸の街に小さな「ミルクホール」が誕生しました。「岡西ミルクホール」といいます。その後、『サンボア』と改名し3年前に100周年を迎えました。

現在、系列店は京都3店舗、大阪8店舗、神戸1店舗、東京3店舗あります。それぞれが独立している暖簾分け制度で展開しているグループです。

さて。

BARのドアを開けると、どんなに酔っていても背筋がピンと伸びる。その緊張感もまたBARの楽しみのひとつ。

BARに対して否定的な方の中には「どうしてお金払って飲むのに気をつかわないといけないの？」という方がいる。この感覚だと、BARでは絶対に楽しめません。

酔っ払うだけなら家の中で事足りる。どうして外に飲みに出かけたいと思うのか？

「飲食店は、賑やかで、温度があって、たくさんヒトが笑っている場所」

BARの楽しみはそのすべて、緊張感も空間のひつとの“価値“とされる。自宅で飲んでいる感覚や路上で飲んでいるような感覚のお客様がいると店の空気は一変する。

そこをちゃんと交通整理をするのもバーテンダー。
そして何よりお客様それぞれが感じている緊張感こそが、

"店の空間を作り出す"

修行時代、半世紀以上店に通われていた年配のお客様が言っていた。

「BARでいい時間を過ごすためにはどうすればいいと思う？それはね、自分の隣で飲んでおられる方に気持ちよく過ごしてもらおうと思えば、自分も自然といい時間を過ごせるんだよ」

その緊張感があり、このような配慮があるからこそよりよい空間が生まれる。
そして、