2023.08.03 窓辺
晴れた夏の日、昼過ぎに何気なくカーテンを開けて窓の外を見た。マンションの3階から見える狭めの道路とそれに面している家々。空を区切る幾つもの電線。人工物だらけの景色に誰かが植えた植物群が点々と生えている。立派とは言えないが、それでも真夏の太陽のお陰で新緑の葉をここ一番に携えている。
今日は風が少し強めで、昼が過ぎ少しばかり穏やかになった日射を艶やかな葉が一斉に揺れながら方々へ照り返している。そこらに生えている木々が共鳴するかのように皆一斉に揺らめいている。
クーラーの風で揺れる机の上のティッシュペーパー以外、静物しかない部屋の中で私は「夏が来たんだな」と思った。
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