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どんなプレゼントよりも欲しいもの
あのね。貴方とだったら、私どこへでも行けるわ。
ねえ、だから早くここから、私を連れ出して。
聖なる夜は、大切な人と過ごす決まりがある。
ずっと前から、そう決まっている。
家族か、恋人か、友達か。
24日も終わりが近づき25日、クリスマスの当日には、サンタがやってくる。
良い子の元には、赤いサンタがプレゼントを持ってくる。悪い子の元には、黒いサンタが。
貴方の前では、良い子にしてた。
貴方に嫌われたくなかったから。
貴方に面倒な女だと思われたくなかったから。
今年も私の元へ、サンタは来なかった。
サンタさん。
来年は、私の元にも現れてくれますか。
サンタさん。
今でも、信じて待ち続けています。
サンタさん。
来年は、私も誰かのサンタさんになりたいです。
黒いサンタは、悪い子を連れ去ってしまう。
大きな袋に詰め込まれ、どこかへと連れ去られていく。
12月25日を終えた、26日は私の誕生日。
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あぁ、やっと会えた。
一日遅れの、私のサンタさん。
早く、私をここから連れ去って。