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祇園精舎の鐘の声・・・

『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる者も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには亡びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。』

「平家物語」の冒頭の一節です。

中学の頃、古文の授業で、この冒頭を暗記する課題がありました。この4つの文章のあと、盛者必衰の例として、中国の覇者が4名、日本の覇者が4名。中国は「秦の趙高」、日本は「将門、純友」は思い出せますが、あとはまったく思い出せず。。そして、平清盛につながり、清盛ほど盛者必衰のさまを現した人物はいない、と記され、そこまでが暗記の課題でした。

最近、ふと思い出し、口ずさんでみました。さらに、たまたま片付けをしていたら、「平家物語」の現代語訳の文庫本を発見。かなり古い本で、ずっと昔に読んだのかもしれませんし、家にあった本を自分で持っていたのかもしれません。そんなことさえ今や忘却の彼方ですが、なぜか冒頭の4文は覚えています。

冒頭4文は美しいですね。「祇園精舎」「沙羅双樹」「春の夜の夢」、と響きが綺麗ですよね。文字を見ても美しいです。流麗さが続いたところで、「風の前の塵」で終止。夢見るように言葉が綴られ、いきなりリアルに。「夜の夢」の次が「塵」ですよ!目に見えないものから、突如、目に見えるものが登場。

ちなみに、見つけた文庫本によると、「祇園精舎」は、インドでお釈迦さまが修行していたお寺の名前で、「沙羅双樹」は、お釈迦さまが亡くなるとき周囲に立っていた木だそうです。中学の頃、習ったのかもしれませんが、まったく忘れていました!

「平家物語」は琵琶法師によって語られたと言われています。琵琶の音色と法師の声音が相まった響きはどのようなものだったのでしょうか?
もの悲しい?切ない?温かみもある?・・・想像は尽きることがないですね。

またいつかこの4文を思い出したとき、この4文の響きの世界を楽しみたいと思います。


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