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躁鬱日記 うさぎという生き物

神崎りんねと申します。
最近、いろいろな事情があってうちにうさぎがいます。
飼い始めたわけではなくて、人様のうさぎを一時的に預かっているという状態なので、よそのうさぎです。

うちは両親が共働きで母は喘息持ちで、私も学生で昼間居ないことが多かったし動物の皮膚にアレルギー反応が出ると血液検査で出たし、祖母は動物が好きではないので、ペットを飼うことはないまま生きてきました。昔は確か小さい魚が居た気がするけど、もういません。

うさぎという生き物、犬や猫のように鳴かないし、しっぽも短いのであまり感情がわからない、周りに飼っている人もいない不思議な生き物だという認識をしていました。

実際に触れあう機会ができると、その認識が誤りだったことに気づきます。うさぎも感情表現をするし、うれしいとしっぽを振る。あと周りを見渡すときに立ち上がるとけっこう大きい。でもリラックスしている状態を上から覗き込んでそっと撫でると、かなりちいさい。毛がふわふわとしているので、多分身体自体はもっとちいさいんだと思う。あとずっと草を食べている。咀嚼音が心地いい。深夜2時とかに地べたにすわってうさぎの様子を眺めていると、普通に一時間とか経ってしまう。私の足に前足を乗せてきて周りを見渡す時があるけど、やっぱりとても軽い。

こんなちいさな無垢な存在がじっと見つめてくるとなんだか不思議な気持ちになる。人間に飼われる生き物は、人間が他の世界との接点をつくらないとその小さな世界だけしか知らず生を終えるのだと思うと、なんとも言えない感情が湧きあがる。これは哀れみではないが、やはり人間とは違うのだなと強く思う。ふわふわなグレージュの毛に包まれたこの子はうちにいてちゃんと幸せなんだろうか。


飼い主と会う頻度がうちに来てから減っているが、寂しくないんだろうか。ちいさい頭をなでるとこりこりと歯ぎしりする音がする。目を細めている。喜んでいるサインだと聞いたが、本当に嬉しいのだろうか。わからない。私のことをどのように認識しているんだろう。毎日毎日飽きずに自分の糞尿を回収していく謎のでかい生物くらいの認識なのだろうか。それでいい。それがいいまである。私の手で撫でられて少しでも快適に感じてくれるのならうれしい。

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