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【7/21追記】ヤジの現場に現れたやばいおじさん(wanted)

 「アベやめろヤジ」の現場についての記事は、思った以上の反響があり、正直なところ驚いている。民主主義国家を標榜する日本が、あのようなことになっていることに、みんな新鮮な驚きを感じたということなのだろうなと思った。もちろん、アベ政権になる前から、警察というのはひどい組織であると相場が決まっている。しかし、アベ政権が何年も続くことで、より癒着が進み、自民党の私兵のようになってきているのかもしれないと思うと、頭が痛くなってくる。

 さて、前回の記事で書き忘れた話が一つある。僕たちが一回目のヤジを飛ばし、強制排除された後、路上で警察官と押し問答しているときに、警察よりも高圧的で、暴力的な男が一人現れたのである。その話を補足したい。

 以下は、同行していたC氏による文章をそのまま転載する。

 札幌駅南口でヤジを飛ばした大杉氏と一緒に警察の一群につかまれて後方に追いやられた私は、その後数分は手製のプラカードを掲げて大杉氏に唱和するなどしていました。

 だけども、どうも警察の数が多すぎるし、私たちの味方らしい姿もまったく見えない。そうした孤立した状況であったため、他のことはさておいてもとにかく動画を撮影することにしました。というのは、動画を撮影する[ふりをする]ことで、警察による不当な権利侵害や暴力を少しでも抑制できるのではないかと考えたからです。(別の場所で警察に両腕をつかまれていた女性に後で聞いたところによると、じっさい、つかまれた腕にスマホをかざした瞬間だけ、警察は手をスッと離したのだそう。まるで磁石の反発です

 南口広場から車道一本隔てた道で、大杉氏と警官たちが押し問答をしていたときにも、私はあい変わらずスマホのカメラを警察に向けていました。なにせ大勢いるので、ウロウロしながら、わりと広い範囲を撮っていました。すると、とつぜん「オラァ!何撮ってんだ××ヤロー!撮ってるんじゃねえぞ!」という怒声が私に浴びせかけられました。声の主は、演説カーの停車している方向から速足でやって来た男でした。黒いスーツに赤い花の胸飾りがついていました。

 「いやいや、自分から撮影域に入ってきたんでしょ(※)」と言い返そうとしたら、男はぐいとこちらに腕を伸ばし、私のスマホを、それを持っている私の手ごと乱暴につかみ、引っ張ったのでした。警察があわてて男を引き離し、私もスマホも無事でした。たった十数秒かそこらの短い注意をうけただけで警察から解放された男は、こんどは逆に自分のスマホで私たちをばっちり撮影し、演説カーの方向に歩み去っていきました

 ※男が「撮るな」と言ったのは男自身のことだと、このときは思っていましたが、状況的にもこれはたぶん警察のことでしょう。

(以下、男の画像)

 このおっさんに限らないのだが、実は現場には警察なのかどうかよわからない、スーツにピンバッジをつけた人間(男も女も)がウロウロしていた。(そしてピンバッチには様々な種類があった)。

 このピンバッジパーソンの中には、強制排除の場面で実際に手伝っているものもいた。素朴に考えると私服警官とかSP(警視庁警備部)などのような気もするが、上のおっさんの無軌道で強引な態度を見ると、それも違うのかなと言う気もしてくる。自民党の関係者(選挙事務所のスタッフとか地方議員?)と考えるほうが自然かもしれない。しかし、もしも警察ですらない人間(私人)が、強制排除に手を貸しているとしたら、それこそ人権侵害もいいところではないか(もちろん、警察であっても法的根拠がなければ違法だし、人権侵害である)

 僕は警察の相手をするので忙しかったため、あまり彼にはかまってあげられなかったのだが、このおっさんの高圧的な態度は、今回の騒動の中でもMVPものであった。もし警察が止めなかったら、殴りかかってきたかもしれない。警察は取り締まる相手を間違えてるような気もする。もしどなたか、このおっさん(あるいは各種ピンバッジ)の正体を知っている人がいたら、こっそり教えてほしい。


(2019年7月21日追記)

 友人からの情報提供。UHB(北海道文化放送)の放送したニュース映像を、細かく見ると、安倍晋三が札幌駅から大通り方面に移動する際に、アベの真後ろを、このおっさんが歩いている姿が写っていた(以下、キャプチャー画像)

 この画像を知り合いのジャーナリストの小笠原淳さん(雑誌「北方ジャーナル」の記者で、北海道警の不祥事についての著作がある)に見せたところ「ここまで安倍に接近できるのは、少なくとも道警じゃないと思う。警視庁のSPか自民党関係者なのでは」と、僕と同様の見解。

 どちらにせよ、今回の件は、単に「地方警察の暴走」だけでは説明がつかない。警察庁・官邸レベルの、組織的な排除の方針としか思えない。日本の闇は深い。


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