砂上の構造物を見ると、それが原子で構成された物質ではなく、ホログラムとして空間に設置されたオブジェクトがそこにあるのだ、というように感じることがある。特段に冬の砂浜では、それがより強いオーダーとして、感覚器に入り込むようだ。
日本海の湿った空気を大きく吸い込んだ砂達が、キュッキュッと声を立て、自分たちの見ている夢をホログラムとして生成し、共有してくれる。強い風が吹くと結んでくれた像が横にジャミっと流れてしまうから、そっと間を縫って、消え去ってしまう前にレリーズする。
『Dream of sand』
https://note.mu/s_of_nostalgia/n/ncc86deb5d5a4
今回の撮影場所は、日本海の内灘海岸。例年、夏シーズンとなれば海の家が営業を開始し、県内外から訪れた多くの若者達で活気を帯びる。が、2019年の夏は大人達のちゃちゃが入ったのか、運営されなかった。海の家をぐるりと立ち入り禁止のロープがとり囲み、取り壊しを示唆する案内が掲げられていた。
やがて1年と半年ほど放置された海の家は、建物の2階部分にまで砂に侵食が進行している。かつて、この場所で繰り広げられた人々の喜怒哀楽を飲み込みんでいたのか、将又、砂が僕に見せている夢=ホログラムだったのか。すてきな夢をありがとう。また、キュッキュッと声をかけてくれそうな日に、ライカと一緒に会いに行きます。
今回の撮影システムはすべて、Leica M10-P・Summilux-M 1:1.4/50 ASPH. 。望遠の圧縮効果を出したいシチュエーションもあれば、広角のパースペクティブを活かしたい時もあり、創造力と創作意欲をかきたてるホログラムたちでした。タンバールで撮ったら、またどんな絵を見せてくれるのだろうか。。持っていませんが。。笑
「タンバールを防湿庫に迎え入れるまでの体験記」をいずれnoteしたいと思います。皆さまぜひぜひ、フォローお待ちしています^^
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